第31話 【激戦】異常種と高位精霊

入り口が塞がれてしまっているため、逃げることも出来ない…一体どうすれば良いんだ!?


「アロン…どうすればいいと思う?入り口が塞がれているから逃げるにはここを破壊しないといけないよ?」


『私がもっと警戒しておくべきでした…おそらくあの作業員共は、自分たちがダンジョンの外に出た後ダンジョンの入口を破壊して封鎖したんでしょう…』


「アロンは悪くないよ…ただ、今はこの状況をどう切り抜けるか考えよう。」


一時送還を使用していても、会話をすることは可能みたいだ…今はその事がありがたいな。


『しかしどうやってこの状況を切り抜けましょうか…正直我々が助かる可能性は限りなく低いです。あのモンスターに精霊がダメージを与えられたとして、最終的には主様を再び狙うでしょう…その時に我々が守ることは難しいです。』


「…俺に一ついい案がある。」


『どんな案ですか?私達も協力します!!』


「ありがとう…それじゃあ俺の案を発表するね?」


俺の案は、フィールド徘徊型であるボスモンスターを探し出して異常種であるあのモンスターと戦わせることだ。リスクを伴うけど一番倒せる可能性が高いだろう…


「俺はこの案で戦う他無いと思ってる。アロンやルージュはどう思う?」


『あと3分ほどで再生することが可能になりますので、また出していただけると嬉しいです。案についてですが…その案以外ないと私も思います。』


「よし…でもこの案を実行するに当たって大きな問題があるんだ…それは、『召喚した精霊がどれだけダメージを与えられているか』なんだけど…正直ダメージは期待できないと思うんだ。」


『…分かりました。手分けして行くのは危険です。主様は私についてきてください!!ルージュは飛行できますから、機動力も高いです!!』


「ルージュ…一人でも大丈夫か?高位精霊は物理攻撃を使わないから、魔法を無効化を常に発動しておいてね?」


俺がそう言うとルージュは頷いて飛び立ってしまった…アロンと俺もボスモンスターを探して移動し始めた。







「くっそ!!ボスモンスターは何処に居るんだ!!」


『主様こういうときこそ落ち着いて行動をしましょう!!焦って行動してボスモンスターに攻撃されたらどうするんですか!!』


「それはそうだけどさ…もうそろそろ召喚した精霊は死ぬと思うんだ。だから急がないとどちらにせよ不味いんだよ。」


『不味いですけど、私がついてます。数分の足止めくらいなら簡単にこなせますから安心してください!!主様はボスモンスターを連れてくれば良いんです!!』


「…止まって。この先にいるよ…が!!」


高位精霊の特徴は、配下である中位精霊等を際限なく呼び出して従えることだ…そして呼び出された精霊たちは、魔法が得意な精霊が多いため遠距離戦はほぼ負けるだろう…


「ルージュがこっちに向かってきてくれるはずだから、合流を目指すぞ。それと無理に引き付けたりする必要はないからな!!」


『かしこまりました!!衝撃波を放ちましょうか?』


「今回の場合は放たない方がいい…理由としては、高位精霊が中位精霊等を呼び出す条件が傷を負うことなんだ。だから、あえて傷を負わさなければ大丈夫なはずだ!!」


『なるほど!!事前に調べてたんですね!!』


「まぁそういうことになるかな…それよりも早く合流目指して移動するよ!!このボスモンスターをあいつにぶつけないといけないんだから…」


俺とアロンは全力で移動をし続けて、ルージュと合流することが出来た…


「ルージュ大丈夫か?」


ルージュは異常種の事を牽制しながら、こちらまで戻り頷いてくれた。傷も見たところ負っていないようだし大丈夫だろう…


「これでボスモンスターと異常種が対峙したんだ…上手いこと戦ってくれ!!」


俺の祈りが届いたのか、ボスモンスターである高位精霊は異常種めがけて大量の魔法を発動していた。異常種も高位精霊に向けて鎌を構えて突撃していた…


高位精霊に鎌で傷をつけたことによって、大量の中位精霊が呼び出された…そして魔法によって異常種は火炙りにされていた。


「あれだけ苦労してダメージを与えていた異常種がこんなにあっさりやられちゃうなんて…」


『高位精霊がここまで強いとは…全く思ってもいませんでした。ですが相手は異常種です何をするか分かりませんよ?』


「本当にそのとおりだと思う…ん?なんだあれ…」


俺が見つけたのは、火炙りにされた異常種が無傷で復活しているところだった。それどころか、今度は高位精霊が呼び出した中位精霊のことを軽々と倒しているところだった。


「どうして…あれだけ傷を負わせてたのに何事もなかったのように復活しているんだ?」


『高位精霊も無尽の魔力を持っているわけじゃありません…もし負けたら今度こそ終わりですよ?』


「だから俺らはこうするしかない…今から最下層のところに行くよ。」


『最下層ですか?』


「そうだ…最下層に行けば、高位精霊が死んだかどうかも判別できるからな。最悪死にそうだったら俺らが殺せば良い…利用できるものは全て利用してでも生き延びるぞ!!」


『分かりました!!それと提案があります!!』


「どうかしたのか?」


『私にルージュを憑依させてみませんか?』


「戦わなくちゃいけないってなった時に、別れてないほうが良いかも知れないな…よし、ルージュ!!アロンに憑依できるか?」


俺がそう聞くと、ルージュは闇に包まれたかのように俺の目の前から姿を消した…












今日も見てくださりありがとうございます!!

アロンにルージュが憑依しますが…一体どうなるんでしょうか?


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