第24話 鍛冶と魔術を学ぶ日々
セシーリアちゃんに魔術の何たるかを教えてもらい、それから2ヶ月ほどは2週間に一度エイセル工房でレオ親方から鍛冶を学んでいる。
スキルがあるから素材さえあれば直ぐにでも打てるらしいが、色々な知識はあったほうがいいと親方に言われ学んでいる。
実際は見ている事が殆ど。
どのタイミングで鉄を打ち、熱を加え、また実際にはどのあたりに力を入れるか等々、見て覚える事ばかりだ。
1年ほど学べば打ってもいいと言われている。
まあ我慢だ。
そして1週間に一度、セシーリアちゃんの魔術の実技が待っている。
いつの間にか1週間に一度学ぶ事が確定してしまったようだ。
なので実質1週間のうち1日は採取が出来なくなり、7日が6日になったが学ぶ事の大切さは分かっているつもりなので、これはこれで構わない。
というか鍛冶で必要になるからしっかり学んでいる。
それにしてもセシーリアちゃんの変化は面白い。
冒険者ギルドに居る時は実際素っ気ない。
所謂塩対応というやつだな。
薬草の買取も実に事務的で、そこに全くと言っていいほど気持ちがこもっていないように感じる。無表情なのだ。
だが魔術を教える段になると、まず草原に向かうのだが、何故か必ず俺の腕に自分の腕を絡めてくる。
俺勘違いしそうだよ。
どう見ても恋人のそれだ。
そして魔法を教えてもらう時は彼女は真面目だ。
そして意外にも親切で、教え方は他の人の教え方は知らないから比べる事はできないが、多分上手いのだろう。俺が理解できるのだから。
そして大抵の場合俺は魔力が枯渇してしまう。
そうするとセシーリアちゃんはいつも俺にキスを、それも舌を絡めるような濃厚なのをして来る。
俺は勘違いをした。そしてそのたびにああ、やっぱり俺の勘違いか、と挫折をするのだが。
「あのね、時間がないのよ分かっているかしら?あんたまさか私と性行為をしようなんて思ってないわよね?あれが一番だけど駄目よ!口付けにしておいて。手を握ってもいいけど、あれは時間がかかりすぎるから!」
とかなんとか言って俺は毎週セシーリアちゃんとキスをしている。
勘違いした俺は一度ならず何度も股間が膨らんだのだが、そのたびにセシーリアちゃんは、
「死ね!」とか「まじめにやれ!」とか言ってくる。
すまん、男の生理現象だ。
しかし残念ながらセシーリアちゃんは年上だ。
いくら俺より幼く見えても年上じゃあな。
え?
え?何で年上が駄目なんだって?
何言ってんだ?そんなの常識だろう?
それこそどうやって息をしたらいいんですか?って聞いてくるようなもんじゃねえか?
それにだ、糞したくなったらどっかでするだろう?
それとおんなじじゃねえか!何当たり前の事を言ってるんだ?
注:大事な事なのでもう一度。ケネトの祖国の結婚観は、男はあくまで年下の女性しか認めていません。
お付き合いは別ですが。
だがセシーリアちゃんの唇は柔らかく、彼女の魔力は俺に馴染んだ。
枯渇していた魔力はある程度キスをすると元に戻るのだが、ポーションじゃ駄目なのか?と思わないでもない。だが俺も男だ。せっかく超絶美女がキスしてくれるんだ。野暮な事は言わない方がいいだろう。
これで年下だったらなあ。まあでもセシーリアちゃんも俺を弟みたいに思ってるんだろう?俺も素敵なお姉ちゃんと思っているよ?
この2ヶ月、実質8回魔法を教えてもらった。
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