謎のアプリを起動したら異世界に転移しました!!
聖羅
第1話 謎のアプリを起動した結果…
「おいおい!!待てって!!実の息子を家から追い出すってんのか!?」
「あぁそのとおりだ!!どうしてお前はこんなニートに育ってしまったんだ!!弟であるあいつは巨大企業の会社員になっているじゃないか!!」
「俺とあいつを比べんな!!俺だって職についてんだよ!!」
「どんな職だ?言って見ろ」
「…自宅警備員」
「それはニートっていうんだよ!!この馬鹿息子が!!」
そう言って父親は玄関の扉を開けて、生活をする上で最低限のものを投げ渡した後、崇高な職業である自宅警備員についている俺に向かってこういった…
「良いか!!自力で一億稼いだらこの家に帰ってきてもいいぞ!!まぁ無理だろうけどな!!大学を出てから一度も働かずに、家でスマホにパソコンで遊んでいたお前にはな!!」
「せめて後1ヶ月だけ…1ヶ月だけでいいからこの家に居させてくれ!!1ヶ月したら絶対にここから出ていくからさ?なぁ良いだろう?」
「ダメだ!!今すぐに出て言ってもらう!!」
父親は俺に対してそう冷たく言い放った。父親の後ろから、弟と母親が出てきた…
「どうしたんだい兄さん?そんな扉の先で土下座してるなんてさ?」
「あんな子があなたのお兄ちゃんなわけ無いでしょ!!あなたにお兄ちゃんは居ないのよ!!何を寝ぼけたことを言っているの?」
「あははそうだったね…それじゃあ俺は会社に行かなくちゃいけないからさ!!ホームレス生活頑張ってね〜死なれるとめんどくさいから長生きしてね〜」
「こら!!ホームレスを馬鹿にしてはいけないんだぞ!!まぁいいか…」
父親はそういった後、俺の方を見て上から目線でこう言った。
「まぁお前のことだ…仕事についてもすぐに辞めるんだろうし、この家に返ってくるのは諦めるんだな。どうしてこうなったのかを自分でしっかりと反省してこい。」
俺は投げ渡されたものを全て持っていたバックに回収した後、その場から走り出した…家族に愛情なんてなかったけど、面となって言われると心に来るものがあった…
「はぁっ…はぁっ…どうしてなんだよ。俺の何処が悪かったんだよ!!」
俺がニート(自宅警備員)になったのには深いわけがある…大学を卒業した後、一度会社に勤めたがブラック会社過ぎて退社してしまったのだ。その当時は父親にも母親にも同情されて、あまつさえ弟にも同情されてしまった…
しかし次の会社に勤めようとは思えず、今の今までずっと部屋にこもっていた…一年二年と経つにつれて、両親の目が怒りの色に染まっていたがそれでも変わることは出来なかった…まぁその間に何もしていなかったわけじゃないけどね?
そしてこの日、長年過ごしてきた家から追い出されてしまったのだ…
「どうして俺がこんな目に合わなくちゃいけないんだってんだ…おかしいだろ!!勤めた会社がブラック企業だったのが間違いだった!!」
俺は激しく後悔しながらも、とある場所へと移動をしていた…周囲の人に悟られないようにするのは辛かった…
俺がたどり着いた先はネットカフェだった…なけなしの現金で代金を支払い、なんとかこの日を凌ぐことが出来た…
「ふぅ…今日は雨だったから、外で寝てたら終わってたな…それよりも今後のことを考えないとだな…」
アルバイトなんて大学を卒業すると同時にやめてしまったし…友達を頼るのもつらい…一体どうすれば良いんだ?
「ダメだ…いい方法が思いつかない!!」
清掃員のアルバイトでも受けようかと検索アプリを開こうとしたときだった。携帯の画面の中に見慣れないアプリが一つインストールされていたのだ。
「んぁ?なんじゃこのアプリ…『トーラス・ライフ』?クソ胡散臭いアプリじゃないか…一体全体どうしてこんなアプリが入っているんだ?」
疑問に思いながらも、そのアプリを開いてみた…すると利用規約がびっしりと出てきたのだ。
「うおっ!!これまた結構な量の利用規約だな…全て読んだらどれだけ時間がかかるんだろうな…」
俺は利用規約はしっかりと読む派なので、隅々まで確認していく…するととんでもないことが書いてあった。
「あははは!!なんだ?この人をバカにするアプリはよ!!」
俺は思わず大声を上げて笑ってしまった…しっかしこれほどまでにいかれた利用規約を書いてあるアプリは見たことがない!!
「ここまで人をバカにするアプリは始めてみたわ…興味も湧いたしちょっとやってみるか!!」
俺は『利用規約に同意する』のボタンを押して『次へ』のボタンをクリックした。すると俺の意識はだんだんと薄れていった…
気がつくと俺は白い光があたりを照らしている空間に立っていた。そして目の前にはこう書いてあった。
「『汝願いを我に3つ伝えよ。汝の世界で言う異世界に限定的だが転移させてやる。』はぁ?というかここはどこだ?」
眼の前にあるウィンドウのようなもの以外は殆ど見えないので俺は困惑していた…だが落ち着いて答えることにした。
「3つ伝えれば良いんだよな…よし!!」
俺の願いはこの3つに決めた!!まぁどうせ叶わない願いだけどな!!
「俺の願いは『18歳くらいの時の体に戻すこと』と、『移動手段として使える物をなんでも良いから渡すこと』と『ファンタジー系でよくあるアイテムボックスみたいのを俺に渡すこと』の3つだ!!叶えてくれるんだよなぁ!?」
『審査中…審査中…承認されました。今後アプリを起動すると24時間の間、異世界に行くことが出来ます。24時間経過後、現実で目を覚まします。異世界での旅を楽しんでください。』
「はぁ?本当に叶…え…られるのか?」
俺は途切れゆく意識の中、そう尋ねてみた…すると答えがかえってきた。
『承認されましたのであなたの願いを叶えます。ご安心ください』
そう言われてもなぁ…あんなメチャクチャな利用規約を書いてあるアプリを信用できるはずがないんだよなぁ…
見てくださりありがとうございます!!これからもっと面白くしていきますよ!!
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