第32話 事後処理と水面下での女の闘い
「しかしマジか、こんな倒し方があったとは。いや普通の冒険者は絶対しねえよな。サイクロプスの頭を潰すとか。こいつの一番の価値は目玉だからな。それを躊躇わず破壊しちまうんだ。」
「そうは言ってもようヘンリク、俺らじゃ対応しきれなかったし、どの道あれじゃなかったら今頃・・・・仕方ねえんじゃないか?」
「まあそうだな。だが問題はそこじゃない!ケネトはここに薬草採取をしに来てたんだ。いくら森から近いとはいえ、ここは安全地帯だぞ?それなのに安全地帯にサイクロプスが現れた、それもどこかのパーティのミスでだ。」
「それはそうなんですがね。どうするんすか?冒険者ギルドに報告っすか?」
「仕方あるまい。ああそれと、何とかサイクロプスを発掘して、素材を回収しておけ。せめてこれぐらいはしておかねえとな。」
「げ!マジっすか?」
「ああマジだ。さあ先ずはこのでかい壁をどかすぞ。そして掘れ。その後は・・・・何とかなるだろう?」
「そうは言ってもなんすかこれ、カチンコチンすよ。」
・・・・うぅ駄目だ。起き上がれねえ。つうか指すら動かんとは何事?
しかしなんだ?今度は女の声が聞こえるぞ?
「きゃあケネト様!しっかり!」
「邪魔だ。今は我が膝枕で癒しをだな・・・・」
「ああ!?てめえが愛しのケネト様をこのような?待ってね今回復してあげるわ!」
あああ何だか口に柔らかいのが・・・・
「あ、何するのだ!それは我が役目!ギルドの受付風情が何をしているのだ!」
「な、何を言っているの?も、もしかして知らないの?け、ケネト様はその、私の好い人なのよ?」
「ば、馬鹿を言え!こ奴は年上とは付き合わんそうだ!」
「は?だから何?そう言う貴女もケネト様より年上よね?」
「わ、我は一つ違いだ!其方はもっと・・・・」
「貴女がいくら王族だからって言っていい事と悪い事があるわ?」
何だか頭の上で事件が起こっている気が?
「おい待て2人とも。あんたはセシーリア嬢じゃないか。あんた男嫌いだったんじゃねえのか?」
「ち、違いますヘンリクさま。私に接近する冒険者は皆下心丸出しですから!そんなのを相手にしていませんのよ!でもケネト様は違ったわ!私は一生この方に尽くすわ!」
「おい待て、こいつの出身国知っているだろう?」
「だ、だから何?いえ、何でしょうか?」
「こいつの出身国の結婚観ってさ、男は年下の女しか相手にしねえんだぞ?」
「で、ですが私こう見えて彼より幼い見た目のはずですわ!それに一つ違いですわ!(彼女は嘘をついています。彼女は80歳です。但し人間で換算すれば概ね20歳。カードは・・・・何故か19歳となっている。)」
「あのなあ、それを言ったらヒルデも一緒だ。だがこいつは見た目で選んでねえ。年齢だ。年齢が全てだ。」
「あ、そ、それは・・・・何とかごまかせませんか?種族的には私、彼より年下なのですわ。」
「そうだな、カードを偽装するしか手がないと思うが、いいのか?お前ほどの別嬪ならいくらでも相手がいるだろう?」
注:すでにセシーリアのカードは
「駄目なのですわ。理由は私にも分かりませんの。正直ケネト様の見た目はパッとしません。ですがどう言ったらいいのか魂が惹かれあう?みたいな感じですわ。」
「わかんねえわ。お、気が付いたみたいだぞ?」
すまんが前から気が付いていた。だが気が付いたふりを止めるタイミングを逃してたんだよ。
「うう・・・・あれ?」
って言ってみる。
「あ、あんた気を失ってたんだよ!何勝手に気を失ってるのよ!せっかく私がギルドから駆け付けてあげたのに!」
ケネト様って他人行儀な事を言うなあと思ってたんだけど、セシーリアちゃんは人目がある時はそう言うんだよな。だけど二人っきりだとあんたとか。でも今は人がいるぞ?
「それはすまないな。」
「し、心配したんだから!うわーーーーん!!!!」
ちょっと痛い!因みに俺の頭は今地面に落ちた。そう、もう一人の女が臨戦態勢になったからだ。
「やるのかギルド女!」
「そっちこそなんちゃってお姫様!私はあんた達より強いわよ!」
「きいい!」
「むきいい!!」
年上女の闘い。
どっちが勝ってもなあ。
「お前らその辺でやめとけ。カードならそのうち
あ、おっちゃんだ。
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