第17話【他視点】脅迫

私八谷美世は、準備に時間をかけて今回の依頼を遂行することにした。他者のモンスターをテイムするには時間をかける必要があるのだ…



「今回は『脱魂の禊』と『掌握の鍵』を使うか…でもこのアイテムを使うとなると、二億の報酬じゃ足りないかな」



今回使う予定のアイテムはそれぞれ、7500万円はくだらない代物だ。利益としては5000万くらいが出ればいいだろう…でも、正直5000万円程度では次のダンジョンの攻略には足りないだろうな…



そんな事を考えながら、準備をしていると電話がかかってきた。



『八谷君今大丈夫かね!?』



随分と急いでいるようだけど…何かあったのかな?依頼の変更とかだと非常に困るんだけど…



「一応大丈夫ですけど…どうかされたんですか?」



『急いで以前会った場所に来てくれ!!できれば10分以内で頼む!!お願いだ!!』



こんなに必死になっているのは初めてだ…もしかしたら問題が発生したのかも知れない…今後の人脈を作るためと思えば、少し苦労するのはしょうがないか…



「分かりました。十分以内にそちらに向かいます。」



私は電話を早々に切り上げて急いで以前会った場所へと向かった…約束通り、10分以内で着くことが出来た。



「なんとか間に合ったか…それじゃあ依頼主の元へと向かいますか!!」







前回会った場所に到着すると、椅子に縛り付けられている依頼人が居た。



「大丈夫ですか!!何があったのか説明してくださいよ!!」



私は急いで依頼人である彼を救出した。すると彼は泣き叫びながら、私に事情を話してくれた。



「今日の10:00頃に、謎の覆面の部隊が私のことを訪ねてきたんだ。連絡のない者たちだったから、追い出そうとしたら私に銃を突きつけてきたんだ…」



「そんな事があったんですね…でもどうやって電話をしたんですか?さっきまで口にテープを貼られていたじゃないですか」



「私は電話なんてしていない!!君こそ何を言っているんだ!!」



嘘…だってあの電話の声は絶対に眼の前に居る人物と、同じはず…まさか!!



私が後ろに振り向こうとすると、銃口を突きつけられた。



「動くな!!その場から一歩でも動いたら撃つからな!!」



誰かと通信しているみたいだけど…一体誰と通信しているの?



「貴方達は誰!!どうしてこの人のことを拘束していたの!!」



「…かしこまりました。八谷美世、貴方には我々に着いてきてもらう。拒否権はない」



「はぁ?日本ランキング2位である私が従うわけ無いでしょ!!来なさいハモン!!」



部屋の中に雷を纏った龍が現れた。龍は敵を即座に見抜いたのか、雷のブレスを吐いた。



「あんたなんか私のハモンには敵わないのよ!!」



私のハモンの雷のブレスを至近距離で食らったのに、耐えられるはずがない…銃口を突きつけられたのは初めてでびっくりした…



「ふぅ…依頼人も助けられたし、もう大丈夫でしょう…それじゃあ私はこれで帰るか…」



ハモンの召喚を解除して、帰ろうとしたその瞬間だった。後方から発砲音が響いたのだ。



驚いて振り返ってみると、無傷の男が立っていた。私の方に銃を向けるとそのまま発砲した…銃弾は肩と足を貫通した。



「痛った…どうして私の肩と足を貫通するほどの威力の銃があるの!?いつも身体強化の魔法を使用しているのに!!」



以前ダンジョンにて銃を扱うモンスターと戦ったが、そのモンスターが放つ弾丸は私の体を傷つけることは出来なかったのだ…つまり、この男が持っている銃はそのモンスターよりも高威力の銃ということになってしまうじゃない!!



「我々が作成した銃だ。とりあえず貴様は眠っていろ。目覚めた時に君の今後の処遇などについて説明をしてやるから安心しろ」



男は私の口にハンカチを押し付けてきた。私は呼吸するのがつらくなり、ついには意識を手放してしまった…








「はっ!!ここは何処!?」



手と足に枷のようなものをつけられているが、傷つけられているわけではないようだ…



そして私が目を覚ましたのを察知したのか、数人の男が入ってきた。



「貴方達は誰?どうして私のことをこんな所に監禁してるの?」



「君にその話をする価値はない。君の今後の処遇について決まったから、しっかりと聞き給え。」



「…」



「今後の処遇は、我々『財団の所有物となり手となり足となり戦ってもらう』ことになった。命令に従わない場合は、世間への暴露及び、家族へ危害を加えるとともにお前が世界で一番大切にしている人を殺す。」



「私の過去のことを暴露しようたって無駄よ!!どうせ日本政府が潰してくれるからね!!」



「君は随分と愛国心があるようだな。そこに関しては我々も同じだ。だが身の程を知った方がいい。」



「どういう事?」



「君に現実を突きつけてあげよう。入ってきてくれたまえ!!我らが同士よ!!」



私の目の前に驚愕の光景が飛び込んできた。この部屋に入ってきたのは、首相だったからだ。



「一体どうして…」



「君は…確か八谷君だったかな?君には期待していたんだけど残念だ。」



一体どうしてここに首相がいるの…















いつも見てくださりありがとうございます!!楽しみながら読んでいただけると幸いです!!昼に投稿する分も読んでいただけると嬉しいです!!


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