第28話【攻略-急-】財団との不意な接触
あれから数時間が経った…数回精霊獣と接敵しそうになったものの、回避したり奇襲したりしていた。俺がこのダンジョンを選んだのには理由があるのだ…
「アロンとルージュは俺がどうしてここのダンジョンを選んだのか分かる?」
『いえ…何かあるんですか?』
「俺がこのダンジョンを選んだ理由はね…とあるスポットで採掘をするといいアイテムを獲得することが出来るんだ!!」
『どんなアイテムが採掘出来るんですか?採掘することで獲得できるアイテムには、あまり良質なものがあるとは思えないのですが…』
「そこがね…このダンジョンは違うんだよ!!ここでは良質なアイテムが沢山手にはいるんだ!!」
『そうなんですか?』
「ただそのスポットっていうのが本当に奥の方にあるらしくて…正直たどり着けるかどうかは賭けなんだよね。」
『なるほど…それではルージュに探索してもらってはどうでしょうか?』
「ルージュに?」
『そうです!!精霊獣で物理攻撃を行ってくるものは少ないですし、魔法を使うものがほとんどですから魔法を無効化出来るルージュはこの役目を完ぺきにこなすことが出来ると思います!!』
「適材適所を考えるなら、ルージュに探索をしてもらうのも良いかも知れないな…」
『主様と一緒に私がいれば、主様がもし精霊獣に襲われてもカバーすることが出来ます!!どうしますか?』
「そうだな…それじゃあルージュ!!あっちの道を探索してきてくれないか?危険だと思ったらすぐにでも帰ってきてくれて構わないからな!!」
俺がそう言うと、ルージュは頷いて二手に分かれた道の内の一つを探索しに行ってくれた…さて一度持ち物を整理しよう…
「え〜っと、まず最初にアロンに上げた無限の熱球でしょ…他には精霊召喚結晶でしょ…後は…」
俺が獲得したアイテムの内一番希少性が高いものは、先程挙げた精霊召喚結晶だった…ちなみにこのアイテムを売れば100万円くらいで売ることが出来るだろう。
一般的な結晶よりもサイズが小さいのに、どうして100万円で売ることが出来るのかと言うと精霊が閉じ込めてあり、その結晶を地面に叩きつけて割ることで一時的に精霊を使役することが出来るのだ!!
精霊の強さは簡単に言えば、アロンすらも楽々倒すことが出来てドラゴンとも戦うことが出来るのだ。
『主様!!ルージュが帰ってきたみたいですよ!!おそらく主様が求めていたものを発見したんじゃないでしょうか?』
「よし!!アイテムを全部回収して…それじゃあルージュと合流して案内をしてもらいながら行くとしよう!!」
俺とアロンが歩き出し、ルージュと合流すると早速案内をしてくれた。数十分かけて辿り着いた場所はとても神秘的だった…
「ここが…今回のダンジョンにおける目的地なのか…すごい綺麗だな」
『キレイですね…これは結晶ですか?』
「そう…これこそ今回このダンジョンに潜った目的でもあるんだ!!さっきみたいにモンスターのアイテムを売るっていうのもありなんだけど、ここの結晶は本当に良質なんだ!!そのお陰か、結構いい値段で売れるんだよ!!」
『確かに見た感じ良質なようです…ですが主様気をつけてください。どうやら先客がいるようですよ?』
「どうやらそのとおりだね…あちらもこちらに気づいているだろうから、話しかけに来てくれるんじゃないかな?」
俺がアロンに向かってそう言うと、予想通り先客の方々は話しかけてきた…
「やぁ!!突然ですまないが、どうやってここまで辿り着いたんだ?装備を見る限り初心者だと思うのだが…」
「この子にダンジョン内を探索してもらってたんです。それでここを発見したんです。それと、装備で判断しないでください。」
「なるほど。とりあえず俺達は君たちの事を歓迎するよ!!いろんな飲み物を持ち込んでいるから、何を飲んでくれても構わないぞ!!まぁお酒は遠慮してほしいけど…」
「流石に酒は飲みませんよ…でも歓迎してくれてありがとうございます。ちなみに壁に生えている結晶はとっても構わないですか?」
「もちろんだ!!そもそもあの結晶はここに辿り着いたものへの報酬みたいなものだ。だから皆で共有するべきなんだ!!だがこの場所を報告した彼は既にこの世にはいないんだ…」
「そんな事があったんですか?」
「そうだ…なんでも政治家の内の一人が、この場所を独占しようと考えていたらしいんだ…だから情報を持っている彼を消したという話を聞いたんだ。」
「そうなんですか…」
「まぁ気にせずに飯でも食っていけよ!!仲間も歓迎してくれるぜ!!なぁ皆!!」
俺と話している彼が後ろに振り返りそう言うと、数人の作業員のような人達は頷いていた…
「それじゃあ短い間になりますがよろしくお願いします!!」
俺はそれから数時間かけて、結晶を数十個獲得することに成功した…これで結構お金も稼げたはずだし、新しいスクロールでも買うか!!
そんな事を考えていると眠気に襲われてそのまま寝てしまった…アロンやルージュも今は俺の護衛をしてくれているから安心できるな…明日の朝も少し取ってから帰ろう…
「おい…どうすんだ?対象が来てしまったじゃないか。財団本部に指令を仰いだほうが良いんじゃないか?」
「そのほうが良いだろうな…だけど現場の隊長に全指揮権が与えられているんだ。俺たちがどうこう言おうと、隊長の決定に逆らうことは出来ないぞ。ていうかこんな事態になるなんて想像もしていなかったぞ…」
「それは知っているんだけど…団長はどうするんだろうね?あいつはゴーレムと隼みたいなやつをテイムしているんだぞ?戦闘になればこちらもダメージを受ける可能性が高いぞ。」
「…お前ら今すぐここを撤収する。本部より通達があった…6時間後に実験体がここに投入されるそうだ。今すぐその場から逃げて本部へ帰還せよという話だ。」
「本当ですか?事実上この場所を放棄することになるじゃないですか!!エネルギーはどうするんですか?」
「俺としてもイレギュラーな事態であることは認識している…だが、本部の通達や指示は絶対だ。」
「分かりました。しかしひとつ気になるんですけど…質問しても良いですか?」
「かまわない。遠慮なく質問してくれ」
「あの鳥は一体何ですか?隠蔽工作をものともせずに感知したじゃないですか!!どうやって見つけたんでしょうか?」
「おそらくあの者は、この場所に関する知識を持っていたのかも知れないな…闇雲にダンジョンを探すのであればここは絶対に見つからないからな!!」
「そうですね…我々も急がないといけませんよ!!」
「6時間後は我々が撤退できるかギリギリの範囲だ。急ピッチで作業に入れ!!」
そして次に俺が眼を覚ましたときには、周囲に誰もいなかった…
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