第38話 急激なレベルアップは気持ち悪くなる
俺は一気に20近くレベルアップした。
そしてセシーリアちゃんに抱き着いた訳だが、これには理由がある。
一気にステータスが跳ね上がるせいで、精神的に不安定になるのだ!
そんな時隣にセシーリアちゃんがいた。
俺は思わず抱き着いてしまった訳だが、ついでに言えば思考能力も低下する。
そしてその後気持ち悪くなる。
何とか耐えて空間魔法と回復魔法を手に入れたが、その後は完全ダウンだった。
因みにレベルアップは基本こうした冒険者ギルドなどの街の建物内で行うのはこれが理由らしい。
戦闘中に魔物を仕留めたからとレベルが上がってしまうと、ステータスの変化に本人が付いていけず、戦闘中であればその剣裁き、魔法を使う精密さに影響が出るのでその変化は必ずしも歓迎できるものではない。
勿論ステータスが上がるのはありがたい事なのだが、高レベルになればなるほどそう言った変化にはシビアなのだそうだ。
例えば魔法だ。レベルが上がれば魔法の威力が上がる訳だが、ステータスの変化のせいで命中率に影響が出る。
何で命中率が?と思うだろうが何せ威力が上がる。速度も上がる可能性もある。そしてそのせいで魔法の軌道が変わる。まあタイミングが変わると言った方がいいか?
もし動いている魔物に魔法を使うとして、タイミングがが変われば当たらなくなる可能性がある。
慣れないと魔法が飛びすぎたり、場合によっては魔法の威力が上がったせいで状況次第では唱えた本人にまでダメージが行く場合があるからだ。
敵に魔法が当たって、それが威力がありすぎて魔物の骨とか硬い鱗が術者に飛んでくるかもだから、らしい。
尤も俺はまだレベル2桁だからそこまでは。どちらかと言えば身体が変化に堪えられない。精神的にもだ。
だからなのか、年上にもかかわらずセシーリアちゃんを俺は思わず抱きしめてしまったのだ。
ああ、勘違いしないでほしい。年上が駄目なのはあくまで結婚相手だ。恋愛はいいんだ。だからと言ってセシーリアちゃんを遊びで、と無責任な事はしたくない。まああれだな、姉だ姉。the・お姉さん。
彼女が年上でなければなあ。
顔よし!スタイルよし!性格も面倒見がいいし優しいし・・・・はあ、残念だ。
今更だけどあんなに細い身体なのになんで抱きしめるとあんなに柔らかいんだ?
脂肪なんてそんなについているように感じられないんだが。それにいい匂いだ。
は!いかん。
付き合ってもいない俺に抱きしめられてさぞや迷惑だろうセシーリアちゃんは何も言わずに受け入れてくれる。
ありがたやありがたや!
今度からお姉ちゃん!て呼んでいい?って言ったら思いっきり殴られた。
セシーリアちゃんのままでいいらしい。謎だ。
・・・・
・・・
・・
・
ああ、穴があったら入りたい。落ち着いた俺はものすごく恥ずかしかった。
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