第56話【配信】汚染区域の洗浄
俺はアロンとともに汚染区域とされている場所へと飛行してきた。ルージュに憑依してもらって飛行して到着した場所は、汚染の中心になる。事前に空中から塩酸や希硝酸などをまいたお陰で、なんとか影響は受けてないみたいだ。
「アロン配信をつけるから頼んだよ!!」
『かしこまりました。とりあえず私は先に、歩くことが出来るように道を作っておきます。なので気をつけてください。』
アロンが飛行しながら塩酸を巻き始めた所で俺は配信を始めた。
「皆さんこんにちは!!最近はウイルスの影響で外に出れてないみたいですけど大丈夫ですか?」
俺がそんなふうに話しかけるとすぐに視聴者数が増えだした。そして一分もしないうちに千人を超えたのだ。
コメント欄
・退屈しすぎて死にそうだよ…
・どうすれば良いんだよ…というか何で外に出てるの?
・ゴーレムが空を飛んでる…これは幻覚か?
・もう日本は終わりなの!!だから生きてる意味なんてないんだから皆一緒に自殺しようよ!!
・日本が終わっただけで海外はまだ全然問題なく行けるで。
・なんなら東京以外は問題なく過ごせてる。
・東京住みからすれば最悪だったよね…これ
「今日はすごい速さで視聴人数が増えていきますね…それと投げ銭機能が解除されたのでしてもらえると本当に助かります。それはさておき…本題に入ります。俺は今汚染区域とされている場所に来ています。」
・えぇ…
・こいつ死んだわwwwwwwww
・お墓代にでも使ってください!!
・そう言いつつ投げ銭してないの草ぁwww
・自殺志願者なのカナ?それともテレビを見ない情報弱者なのかな?既にイキった配信者が突撃して、唐突に死亡してしまったのを確認してないのカナ?
・おじさん構文と混ぜないでクレメンスwww
・まぁまぁ…自殺配信ということで見ていきましょうよww
「俺は自殺志願者じゃないですよ…それよりもここは汚染区域の中央になります。周囲を見てもらえらば分かると思うんですけど周囲は真っ赤に染まってますね…ただ俺の周囲を見てください。なぜか赤くなっていませんよ?」
・ファーwwww
・なんでやそんなン嘘やん!!
・こいつまさかCの者か!!
・チーター◯ね!!
・そもそもチーターって概念はないだろwwwwwゲームじゃないんだからさ?
・子供見てるかもしれないんだぞ〜健全な配信を心がけろ!!
「この赤く染まってるのは、いわゆる血ですね。それとこんな感じのが有効らしいですよ。希硫酸、希硝酸、硫酸、塩酸…などなどですね。」
・全部危険で草ぁwwww
・草ぁってなんだよwwww
・危険物の取り扱いとかの免許みたいのって取ってるの?そういうのわからないから、できれば教えてくれる人がいれば嬉しいな〜
・危険物取り扱い免状みたいのがあった気がする〜
・まぁそれよりも実際に見せてくれよ!!
・この真っ赤な血が消え去れば日本は再び救われる!!
「そう慌てないでください!!私がこの場を全て清掃します!!清掃が終わるまでの耐久配信と行きます!!」
実際は食事を取ったり水分を取ったりする時間もあるから、途中途中休憩するけど、配信を続けるというのは本当だ。今回の事で一気に知名度が上がるというアロンの話を信じてここで一気に知名度を上げておきたいのだ。
知名度を一気に上げたい理由としては、最悪この日本を捨てて海外に出ることが出来るからだ。知名度と優秀な能力を持っていることを知ればアメリカなどの海外諸国もスカウトに来てくれるかもしれない…そう考えれば、知名度を上げることは最優先とも捉えられる。
何よりこの日本は、もう既に崩壊の兆しが見えている…国会議員が居ない現状では、日本ランキング上位の人達によってほとんど専有されていて、日本という国は独裁国家に近い状態になっているとも言えるだろう。
「とにかくまずは海の方に向かって、どんどんばらまいていきます!!疲れたら休憩することは忘れませんが、結構長くなると思いますのでみなさんも隊長にはくれぐれもお気をつけください!!」
俺は忘れていたことを思い出し、再び話し始めた。
「あっ今回の配信の予想時間は1000時間を超える可能性があるので本当に気をつけてくださいね?」
その言葉を言った瞬間に先程までにぎやかだったコメント欄が一気に動かなくなってしまった。
今日も見てくださりありがとうございます!!次回もお楽しみに〜!!
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