第32話【憑依】魂の欠片(+他視点)

『アロンにルージュを憑依させます…成功しました。アロンはを獲得しました。』


情報量が多いよ…とりあえずアロンにルージュを憑依させることには成功してよかった…それで憑依時限定スキルってなんだ?


『憑依時限定スキルとは、スキル:憑依を持つモンスターが憑依した時に限定的な特徴を引き継ぐというものです。今回の場合は憑依時には飛行能力を獲得します。』


「飛行能力?」


『はい。スキル名はファントム・ウイングです…性能としては以下のようになります。』


俺の目の前にウィンドウが表示された…そこにはスキルの詳細が書かれていた。





スキル名:ファントム・ウイング

基本説明

憑依の能力を持つモンスターの内、ファントムファルコンが対象に憑依した際に使用可能になる限定スキル。対象に飛行能力を与える。見た目にも変化を及ぼし、全てのモンスターの背部に黒い翼を一対出現させる。

※黒い翼には当たり判定が存在しないため、翼を破壊されるということはない。





「へぇ…飛行能力か…これは強いな。」


飛行能力を持っていれば地上から空中を狙える攻撃がない限り、安全な位置から攻撃することが出来るのだ…持っていて損はない。それにアロンの移動速度も上昇すると考えれば相性の良いスキルなんじゃないか?


「アロン俺のことを乗せて飛行できるか?」


『問題なく行けると思います!!それにしても飛行できるのはすごいですね…体が軽くなったような感じがします!!』


「よし!!それじゃあ最下層のフィールドに全速力で向かってくれ!!特殊フィールドであれを発見できればなんとか勝てるはずだ!!」


もし仮に高位精霊が異常種に敗れるようであれば、魂の欠片が破壊されているはずだからすぐにでも戦闘準備を始めればいいだろう…


「魂の欠片が破壊されていれば、高位精霊が敗れたことになるから本当に不味いね…」


『もしそうなったらどうするんですか?』


「ダンジョンの入口が閉鎖されていたでしょ?あぁいった出来事はすぐにダンジョン省の方に通知が来るから、助けに来てくれるとは思うんだけど…」


『助けに来ない場合は…?』


「その時は俺等は死ぬね…でも助けには来てくれると思うから、安心して?それこそこの前来たあの人が来るかもよ?」


『あの人が来るなら心強いですね…でも正直高位精霊と異常種が相打ちになってくれると嬉しいんですけど…』


「相打ちになってくれれば一番良いんだけどね…さてついたから、魂の欠片を探そう!!」


『分かりました。魂の欠片ってどんな感じなんですか?』


「魂の欠片は、さっき使った精霊石と同じ様な形をしているよ。ただ、大きさは結構大きいから分かりやすいはず…」


『分かりました。私に乗ったままで居てください!!このまま探しましょう!!』


アロンが飛行能力を得たお陰で探索も自由にすることが出来て良かった…お陰で、すぐに魂の欠片を発見することが出来た…


「とりあえずここでおろしてくれ…魂の欠片の状態を見たい。」


『魂の欠片の状態ですか?見てなにか分かるのですか?』


「魂の欠片は基本的には透明なんだけど、ボスモンスターの体力が減少していくと黒く染まっていくんだ。だから大体の体力が分かるようになっているんだ」


『なるほど…見たところ8割方黒く染まっているみたいですけど…大丈夫でしょうか?』


「どうだろう…お互いに戦ってこうなっているのか、それともやられそうになっているのか…俺にはわからないよ。」


『どうしますか?もう少しこのアイテムを確認してから行動しますか?』


「そのつもり…でもこの感じ押されてるのかもしれない。」


『黒ずんできてますね…これはやられてしまうのでしょうか?』


「どうだろう…今も少しずつ黒ずんできているから、もしかすると本当にやばいかも知れない…」


俺とアロンは魂の欠片を観察することにした…そして5分が経過した頃、魂の欠片が粉々に砕け散ってしまった…


「…アロン戦いの準備をしよう。」


『そうですね。もし助けに来てくれるとしても、時間を稼がないといけませんからね…』


俺とアロンは異常種が襲ってきても良いように対策をすることにした…












時はダンジョンが閉鎖された頃に遡る…


「ダンジョンが閉鎖されただと!?一体どういう事だ!!」


『分かりません…ですが火精霊のダンジョンの入り口が閉鎖されていました!!すぐに対処班を派遣してください!!』


「…わかった。を派遣することにする」


『彼女ですか!?』


「あぁ。ついでに配信もさせるから何が起きているのかも外に分かるようにさせるつもりだ。」


『分かりました…それと追加情報なんですけど、中に一人の探索者が取り残されているようです!!』


「誰だ?」


『高校一年生の男子です。テイムしているのはゴーレムと鳥系のモンスターです!!このダンジョンはフィールド徘徊型ですから、今すぐに救助をしたほうが良いです!!』


「…救助はしなくてもいい。」


『なっ…どうしてですか!!』


「もし救助を期待してくれているとしよう…だが、救助に来るのがここまで遅れているんだ。外に出て落ち着いたら我々ダンジョン省の事を批判するに決まっている。」


『ですがそれは…人道に反しますよ!!例え批判されようとも救助をしないと…』


「君はダンジョン省のトップである私に逆らうのかな?一般職員である君は身の振り方を考えないといけないのではないかな?」


『…はい。すみませんでした』


「よろしい。それでは現場は彼女の判断に従うように伝えておいてくれ。」


『了解しました。』




こんな事をしたら批判されるに決まっている…私がどうにかしないと…












今日も見てくださりありがとうございます!!明日も昼には投稿するつもりなので是非来てくださいね!!


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