第30話【戦闘】ダンジョンの入り口閉鎖!?

「ルージュ!!さっきの槍を絶対に当てよう!!タイミングはこっちで指示するから、そのタイミングで射出してくれ!!」



ルージュの魔法は火力が目に見えて高いから、絶対に当てないといけないな…当てれれば簡単にダメージを与えることが出来るし、相手も警戒するから速攻でこちらを倒しに来ることはないだろう…



「タンクが出来るアロンが10分は戦えないから、必然的にルージュと俺で戦わないといけないな…さてどうやって戦おうか。」



攻撃を受けたら、回復不可の状態異常に陥ってしまうのだったら…いわゆる『避けタンク』をしなくちゃいけないな…アロンみたいに正面から戦うのは避けないと行けないかもな…


避けタンクとは、ヘイトを集めつつも機動力を活かしてダメージを負わないプレイングをする事だ。俺やアロンでは機動力を活かして回避することは難しいだろうから、ルージュしかすることが出来ないだろう…



「アロン!!衝撃波だけでいいからこっちに向かって撃ってくれないか?」


『かしこまりました!!動けないここから放つのは、ほとんど命中しないと思うのであのモンスターの逃げ道を塞ぐ形で放とうと思います!!』


「わかった!!出来たらあいつの後方を潰すように撃ってくれ!!」



そしてアロンが衝撃波を放つタイミングに合わせて、俺が持っている最後のスクロールを使用した…



俺が持っている最後のスクロール…それは『光閃』というものだ。



この光閃は命中させると、その対象に『目眩まし』の状態異常を付与することが出来るのだ。



目眩ましの状態異常に陥ると、すべての行動に50%のマイナス補正がかかるのだ…簡単に言えばいつもなら簡単に回避することが出来る攻撃でも、回避することが難しくなるのだ。



そしてこの光閃の素晴らしい点は、発動してから命中するまでに掛かる時間が非常に短いのだ…



「アロン撃ってくれ!!」


『了解です!!後方に撃ちますね!!』



衝撃波が後方に放たれたお陰で、後退することが出来ず俺が放った光閃がしっかりと命中した。



「よしヒットしたから今のうちに攻撃をしてくれ!!」



ルージュは空中に静止すると、槍ではなく剣を数本作り出した。そしてその剣と共にモンスターに対して突撃した…



「この前の槍とは違って、剣なんて出せるんだ…」


『すごいですね…主様こんな状況ですけど一つ質問してもいいですか?』


「良いよ。できれば手短にしてもらえると嬉しい…」


『今は戦闘中ですからね…もちろん手短にします。ルージュが今、ダメージを与えてくれてますけど攻撃を食らったら主様一人で戦うつもりですか?』


「いや…その時はすぐに逃げよう。俺一人で出来ることなんてたかが知れてるからね。最悪、精霊召喚結晶を使う予定だよ。」


『それは売るためのものではないんですか?使っても大丈夫なのですか?』


「アロンとルージュの命のほうが大事に決まってるだろ!!金なんて集めようと思えば時間をかけて集めればいいだけだ!!アロンとルージュの命は金なんかよりも大事だ!!」


『主様…』


「たしか、精霊召喚結晶で召喚される精霊はそこそこの力を持っているはずだから…数分の時間稼ぎなら出来るだろう…」



俺とアロンが話している間、ルージュが抑えてくれていたが流石に体力が持たなくなってきたのか鎌に当たりそうになっていた…



「ルージュ!!撤退して!!」



ルージュは俺の言葉を聞いた瞬間に撤退してきてくれた…これで逃げれるはずだ…



「結晶を地面に叩きつければ精霊が召喚される!!」



俺が地面に向けて結晶を叩きつけようとした瞬間に、こちらに向けて鎌を投げてきたのだ…



鎌を避けることは出来ないだろうから、覚悟をしていた…しかし俺に鎌が届くことはなかった。



「アロン!!どうして…」


『主様が死んでしまったら私達も死んでしまうんです。それに体力的にも後一発なら耐えられます!!』


「…わかった。」



鎌を防いだアロンの腕は切断されてしまっていた…再生も10分間はされないから攻撃するのは難しいだろう…



そして鎌を投げたあいつは、ゆっくりとこちらに向かって歩いてきていた。しかしその歩みを止めるかのように、先程投げつけた結晶から精霊が出てきた。



精霊はすぐに敵を認識して攻撃を始めていた。倒すことは出来ないだろうけど、体制を立て直す時間くらいは稼げるだろう…



「よしアロン!!ルージュ!!この隙にダンジョンの外に向けて走るぞ!!」



アロンは腕を失っているから、歩行するのが難しいかも知れない…こういう時に使えるのは…



「よし…『一時送還』!!」



一時送還を使用すると、アロンの体を光が包み込んで俺の体に吸い込まれた…再び一時送還を使用することで再出現させることが出来るのだ。



「ルージュ外に向けて走るぞ!!」



ルージュと一緒にダンジョンの外に向けて全力で走った…そしてダンジョンの入り口にたどり着いたのだが…



「どうしてダンジョンの入口が!?」














今日も見てくれてありがとうございます!!

ダンジョンの入口が塞がれてしまいましたね…一体何処の誰がやったのでしょうか?


小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る