第4話【配信】ダンジョン省の裏側大公開!!

「え〜っと、これがゴーレムのステータスなんだけど…どうかな?強いのか俺にはいまいちわからないんだけど…」


コメント欄

・そうだこの人、初めてのテイムだったんだ!!すっかり忘れてた!!

・この子の性能自体はLVが1の中では強いという評価かな〜。しかもいい感じのスキルがついてるからほとんど戦闘で負けないと思う。スタン効果も魅力的

・というか、どうして自転車に乗ろうとしているの?



「これから、ダンジョン省にいって登録してもらおうと思ってさ!!ようやく夢を叶えられる!!流石に自転車に乗っている間は、コメントをみれないけど勘弁してね?」



ようやく俺の事を怖がらないでくれるモンスターをテイムすることが出来たんだ!!俺の夢を叶えるのに必要なステップを踏ませてくれた、このゴーレムには本当に感謝してもしきれないな…



ダンジョン省では、探索者と呼ばれる職業につくことができるのだが、この職業につくためには必要なステップを踏んでいく必要があるのだ。



まず始めにモンスターを一体以上テイムしていることが、前提条件だ。ちなみに俺はこの条件すら満たしていなかったため、どれだけこの職業につきたくても叶えることが出来なかったのだ…



そして次に担当試験管と一緒にダンジョンに潜り、テイムしたモンスターと一緒に戦闘をすることだ。ちなみにダンジョンに潜る前にテイマー本人のスキルを確認することができるらしい。



テイム以外の能力として、魔法や剣術などが上げられる。魔法は遠距離から前衛を潰すことができる強力な物だ。剣術はその名の通り、剣の扱いがうまくなったりするらしい…



最低限自衛できる程度のスキルが有れば大丈夫だが…良いのをもらえるのだろうか?








「ようこそ!!ダンジョン省へ!!本日は何の御用ですか?」


「登録をお願いしたいんですけど…今は大丈夫ですか?」


「もちろんですよ!!新規の探索者様はいつでも大歓迎です!!それで貴方のテイムされているモンスターはその子ですか?」


「はいそうです。」


「…少し待っていてください。上のものを呼んできます」


「分かりました。」


俺は受付のようなところで待機していたが、数分経っても出てこない…周囲の視線が気になるな〜


ちなみに配信は続いているのだ。なぜまだ配信をつけているのかと言うと、先程アドバイスを貰ったのだ。


『ダンジョン省に行くなら配信をつけておくほうが良いですよ。他の探索者に絡まれてもその映像を元に請求をすることが出来ますし、後は一節によるとダンジョン省の職員はがあるそうなので、それの対策にもなりますよ!!』


俺はこのアドバイスの通りに、配信をつけておくことにしたのだ。胸ポケットにスマホを入れてカメラが少し出るくらいだから見づらいかもしれないけど許してくれ…


そして更に数分待つと、丸々と太った男がニヤニヤと笑いながらこちらに向かって歩いてきた。



「どうぞこちらへ…お話したいことがあるんですよ。」


「分かりました。あそこのソファーで大丈夫ですか?」


「もちろんだよ。さて…君に一つ提案があるんだけど、どうかな?」


「提案ですか?まずは内容を言っていただけると嬉しいのですが…」



俺は胸ポケットに入れてあるスマホの画面を見ると、俺に対する警告のようなコメントが多く来ていた。


コメント欄

・さっきまでは多少はいい感じだったんだけど、なんか空気変わった?

・こいつやばいやつだよ!!そいつは、ダンジョン省の職員だから何をするかわからないから気をつけて!!

・ここで登録するのは止めたほうが良いぞ!!早くここから出た方がいい!!

・↑どうして?

・こいつの顔脂ぎってて気持ち悪!!汗ダラダラだし、こんな人がダンジョン省の職員で大丈夫なの?

・そいつの名前は確か、安藤邦広っていうんだ。親が国会議員だからやりたい放題していることで有名なんだ!!俺も登録したばかりの頃はそいつに絡まれて辛かった…



「その前に自己紹介といこうか…わたしの名前は安藤邦広だ。君の名前は?」


「俺の名前ですか?」


「自己紹介は大切だろ?これからはビジネスパートナーになるかも知れないんだからな!!」


「俺の名前も教えてあげますけど、その前にさっき言っていた提案の内容を教えていただけますか?」


「しょうがないな…一度しか言わないからしっかりと聞くんだぞ?君がテイムしたそのモンスターを?我々日本の今後のために無償で譲渡してくれることを望む。」


「は?」


「何を言ってるのかわからないというような顔をしているね。君のテイムしているモンスターは大変貴重だ。巨人種であり、なおかつ希少種…更には双頭…これほどのモンスターは滅多に見かけないんだよ。」


「滅多に見かけないモンスターだからなんですか?この子は俺のテイムモンスターですし、誰にも渡すつもりなんてありませんよ?」


「なっ…さっさとそのモンスターを私に渡したまえ!!」


俺はしっかりと配信が続いていることを確認した上で、ソファーから立ち上がり正面に座る安藤に向かって言った。


「誰が渡すかよ!!ダンジョン省ってこういうところだったんですね!!初めて知りましたよ!!」


「私が誰か分かってないようだな!!お前たちその者たちを捕らえろ!!」


「安藤さん…いい加減にしたらどうですか?探索者は市民に対していかなる危険な行動をしてはいけない忘れていませんよね?これに違反した探索者は、探索資格剥奪の上、懲役刑ですよ?それを分かっているうえで命令をしているんでしょうか?」


「うるさい!!そんなものは権力でどうとでもなるんだよ!!さっさとそいつを捕まえろ!!」



周りにいる探索者たちに向かって、何度も捕まえろと命令を下した。何人かは俺の方に歩み寄ってきたが、歩み寄る彼らを止める者達も居た。



「そこの少年の言うとおりだ。彼が探索者として登録しているならともかく、まだ登録をしていない彼を攻撃したり、捕縛しようとしたりすれば捕まるんだぞ?それに彼の胸ポケットを見てみ?」



そう…俺のポケットはスマホにてこの状況を絶賛配信中なのだ。つまり一歩間違えれば今後の探索者としての生活は厳しくなってしまうだろう






見てくださりありがとうございます!!

これからもっと面白いお話にできるよう、頑張っていきます!!


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