第63話 副作用とポーション中毒

 気分が悪い・・・・

 吐き気がする・・・・

 それに暗すぎる・・・・


 何だこれは。

 そして・・・・身動きがとれん!

 声・・・・口に何かが?

 うがー!むがー!


 何が起こっているんだ?全く身動きが取れないじゃないか!しかも目が見えねえ!

 ムカムカするし、か、体が熱い!!!!!


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


「おいケネト!気をしっかり持て!せっかく生き残ったんだ。お前なら乗り越えられる!」


 俺の名はヘンリク。

 遂にケネトを探し出せた。

 モッテセン王国唯一にして過去最大の汚点、それがこの難民支援制度の悪用・難民を非合法に奴隷にし強制労働。

 いくら父がやった事とはいえ、許される事ではない。

 俺はこの事態を打開すべく、色々手をまわしたが父は聞く耳もたず。

 そしてケネト達の行方は全くつかめず。

 いや、目星はついているが、父の許可なく鉱山に立ち入る事ができなかったため、鉱山は調べる事ができなかったのだ。

 しかもご丁寧に登録してないと鉱山に入れねえと言う念入りな体制。

 絶対ここで強制労働させられているはずだが、とうとう見つける事かなわず。


 ケネトの行方が分からなくなって遂に10年が経過した。

 だが俺は手をこまねいている訳ではなかった。

 何故父がこのような愚行を犯してまで鉱山に難民を、しかも騙して奴隷にしてまで強制労働をさせていたのか、さっぱりわからなかったが・・・・

 遂に手がかりをつかんだ!


 どうやら父は何者かに洗脳されてしまったようだ。

 この10年、国は傾くばかり。

 このまま父を放置していては、モッテセン王国は近いうちに・・・滅びはしないだろうが、取り返しの付かない事になる。


 結局父の洗脳を解く事かなわず。

 仕方がない、父を討伐するしかない、そう思ったのだが・・・・


 あろう事か弟が反乱を起こした。

 それも俺と父を排除し、自ら国王になるべく行動をおこしたのだ。


 父を諫めるのであれば俺も協力をしたのだが、そうではない。

 このままでは俺が次の国王になる事がわかっていたうえに、こう言っては何だが父は結構な年だ。

 近いうちに死ぬだろう。

 そう思った弟は、一か八かの賭けに出たようだ。

 この愚行で王都は半ば崩壊した。


 そして弟は父を殺した。

 ぐ!

 できれば父の洗脳を解き、罪を償ってほしかったが・・・・


「あいつは私が殺す。兄上の手を汚す事もあるまい。」


 ヒルデガルトがそう言うや否や、弟の首を持ってきた。

 ・・・・なんだこの茶番は。


 だがそんな事も言ってられねえ。


 どうやら父の死を起因とし鉱山に異変が発生しているようで、数多の騎士が鉱山に向かった。

 幸いロセアン殿が王都の復興を執り行ってくれると約束してくれたので、俺はヒルデガルトと、ロセアン殿と行動を共にしてくれていたセシーリア嬢と鉱山に急ぎ向かう。


 鉱山に到着した時、既に騎士は全滅。

 その立役者は・・・・ケネトだった・・・・あれはケネトだよな?


 だがケネトは・・・・どうやらポーションを過剰摂取したせいで色々な副作用・中毒症状が出ている。


 急ぎ王都で治療をせねば!

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