第89話 魔剣モッテンセン

 俺の今できる全てをたたき込んだ総オリハルコンの魔剣。

 その名も魔剣モッテンセン。


 今後モッテンセン王国を象徴する剣となるはず。

 まあ俺が勝手にそう思って打ったんだが。


 で、俺はヒルデに拉致されそのまま城へ。


 そしてヘンリクに渡そうとしたのだが・・・・


 おっちゃんロセアンが、

「ケネト、この台に置いてくれ。」


 よくわからんが俺は最後の一振りを取り出し、台に置いたが・・・・


 ドゴ―――――ン!!!!!!


 台が崩壊した。

 何で?


【オリハルコンの剣を、精霊の加護無しで扱えばこうなるわよ!】

 へ?おかしいぞ?この剣、工房では俺の手から離れていた時もこんな風にはならなかったんだが。


【それはラグーラ工房全体が常に精霊の加護を得ているからよ!】

 いつの間にそんな事をした?


【精霊レベル14なら当たり前の事。】


 しかしこれでは先が思いやられるぞ。

 だったら他のオリハルコンを芯材にした剣はどうなんだ?


【あんたから離れる前に精霊が宿っていたのよ。】


 じゃあ何でこの剣には精霊が宿ってないんだ?


【色々あるのよ。だからこうして今から剣に精霊の恩恵を得られるようにするのよ。】


 俺は精霊と会話をしていた。

 そのせいで周囲の騒動に気が付いていなかった。

 そして突然?

 実際は何度も声をかけられていたようだが、俺の反応がなかったからと、誰かに肩を掴まれたようだ。


「あの台高いんだぞ・・・・」

 そんなの知らん。


「置けと言われて置いた。オリハルコン製の剣の事はおっちゃんも知ってるよな。」


「ああ知っているとも。そもそもケネトにオリハルコンの何たるかを最初に教えたのが俺だからな。」


 なら気が付けよ。

 そう思ったが俺はおっちゃんには強くは言えんのだよ。散々世話になったからな。


「こんなの後でどうにもなるだろ?それより剣だ。」


 俺は剣を拾った。

「まさかと思うが陛下に直接渡したら、さっきの二の舞にはならんよな?」

「それは心配ない。」

 ないよな?

【大丈夫よ。あんたが渡したい人に渡す時に精霊を剣に宿らせちゃうから。もう待機しているわよ。何せ高位の精霊だから準備に時間がかかっちゃってね。】


 そういうもんか。


「これから陛下に剣を直接手渡しする。俺と陛下、2人で剣を手にした時に精霊が剣に宿るらしい。」

 俺はこのままヘンリクの所に向かう。

「これが件の剣か・・・・」


 ヘンリクが剣を見る。

「俺の全てをたたき込んだ。」

「ちょっと待ってろ。・・・・を連れてきてくれ。」


 何やら誰かがこれから来るらしい。


 すると、何やらベッドが運ばれてきた。

 誰かが寝ている?

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