第9話 商人ギルド

 冒険者ギルドのおっちゃんのアドバイスを受け、商人ギルドにやってきたが・・・・う、立派な建物だ。

 だが用事があるんだ、気にしないでおこう。

 俺は中に入った。


「ようこそ商人ギルドへ。失礼ですが初めての方ですね?」


 何だろう。声を掛けてくれた女性はある意味凄いぞ。


 眼鏡をかけているうえに、目が細い?

 いや細いと言っても顔全体からしたら大人の顔だな。そしてなんだこの知的美人は。

 髪の毛を後ろでお団子にしているし、できる女だな。


 注:切れ長の目です。


 だが俺は女は苦手だ。特に目の前にいる美人で年上は駄目だ。


「あ、そそっその、ぼぼっ冒険者ギルドでそそっその・・・・」


「あら?どうされました?少し落ち着て下さいね?」


 落ち着かん!駄目だ俺は上手くしゃべれねえ!


「ま、また来ます!!!」

 俺は周り右して逃げた。だが入り口で捕まった。


「どうされましたか??」


 え?何でこの女性に捕まる?


「ぼ、ぼぼ僕美人の女の人っとおおおうぅぅ上手くしゃべれない・・・・」



「まあお世辞でもうれしいですわ。失礼ですが女性は苦手なのでしょうか?」


 俺は激しくうなずく。

「残念ですわ。では男性の担当をお付けしましょうね。」


 俺はおじさんの担当に変えてもらった。


「初めまして、ベルント・ハーンと申します。」


 商人ギルドのおじさんが自己紹介をしてくれる。

「俺はケネトと言います。セカンドジョブを商人にしてはどうかと言われ、登録しに来ました。」




「セカンドジョブを商人に、ですか?失礼ですが何方がそのような事を提案されましたかな?」

 誰って冒険者ギルドのおじさん・・・・名前なんだっけ?今更ながら名前を聞いていなかった!


「ええと、冒険者ギルドで眼鏡をかけているおじさんです。名前は覚えていません。」

 たぶんおっちゃんは俺に名乗ってないよな?ないよな??


「冒険者ギルドで眼鏡のおじさんと言えば・・・・ビリエル・ロセアンでしょうきっと。あいつの助言でしたら問題ないでしょう。ではセカンドジョブを商人にしますか?一応手数料として1万ゴールドかかりますが。」



 百万に比べたら1万なんか安いもんだな。


「お金かかるんですか?」


「はい。こちらも慈善事業ではありませんので。ですが商人ギルドは初めてと思いますので、こちら商人ギルドの手続きをしていただければ、追加料金なしでセカンドジョブを商人から外してもらっても会員登録をカードに行わせていただきますよ。」

「会員登録ですか?」


「ええ。普通に受付でのアイテムの買取、そして消耗品等の買い物は手数料なしで行えます。ただ、元々手数料のかかる大型の取引は無料にはなりませんのでお気をつけて。それにもし、何処かで商売を始めたい場合は会員登録が必須ですので、あって損はないですね。そして特に維持するにあたりお金はかかりませんが、商人と言いましても、基本は信用第一です。カードに信用問題が発生している記載がある場合、場合によっては資格停止の措置もあり得ますのでお気をつけて。」


「ああ、あのおじさんも信用第一とか言ってたな。」

「ではどうされますか?」


「早速セカンドジョブを商人にしてくれ。それと恐らくポイントを使えばレベル10まで持って行けると思うから、そっちもしてくれるとありがたい。」


「いきなりマックスですか?ではカードを拝見・・・・ポイントは・・・・ふむふむ、問題ないようですね。ではこちらの石板に手をかざして下さい。目の前に表示が出ます。では手続きを開始します。お金は引き落としておきます。」


「そうしてくれ。」


「では楽にしていて下さい。少し怠くなるかもですが、ジョブの変化ですからこういうもんだと思って下さい。では始めます。」


 商人ギルドのおじさんは、早速手続きをしてくれています。

 一瞬怠くなったが、それもすぐの元に戻る。

「終わりました。確認を願います。」


 俺は表記を見た。



 名前:ケネト・ラーム


 種族: 人間

 年齢: 18

 性別:男の子

        総獲得/次のレベルアップまで

 LV:   14(  260/ 10  )

 職業 1:採取師 LV10(550/ 0)

 ジョブ2: 商人 LV10(550/ 0)


 体力      71/71

 生命力(HP) 710/710

 力 56/56

 知力 53/53

 魔力(MP) 530/530

 判断力 89/89

 素早さ 101/101

 器用さ 119/119

 魅力 29/29

 運 62/62


 保有スキル

        総獲得/次のレベルアップまで

 鑑定      LV10 ( 550/0 )

 話術      LV10 ( 550/0 )

 目利き     LV10 ( 550/0 )

 交渉      LV10 ( 550/0 )

 ドロップ率上昇 LV10 ( 550/0 )

 採取      LV10 ( 550/0 )

 採掘 LV10 ( 550/0 )

 調薬     LV10 ( 550/0 )

 解体     LV 1 ( 10/20 )

 剣術     LV 2 ( 44/16 )

 鍛冶     LV 2 ( 39/21 )


 保有魔術



 保有ポイント     147

        


 冒険者ランク F

 所属パーティ

 所属クラン

 商人ギルド会員


 賞罰


 所有ゴールド  1,693,400


 おお!何だか増えた!増えたよ!ひーふみーよ―いつ!5増えた!凄いぞこれは!


「問題ないな。というか5つもジョブ増えるのな。」

「おめでとうございます。基本的に商人関連のスキルは常時展開ですので、問題なければ放置でよろしいかと。」

「うん?スキルの発動を止める事もできるのか?」

「ええ、画面で問題のあるスキルを選択していただき、選択していただければスキルは発動いたしません。もう一度選択していただければ発動しますので、参考までに。それと今後の取引には話術、目利き、交渉が有利に働きますので活用下さい。ただ、うっかり悪用いたしますと詐欺判定が出ますのでお気をつけて。」


「相手を話術や交渉で完全に騙す事ですね。ただ騙すと言っても時には必要な事もございますので、こちらはあくまで犯罪行為に利用しないでいただきたい、という意味です。商人は信用第一です。もしそのような事が起こりましたら、カードに記載されてしまいますので、そのような記載があれば今後の取引に影響が出ますので、念を押しますがくれぐれもご注意くださいますよう。」


「ああ、気を付ける。人を騙して犯罪行為?そんな無粋な真似はしない。」


「そうあってほしいものです。あ、それとカードに商人ギルド会員と新たに記載が増えていますので、今後カードの提示で宿や食事で割引の恩恵がありますので、ぜひご活用下さい。」


 俺は商人になったようだ。あ、そうだ、冒険者ギルドに向かおう。

 次のジョブは何だろう。

 いきなり鍛冶師にはな。

 あ、素材集めがあるから戦闘職?

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