第33話【他視点】救助活動の開始!!

未来ある男子高校生の命を切り捨ててまで、自分たちの組織の面子を保とうとするのか?こんな組織じゃなかったはずなんだけどな…


20歳になってこのダンジョン省に就職した時は、どんなに些細な事故でも全戦力を持って助けようとしてくれていたのに…どこで変わってしまったんだろう?


俺はそんな事を考えながらも、いつも食事をともにする彼らにこの事を話すことにした…



「なぁ…俺はどうすれば良いんだ?」


「どうしたんですか?何か問題が発生したんですか?」


「問題が発生したというわけじゃないんだけど…このダンジョンに男子高校生が取り残されているんだ。」


「上層部はどういう話をされていましたか?」


「『助けなくても良い』というふうに話をしていたよ…正直俺はそんな命令に従うことは出来ない。だから一人ででも助けに行く」


「無茶です!!内部には精霊獣、微精霊、高位精霊が居るんですよ!!微精霊はほとんど実害がないから良いですけど精霊獣や高位精霊と接敵したらあなたじゃ死にますよ!!」


「だとしても誰かが助けに行かなくちゃ、つらい中でも我々の救助を待っている彼に失礼だ!!それに接敵しないように移動すればいいだけのことだ!!」


「分かりました…私も行きます!!リスクが大きいですけど、いかないとその男子高校生が助かりません!!」


俺といつも食事を一緒に取っている田中さんが話をしていると、轟音が響いた…慌てて外に出て確認してみると、ダンジョンの入口が開放されていた。塞がれていたダンジョンの入口の前に立つのは…


「枢木奏音…ダンジョン省の最高戦力だ。あいつが何をするかわからないからこちらでも準備を進めるぞ。」


「分かりました。それにしても彼女ってどうしていつも無口なんでしょうか?」


「そんな事を気にしている必要はないぞ。さっさと行動に移せ…我々がこれから戦わなくちゃいけない相手は精霊共だ…対精霊装備でもどれだけ耐えられるか…」


「今回は隠密重視で行きましょう…先程行っていた通り、接敵しなければ危険もありません…対精霊装備なら精霊からの攻撃を50%程軽減できるはずです。」


「ありがとう…それじゃあ彼女がダンジョンの中に入ったら我々も動き出そう…」


「ちなみにですけど、何処に救助する対象がいると思いますか?」


「…おそらく最下層だ。特殊フィールドによってモンスターが出現しないことに加え、ボスの命をすぐさま断つことも出来るんだ…それほどまでに安全な場所はないだろう…」


「そうですよね…彼女も中に入ったようですし、我々も中に入りましょう。」


俺と田中さんはダンジョンの中に入った…そして一階から順に探索を始める…






「そっちにいましたか?」


「こちらには居ませんでした…それどころか痕跡も発見できませんでした。」


「…次の階層に行きましょう」


「分かりました。接敵しないように十分ご注意を」


「田中さんこそ気をつけてください。正直精霊獣と戦ったら勝ち目はないですから…」


「そうですね…天はどうして平等に力を与えてくれないのでしょうか…」


「祈っている場合じゃないですよ!!田中さんこっちに来てください!!」


「あぁ…すみません。どうしたんですか?」


「これって何だと思いますか?」


「…!!これは…高位精霊の呼び出した配下の中位精霊だ!!今すぐこの場を離れよう!!」


「待ってください田中さん!!俺が言いたいのはそこじゃないんです!!このダンジョンにこんな傷の付け方をするモンスターや人って居ますか?」


「…救助対象である男子高校生がやった可能性は限りなく低いだろう。予想よりも強い強さなら、ダンジョンの入口を無理やり突破してきたかもしれないからな。」


「でも…こんなをする人なんて…もしかして枢木の奴でしょうか?」


「それはない。あいつが使う武器は細剣だ…こんな傷をつけることは不可能だ。」


「じゃあこれは何なんですか!!中位精霊には逆立ちしても精霊獣じゃ勝てませんよ!!」


「つまり…このダンジョンには我々のしらなかった4が居るということか?」


「…そのモンスターが我々の事を認識する前にここを離れましょう。とにかく最下層目指して全力で移動しましょう。」


「わかった。移動系のスキルをすべて使うとするか…」


そして俺たち2人はその場をすぐに離れた…移動系のスキルをフルに使用したことによって、救助対象がいるであろう特殊フィールドにたどり着いた…


「ふぅ…着きましたね。」


「それじゃあ手分けして救助対象を探しましょう!!私はこちらの左手側から探します!!」


「わかった…それじゃあ俺は右側から探すとするよ。」


こうして俺と田中さんは二手に別れて救助対象である男子高校生を探した…






四種類目のモンスターの事を上層部に報告しないといけないな…








今日も見てくださりありがとうございます!!明日も昼には投稿するつもりなので是非来てくださいね!!


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おかしいところあれば遠慮なく!!


今のところ、付き合ったりとかそういう風にするつもりは一切ありません…期待してた方すみません…

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