第96話 知らなかったでは済まされないという理不尽
まさか旅先で指輪を作る事になるとは・・・・
流石に2人に見られる訳にはいかないからと、何故か旅館の・・・・何と今回宿泊した旅館には温泉があるんだ!
俺が唯一2人と離れられる空間、それが男湯!
貸し切りであれば3人で、と言うのもあるかもだが、まさか男湯に2人が乱入してくるとは思えないからな。
俺一人しか居ないとわかっていればどうかは分からんが、基本いつ誰がやってきてもおかしくない。
当然男湯だから男が来る。
そんな他人に女が肌を晒すとは思えない。
だから俺は男湯で指輪を作った。
幸いな事に?誰も俺が作業している時には来なかった。
【そんな事はないのよ!あんたの近くに誰も来ないように色々しただけよ?】
ちょっと待て!いったい何をしたんだ!!
俺は完成した指輪を仕舞い温泉を満喫する事にしたが、俺が指輪を仕舞った途端、10人程の野郎が入ってきた。
うわ、すまん野郎ども。
俺の・・・・精霊のせいで今まで入れなかったんだな。
ばれると色々問題がありそうだから言わんが。
さて戻るか・・・・
部屋に戻ると、2人が待っていた。
恐らく精霊が俺の無事を報告していると思うのだが、
「ケネト様、とんでもなく長湯でしたわ。体は大丈夫でしょうか?」
心配してくれるセシーリアちゃん。
すまん、あまり湯船につからなかったんだよ。
「つかり過ぎは身体に負担がかかる。ほどほどにするのがちょうどよいのだ。」
心配させたのか照れ隠しなのか、ヒルデは俺に説教を・・・・すまん。
だがしかし俺の試みは成功したようだ。
2人は俺が男湯で何をしていたのか気が付いていない。
単に長湯したと思っているだけだ。
後はこれをどうやって渡すかだな・・・・って今更ながら俺は気が付いた。
俺は女にプレゼントした事がねえ!!!!
し、しまったああああ!!!!
どどどっどどどどおおおおしたらあああ!!!
【落ち着きなさいよ。私がちゃんと場をつく・・・・じゃない、用意してあげるからアンタは指輪を私の指示通りに渡せばいいのよ。】
そ、そうか、ではここはひとつ任せてみようではないか。
だが俺はこの時冷静ではなかったからか、思いっきり判断を間違ったのだが、時すでに遅し。事が終わったのちに気が付く・・・・
・・・・
・・・
・・
・
俺は精霊に言われた通りに、2人を呼び出した。
【本当は一人一人に渡すべきなんだけどさ、あんたの渡す指輪、3人お揃いだから2人同時に渡した方がいいのよ。】
そうなのか?まあ感謝の気持ちが伝わればいいんだからな。
【ふふん!感謝なさいな(お二人さん)!】
なんか言ったか?
【気のせいよ。さ、2人がやって来たわよ。】
うわ、緊張してきた・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます