第61話 謎の裂け目?
アロンが到着するまで耐えなければ…でも、もう限界だ。結界はほとんど破壊されて辛うじて耐えることが出来ている状態なのだ。このまま攻撃され続ければ確実にやられてしまうだろう…
「結界を解除するわけにもいかないし…どうすれば…」
俺の手元に残っているアイテムは正直役に立たないだろう…攻撃に使えるものではなく、簡単に言えば他のアイテムを強化するのに使うものなのだ。つまりこの結界が破壊されたら俺の命は…ない
「…よし全力で逃げるか。」
俺はすべての荷物をまとめて、走り出す準備をした。狼の数は5体…戦うのであれば確実にアロンやルージュの力が必要だ。
そして結界が破壊され、狼がこちらに向かって牙を向いた。狼がこちらに直線で進んでくることを予測していた俺は、すぐに回避をして走り出した。
走り出した俺のことを追いかける狼…その距離およそ10m程度だろうか?それしかないのだ。このままでは時期に追いつかれて殺されてしまうだろう。
「やべぇ…アロン早く来てくれ!!結構限界だ!!」
俺のようにテイムしているモンスターに戦闘を任せる人もいれば、テイムしているモンスターに頼らずに自分自身後からでも戦うことの出来る人はいる。でもそういう人は少ないのだ。
アーティファクトの方は壊されたから再展開できるわけもないし…他のアイテムは今の状況だと、使い物にならないものばかりだし…このままだと本当にまずいな。
前方に走り続けてついには赤い血で染められた東京湾近辺に戻ってきてしまった。そのまま中を突き進んだら狼に飛び掛かられて殺されるだろう…ここで耐えるしかないのだ。でもどうやって?
ジリジリと交代しながら俺は考えていた。どうすればこの状況を切り抜けられるのか?と…しかし答えは出なかった。後はアロンに頼るしかない。
アロンが来るかは一種の賭けだった。でも俺は死んでもアロンを信じる!!
俺の思いが通じたのか、空からアロンが狼たちに向かって衝撃波を飛ばしたようだ。俺の視線の先の地面が思いっきり砕けた。
『遅くなってすみません!!大丈夫でしたか主様!!』
アロンは俺の前方に立って、狼たちを牽制している…先程の衝撃波では倒せなかったのか狼がこちらに迫ってくる…
「こいつら結構連携するから気をつけて!!」
『狼型のモンスターとの戦闘には自身があるのでご安心を!!狼は鼻を潰されると簡単に連携を崩せるんです!!』
「どういう原理なのかさっぱりわからないけど、頼んだ!!それと俺が上げたアイテムは使った?」
『まだ使えてません!!ちょっと時間がなくて…さっきまで戦ってたんですけどこの狼よりは強かったです。』
「わかった…じゃあこの狼を倒し切ったら使っちゃって!!」
『はい!!さっさとこの狼を倒しておきます!!』
アロンの衝撃波を何度も食らって、狼のモンスターはその場に倒れた。そしてアロンはその狼のモンスターを燃やしだした。
「ちょっと!!狼のモンスターは色んなところが使えるんだから残しておいてよ!!」
『いえ主様…ここを良く見てください。何かもやもやしてませんか?』
「う〜ん…言われてみれば確かにもやもやしている気がしなくもないかも?」
『これはですね…この狼のモンスターが操られている証拠です。このモンスターはもっと強いモンスターに操られていたようです。』
「他のモンスターに操られてるんだとしたら、その操っているモンスターは何処にいるんだろう…」
俺とアロンがそう考えていると、急に周囲の温度が低くなった気がした。アロンも異変を感じ取ったのか、周囲を警戒しだした。
そして空が暗くなり始めて、目の前に謎の裂け目が広がったのだ。
今日も見てくださりありがとうございます!!次回もお楽しみに〜!!
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新しい小説を投稿してます!!
新作は此方です!!
謎のアプリを起動したら異世界に転移しました!!
https://kakuyomu.jp/works/16817330664057618288/episodes/16817330664065795903
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