鍛冶師ケネト
第76話 真エイセル工房の完成
鍛冶ギルドの尽力もあって、翌日エイセル親方が鍛冶をできるようになった。
まあ俺の土魔法のおかげだけどな?
【精霊のおかげですけどね。】
ぐは!
実際俺は精霊の言いなりになって炉を造ったんだよな。
「ですが実際に魔法を使用したのは紛れもなくケネト様ですから、そこは誇っていいかと。」
おや?俺あげられた?
落としてあげるとか中々憎いぜ!
【流石ちょろいですね。】
平和なおかげなのか、何だか毒舌な気が・・・・
【気にしたら負けですよ。男はそんな細かい事を気にしないのです。】
男とはどういう基準なのか、一度聞いてみたいもんだな。
「え?男ですか?私はケネト様一択ですから。」
・・・・セシーリアちゃんは男と聞くとそう言ってきた。意味不明。
「男だあ?男は黙って成果を出すもんだ!」
流石はエイセル親方。男ってのをわかってるぜ!
「男と言うのは、女性が困っていれば黙って手を差し出すものですよ。さあケネト様手を。」
セシーリアちゃんが何か言ってるが・・・・さっきの俺一択とは何だったのか。
「何で今手を差し出すんだ?」
「私が困っているからですわ。」
「うわ!マジか!俺セシーリアちゃんが困ってるって知らなかったぞ?」
喋っちまったが手を差し出す。
「では指を少し切りますよ?」
何でだ?
俺は悪い予感がしたから全力で手を振り払おうとしたが・・・・なんて力だ!セシーリアちゃんの細腕の何処にこんな力が!
「なあ・・・・それをする事で、俺とセシーリアちゃんはどうなるんだ?」
「どうにもなりませんよ?単なる契約ですわ。」
契約ってこの場合夫婦とかか?
遂に実力行使か?
「・・・・勘違いなさっているようですから一応説明しますが、違いますからね?いくら私がケネト様を愛しているからと言って、同意もなしにそんな契約はしませんからね?で、私が今困っているのは精霊との契約ですわ。」
焦った。
何を焦るのか?
まあいいじゃないか。
「何で血がいるんだ?」
「精霊との契約ですから、きちんと報告しないといけませんから。これがあるのでケネト様に教えるのが最後になったのですわ。」
「精霊と契約すると何で報告するんだ?」
「精霊と契約をすれば、精霊はケネト様に従がいます。ですが精霊に悪しき事を命令すればどうなるでしょうか?ケネト様が命令したかどうかは誰にも分かりませんから、精霊が暴走したのか誰かが命令したか分かりません。ですが血を用いて報告をすれば少なくともケネト様が精霊に命令すればそれがわかります。逆に言えば、精霊が悪さをしていてもケネト様の命令でないとわかるのですわ。」
「よくわからんが俺を守るのか?」
「そうですわ。」
俺はセシーリアちゃんの言うがまま精霊の契約を国に報告する手続きを行った。
ちなみにこの間に親方は鍛冶ギルドのおじさんと色々打ち合わせをしていたようだ。
何せ親方はこの国一番の鍛冶師だからな。
親方でないとできない仕事もあるはずで。
こうして俺がセシーリアちゃんと精霊関連で色々やっている間に親方の新たな工房が出来上がった。
仮だけど。
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