第88話 念のため、国に納めた剣は魔剣だからな
ぶっちゃけ、オリハルコンだろうがヒヒイロカネだろうが、剣を打つだけなら然程難しくはねえ。
今回俺が打った剣だが、ミスリル製の剣は数打ちだ。
だがそれ以外はいわゆる魔剣だな。
特オリハルコンが関わったのは全て魔剣だ。
念のために言っとくが、レベル14は鍛冶だけじゃねえ。
精霊と魔法も14だ。
ぶっちゃけこのせいで莫大な金がかかった。
恐らくこれはヘンリクが所有する事になるのだろう。
実際あらかた出来上がっている。
武器として扱うのであればこの段階でも十分国宝級の剣になりえるだけの美しさがある。
まあ宝剣の方だがな。
で、今最後の仕上げをしている。
剣に俺の魔力を流し、剣に馴染ませているのだ。
剣を打つよりこっちの方が実は時間がかかった。
この1振りでさらに1ヶ月の時間を要した。
そのかいあってか、俺の扱える精霊のうち、最も上位の精霊の一つがこの剣に加護と言うのか?剣と一体になってもらった。
【魔剣モッテンセン】
俺がヘンリクのために打った渾身の剣だ。
今の俺ではこれ以上の剣は打てねえ。
実際魂を込めた(と思っている)。
俺は終にやり遂げた・・・・
そう思っていたら、丁度第一話の冒頭シーンになるわけだ。
久しぶりにヒルデがやってきた。
「君がケネトか。」
「違います。」
まあ今の俺の姿は誰から見ても俺には見えねえはずだ。つまりケネトとして見てもらえねえって言う意味で、凄まじい姿になっている。
髪は伸び放題、ひげは言わずもがな。
だからヒルデですら俺に聞いてきたのだろう。
当然ながら浄化で綺麗になっているとはいえこの数ヶ月風呂もトイレも行っていないからな。
だからヒルデも俺の事がわからなかったのだろう。
そして俺は年上の女がだ苦手だ。
だから俺は逃げた。
当然ヒルデが追ってくる。
「待て!
「そこにあるので差し上げます!」
「どうやって運ぶのだ?重すぎて誰も剣を持てぬ。何とかしろ。それにいい加減に気づけ!」
まあ普通オリハルコンの剣なんか持ちあがらんだろう。
うん?それと気付けってなんだ?
一瞬その言葉に気を取られてしまったのだが、流石は高レベルの冒険者だ。
あっという間に俺は襟首をつかまれ、引きずられていく。
「ケネト、感謝する。そして正式に我を妻とするがいい。」
「断ります。」
俺は逃げようとしたが駄目だった。
「ケ、ケネト・・・・一応言っておくが、ケネトの出身国と、モッテンセン王国との年齢の数え方なのだがな・・・・違うのだ。だから我のカードを見るがいい。」
俺はヒルデのカードを受け取って・・・・年齢を見た。
あれ?こいつ38歳ってなってるぞ?一つ年上じゃなねえのか?
「あ?なんだこれ。俺と同じ年?」
「正確には数カ月年下だ。いい加減気が付いてほしかったな。」
俺は固まった。
ヒルデが・・・・年上だと思っていたのに、こいつは・・・・俺より年下・・・・だと?
俺は固まった。
だがそこに追い打ちをかけるかのようにセシーリアちゃんからカード見せられた。
「ケネト様、種族補正をかけた私のカード。見てほしいわ。」
種族補正ってなんぞ?
そこで見たのは・・・・何故か36と記載のあるカードだった。
セシーリアちゃんこそかなりの年上のはず。
おかしい。色々おかしい。
俺の今までは何だったのか?
2人は・・・・カード的に俺より年下だった。
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