第93話 工房からいくつか物が消えたんだが
子供が2人、いつの間にかやってきて、気が付けば目の前から消えた・・・・結局何だったんだ?
そしてこの後何事もなく日が暮れて本日の鍛冶仕事は終了、と言う時に俺は気が付いた。
「なあセシーリアちゃん、ここに置いといた剣知らねえか?」
確か昨日打ち終わり、鞘をどうするか悩んで、結局放置してたんだよな。
「ケネト様、ここに剣があったのですか?」
「確か置いたんだよな・・・・ヒルデは知らねえか?」
「そんな所に置ておく方が悪い。本当にあったのか?」
そう言われると自信がねえぞ?
じゃあ違う所に置いてあったのか?
まあいい、そのうち出てくるだろう。
そう思っていたのだが、今度はショートソードと短剣が見当たらねえ。
机の上に置いといたはずなんだけどな。
これは完全に鞘待ちだ。
鞘を作って、仕舞おうと思っておいてあったはず。
「助けてセシーリアちゃん!ここにショートソードと短剣があったはずなんだよ!鞘を作り終えれば完成だったのに。」
「ケネト様はきっと疲れているのですわ。こういう時は暫く鍛冶から距離を置き、旅行に行くのがよいですわ。」
「何で旅行なんだよ!」
「新婚旅行か、それはいい。さあ行くのだ今すぐ行くのだ!なにごぐずぐずしているんドあ!さっさと歩け!」
ヒルデが俺の尻を思いっきり蹴ってきやがった!
俺は蹴られた事でヒルデが何か言っていた事を聞き逃してしまったが、どうせろくでもない事だろう。
・・・・
・・・
・・
・
あれ?もしかしてセシーリアちゃんとヒルデと俺の3人での旅行って初めてじゃね?
そもそも旅行とかしねえし!
まあ、どっかに移動するのを旅行ととらえれば・・・・3人でって今まであったっけ?
ダンジョンなんかは旅行のうちに入らねえし。
「なあ、出発したはいいが、何処に向かっているんだ?」
俺はセシーリアちゃんに言われるがまま馬車に乗り現在移動中だ。
「それは秘密だ!」
なんで秘密なんだよ!
そう言えばこの2人、結構高レベルなんだよな?
という事はそれなりにいろんな場所に行った事があるんじゃなかろうか?
まあ俺はどうせ祖国とこの国の一部しか行った事がないからな。
今更ながら、俺もずいぶん女慣れしたもんだ。
以前は女と接すると緊張して苦手だったんだがなあ。
それが今ではどうなんだ?
年上とはいえ美女、しかもスタイル抜群な2人・・・・おっと、忘れてたぜ!この2人のカードの年齢、俺より何故か下になってるんだよな。
特にセシーリアちゃん。
絶対年上のはずなんだけどな・・・・
今や俺の方が見た目も上だ。
「ケネト様、行先はお任せ下さい!」
色んな意味で大丈夫なんだろうか?
そして何だか違う意味で緊張してきたぞ?
急に2人を年下と意識してしまった。
つまり婚相手として意識してしまうんだな。
なんだかんだで性格の違う2人だが、性格もいいんだよな。
面倒見もいいし。
あ、駄目だこれ。益々緊張してきた。
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