第97話 思っていたのと違うぞ

俺はセシーリアちゃんとヒルデに、感謝の気持ちと思い精霊と相談した結果指輪を2人同時に渡す事にした、したはずなのだが・・・・


2人にどう伝わっていたんのか知らんが、2人はそうは受け止めてくれなかった。


・・・・

・・・

・・


【さあまずはヒルデガルドに渡すがいい。】


あれ?2人同時じゃないのか?

【問題ないわ。2人にも伝わっているし、順番は2人で話し合って決めたようだからな。】


何だよ順番って。

しかも2人で決めた?意味不明すぎる!


「ケネト様お呼びでしょうか?」

「改まって一体どうしたのだ?」


「あれ?精霊から聞いてないのか?」


「精霊様からここに来るように言われましたが、詳しくは・・・・(ばっちり聞いていますけど。)」

「我も詳しくは・・・・(ばっちり聞いた!)」


「そ、そうか。まあ・・・・それより、俺の(感謝の)気持ちを受け取ってほしい。」


感謝とか恥ずかしすぎて言えねえぜ!


とケネトは思って感謝をわざと言わなかったが、2人は言葉通りケネトの気持ちと受け止める。


「そ、そうか。ではまずは我からだな・・・・」

ヒルデが左手を差し出してくる。


あれ?どの指にはめれば・・・・って俺がはめるのか?


「薬指にはめるがいい。大きさもちょうどいいはずだぞ。」


そう言えば精霊がこの大きさでって教えてくれた大きさが、丁度ヒルデの薬指ほどの大きさだな。


俺はヒルデの手を取り、

「俺の(感謝の)気持ちだ。受け取ってくれ。」

「わかった。ケネトの申し出受け入れよう。」

俺は深く考えずにヒルデの指に指輪をはめた。

次はセシーリアちゃんだな。

「セシーリアちゃん手を。」


するとやっぱり左手の薬指にぴったりなサイズなんだよな、セシーリアちゃんに用意した指輪。

「セシーリア、俺の(感謝の)気持ちを受け取ってくれ。」

「ケネト様の申し出、お受けいたします。」


俺はセシーリアちゃんの手を取り、薬指に指輪をはめた。


そして俺の手にはめる指輪は精霊によって2人の手にある。


「ケネト、左手の薬指を出すがいい。」

「わかった。こうか?」

「ええ、それでいいですわ。ケネト様には2人で指輪をお付けいたしますので。」


そう言って2人は俺の手を取り指輪をはめようとする。

「我の(結婚の)申し出をを受け取ってくれ。」

「私の(結婚の)申し出をお受け下さい。」

俺は指輪をはめてもらい、どう答えていいか悩んだ。すると精霊が、

【二人を受け入れると言いなさい。】


と言うので思わず、


「ヒルデガルド、セシーリアの両名を受け入れる。その、今後ともよろしく頼む。」


そう言ったら何故か2人とも泣き出した。


「これで契約は完了。」

「名実ともに夫婦となりました。嬉しいですわ!」


うん?今夫婦って言った?しかも名実ともにって?


俺は知らなかったんだ・・・・いや、知るべきだったというべきか?


男女が指輪をお互いの指にはめあう事の意味を。



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