第60話 それぞれの戦闘
俺が警戒してアイテムを手元に準備すると、ようやく姿を表してくれた。けれど姿を表したは良いが出てきたのは目の前だったのだ。
「っく…いきなり目の前に出てきやがって…」
狼型のモンスターは俊敏性が高いため、ここまで間合いに入られてしまったら戦えないだろう…
「っくそ…痛いなぁ…」
狼の爪で腹の部分を切り裂かれてしまった。更に他の狼にも襲われていくつか負傷してしまった。
「まずいなぁ…このままだとやられてしまうな…ある程度の傷ならポーションなりを使えば問題なくなるけど…アロンが到着するまでにかかる時間は残り三分くらいだろう…」
アロンが到着すれば問題なく戦えるけど…それまで耐えなければ…
狼達は俺の事をどんどん追い詰めてくる…このまま戦えば負けてしまうだろう。だけど俺だって簡単にやられるわけにはいかないのだ。
「このアイテムを使えばお前らじゃ突破できない結界を周囲に貼れるからな!!問題なく戦えるから良いだろう!!」
俺が使ったアイテムは周囲に結界を貼るアイテムだが、普通のアイテムじゃないのだ。何度も何度も再使用できるアーティファクトと呼ばれるものなのだ。とてもめずらしい品だけど、そこまで高くないのだ…なぜなら…
「こいつは防御するだけだから、攻撃性能を持つ他のアーティファクトに比べればとってもお安いってわけよ!!」
アーティファクトには等級と呼ばれるものが存在しているのだ。等級は六段階存在していて、等級が高くなるに連れて比例するようにその効果や能力も高くなっていくのだ。
等級はS,A,B,C,D,Eで分けられていて、S級のアーティファクトともなれば国家間の戦争が発生した場合でも簡単に勝つことが出来るのだ。
例えばこんなアーティファクトがある。
アーティファクト名:蓬莱の迎戦珠
等級:S
能力:東経や西経、北緯や南緯をそれぞれ指定することでその座標地点にランダムな強力な魔法を発生させる。このアーティファクトによって発生した魔法は防ぐことが出来ず、魔法耐性を持っていても関係なくダメージを与えることが出来る。
このアーティファクトは日本に保管されていると言われているけど、現在は所在が分かっていないらしいのだ。所在が分かっていないせいで他国に奪われたと主張する人まで現われ始めたのだ。
「アロン早く来てくれ…このアーティファクトの等級は一番下のEだから、強いモンスターにはあまり有効じゃないんだよ…」
このまま眼の前にいる大型のモンスターに攻撃をされ続けたら、本当に破壊されて俺もやられてしまう…一応他にも戦うようのアイテムはあるけど正直期待できない…
俺がアロンが到着するのを待ち始めてから、何分経っただろうか…自分でも何分経ったのかはわからないけど、5分はたった気がする。
「早く来てくれ…既に結界が破壊され始めてる…このままだと持って3分が限界だ…」
アーティファクトには固有の耐久値というものが存在しており、その耐久値が0になるとアーティファクトが破壊されてしまうのだ。それを防ぐには上手いこと工夫しながら使うしかない。
「う〜ん…なにか問題が発生したのかな?」
一度電話をかけてみたが繋がらなかった…もう一度電話をかけようとした所で、アロンから電話がかかってきた。
「どうしたんだ!?こっちには四分くらいでつけるんじゃなかったのか?」
『すみません…こっちにもモンスターが来てて…そっちにつくのは最低でも後5分後になりそうです。主様もこっちに向かってきてくれると嬉しいです。なるべくお互いに距離を詰めながら行きましょう。』
「わかった…でもこっちも結構ギリギリなんだ。アーティファクトの力を使って耐えているようなものだから、正直動くことは難しいと思う。戦うならもう一つくらいアーティファクトが欲しいよ…」
『…わかりました。とりあえず私もこっちをさっさと片付けてそちらに向かいます。なんとか私が到着するまで耐えてください!!』
「もちろんそうさせてもらうさ!!死にたくはないからね!!」
『その意気です!!主様が死なないように私もすぐに向かいますのでご安心を!!』
「信頼しているから!!頼んだよ!!」
『お任せください!!』
こうしてアロンと俺は合流することにした…でもアロンの方も厳しそうだからこちらからもアクションを取らないとな…
今日も見てくださりありがとうございます!!次回もお楽しみに〜!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
おかしいところあれば遠慮なく!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます