第27話【攻略-破-】VS炎の精霊獣!!
「ルージュ!!一分耐えてくれれば、タンクが出来るアロンが到着する!!それまでなんとか耐えるぞ!!」
ルージュは空中で旋回をしながら、トラの事を観察しているようだ。そしていきなり急降下をすると、虎の目にめがけて鉤爪を振り下ろした…
トラはとっさに後方に下がったことによって目を潰されることは避けたものの、奇襲をかけられたことに動揺しているようだ。
「20秒程度しか動揺は続かないから、叩きかけるなら今だ!!倒せなくてもいいから、できれば目を潰して欲しい!!」
人間や動物を含めたすべての生物は、耳や目などを用いて情報を得るがそのうち目が占める割合は全体の80%にも及ぶのだ。そしてもし両目とも見えなくなれば耳などに頼るしか無くなるというわけだ!!
「幻影魔法って何が使えるのかわからないから、やって見せてくれ!!」
俺がそう言うと、ルージュは翼を広げた後、数枚の羽を空中に静止させて急降下すると同時に放った。
急降下したルージュは、トラが前足を振り下ろしてきたため左側に避けながら急旋回して背中を鉤爪で傷つける事に成功した。
ルージュの後を追うように追尾していた羽は正確に目を狙ったが、トラが周囲に炎を放ったことで燃えてしまった…
「狙いは正確だから良いぞ!!」
アロンが到着するまでには時間がかかるだろうから、まだ耐えなくちゃいけない…今の攻撃じゃダメだというのならもっと強力な技を!!
「ルージュ!!もっと強い技って出せるか?」
ルージュは一度こちらの方を向いて頷いていた。今のトラは炎を纏っているから生半可な攻撃じゃ通用しないぞ…貫通力が高い技でもあれば炎の守りも突破できるだろう!!
「貫通力が高い『スピア系』の物ってあるか?あるなら俺の指示したタイミングで合わせて撃ってくれ!!」
俺は持ってきたバックの中から一つのアイテムを取り出した。お馴染みのスクロールだが、今までのような直接ダメージを与えることは出来ないタイプのものだ。
ではどうして俺がこれを取り出したのかと言うと、このスクロールが出来ることが対象の『拘束』だからだ!!
「『茨の束縛』発動!!今だルージュ!!」
このスクロールの効果は、スクロールの保有者とのLV差を無視して最低でも15秒間対象の動きを完全に停止させることが出来るというものだ。ちなみにこのスクロールによって出現した茨は不燃性だ。だから、このダンジョンとは非常に相性がいいのだが…
とても高いのだ…格安タイプのスマホでも3台は買えるくらいの値段はするから、迂闊には買うことが出来ない…
だけど値段を気にして買わないほど、ダンジョンを舐めてはいけない…特に今回探索している『火精霊のダンジョン』などでは注意が必要なのだ。
『茨の拘束』によって行動を停止させることのできる時間は、最低15秒…この時間でケリを付けなくちゃいけない!!
「ルージュ目を狙え!!脳天でも良いぞ!!」
俺がルージュの方を見ようと空中の方を見ると、ルージュの前方に出現した黒い槍がものすごい勢いで射出されていた。
槍は空気抵抗を無視しているかのようにグングンと加速して、精霊獣の頭を貫いた。ルージュと俺だけで倒せるとは正直思ってなかった…
頭を貫かれた精霊獣はその場に倒れ、アイテムを残して消えてしまった。その数秒後、アロンが俺等が居る所に到着した。
『大丈夫ですか主様!!お怪我はないですか?』
「俺は大丈夫。でもルージュが疲れてそうだから助けてあげて?」
『かしこまりました!!主様も戦利品の方を確認しておいてください!!精霊獣のアイテムは良いものが多いはずですから!!』
「ありがとう!!それじゃあ先に確認してるから!!」
俺は精霊獣が倒れた場所に近寄るとアイテムを発見することが出来た。アイテムは見たところ破損はしていないみたいだ。
「流石にあの短期間で破損はしてないとは思ったけど安心した…」
一応アイテムの詳細を見ることは出来るけど、売れそうなものだったら売っても良いかもしれないな…精霊獣のアイテムだったらオークションにも出せるはずだ!!
そして俺はアイテムの詳細を確認した…
アイテム名:無限の熱球
効果:熱エネルギーを放出させることが出来る。(調節可能)
解説
適切な装置に組み込むことで真価を発揮する。適切な装置に組み込んだ場合、無尽の熱エネルギーを放出することが可能になり大規模な発電等が可能になる。電力問題を解決することが可能になるかもしれない一品。
※48時間以上連続でこのアイテムを稼働させ続けると暴走し、半径10kmの全ての有機物と無機物を焼く。正しく扱いましょう!!
「こりゃあすごいな…絶対に売れるやつじゃん!!」
『どんなアイテムでしたか?私にも教えてください!!』
「『無限の熱球』っていうアイテムらしいよ?なんでも無尽の熱エネルギーを出すとか…」
『そのアイテムをどうするつもりですか?もし何かに使う予定がなければ、私にくれませんか?』
「もしかしてこのアイテムってゴーレムも使えるの?」
『はい!!私などのゴーレム種はこういったアイテムであれば、完全に制御することが出来ますよ!!』
「…よし!!オークションにかけてやろうと思ってたけど計画変更!!そのアイテムをアロンにあげよう!!」
『ありがとうございます!!』
「それでだ…そのアイテムをどう使うんだ?」
『このアイテムを取り込むと、常時探知不可の特性を獲得することが出来ます。それと、危険指数が15%程増加するそうです!!』
「探知不可?どういった特性なんだろう…」
『確か視認されない限り、熱源感知などのスキルでは発見されないと言った特性だった気がします!!』
「ゴーレムと相性がいいのかわからないけど、遠慮なく使ってくれ!!」
早速良いものを手に入れることができたじゃないか!!この調子で頑張って戦っていこう!!
今日も見ていただきありがとうございます!!
『探知不可』等のスキルなどについては、スキル一覧みたいな回を作る予定なのでそこで解説します!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
今日投稿できるかは分かりません(´・ω・`)
投稿が可能なら19:00頃に投稿する予定ですので是非見に来てください!!
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