第43話 【他視点】絶望の足音
枢木奏音は自身の体に起きた異変を感じていた。段々と自分の力が抜けていく感覚がするのだ。すぐにでも調査をしたほうが良いと思い、自身の体を検査してもらった。
すると、とんでもないことがわかったのだ。
「えっ…私のスキルがない?どういうことですか?」
「すぐには受け入れられないかも知れないですが、心して聞いてください。この話は貴方の今後に関わる重要な話です。」
「分かりました。それでスキルが無くなったってどういうことですか?」
「まずはそのことについての説明ですね。貴方が持っていたスキルは合計で3つでしたよね?」
「そうです。まさか3つとも無くなってしまったのですか?」
「いえ…2つは残っていますが、一つはなくなってました。」
「なんのスキルが消えましたか?消えたものが使い道のないあのスキルなら、私にはほとんど影響がないのですが…」
「いえ…消えたのは『絶権』です。おそらく影響が大きいかと…」
「そんな…どうして『絶権』が消えてしまったのですか!!」
「私に言われましても…ですが心当たりはあります。」
「なんでも良いので教えてください!!お願いします…」
「もちろん教えますから頭を上げてください。貴方はこの国で一番強い方でしょう?こんな所では折れませんよ!!貴方ならスキルを取り返せるはずです!!」
「うん…そうよね。私がこの国で一番強いんだもの…絶対にスキルを取り返さなきゃ!!」
「それで心当たりの話になるのですが…つい先日に戦った敵を覚えていますか?」
「あの鎌を使ってきた敵のこと?あの敵からの攻撃はほとんど食らわなかったんだけど…」
「いえ…貴方は一度だけ鎌による攻撃を受けました。たった一度だけですがそれが問題だったようです。」
「もしかして…あの死んだ後に近づいた時に鎌で貫かれたこと?」
「おそらくは…此処から先はあくまで私の推察になりますが、死んだ直後にスキルを奪われたのではないでしょうか?スキルを奪ってくるモンスターなど聞いたことがありませんがそう考えるのが妥当かと…」
「分かりました。ですがそのモンスターは既に殺してしまいました…それではスキルを回収することなどできません。」
「おそらくですが、貴方様が戦ったモンスターはコピーだったのではないでしょうか?コピーを倒しただけなので回収することが出来なかったのではないでしょうか?」
「なるほど…確かに一理ありますね。」
「私はこれにて失礼させていただきます。これからのご活躍を心から願ってます。」
「ありがとうございます。」
スキルが消失してしまったのは本当に不味い…私が持っていた『絶権』というスキルは、特定の行動を強制的に実行させるというスキルなのだ。例えば絶権を使用した状態で、対象を決めて一生走り続けろと命令をすればその対象は私の命令がない限り走り続けるのだ。
非常に強力なスキルだがもちろんデメリットも有る。そのデメリットは格下に対しては効力が落ちるというものだ。
このスキルは強者に対して強く発動し、弱者に対しては弱く発動すると言った特徴があるのだ。このスキルを扱う私は、日本の中では一番強いためほとんど格下に対して発動してきたが、強者に対しては絶大的な力を発揮した。
強者を挫くことは出来るが、それをし続けた先に待っているのは破滅だろう…私自身が強いために弱いものしかいなくなりいつかはその足元を掬われるというスキルだ。
まさに一長一短というスキルだが面白い使い方もすることが出来たのだ。自身に対して病気を治せと命じれば、何故か完治するのだ。
このようにして私はいつも無傷で戦ってきたのだけど…
「これじゃあ無傷では戦えないじゃない…一体どうすればいいの?」
その他問に対する答えは帰ってこない…そしていつの間にか夜になっていた。
「もうこんな時間になってたんだ…さっさとシャワー入って寝なくちゃ…」
シャワーに入った後すぐにベットへと向かう…いつも使っている一般的なベッドだ。
「…寝れない」
今後への不安からくるものなのか、それとも恐怖しているからなのか…どうしてかは分からないけどいつもはすぐに来る眠気がない。
「どうして?どうして寝れないの!!」
体は確実に睡眠を欲しているはずなのに…何故かまぶたを閉じることが出来ない。眠ることが出来ないのだ。
「どうして?どうしてよ!!」
何故か眠れなくなってしまい久しぶりに徹夜をすることになってしまった…寝たいのに何故か眠ることが出来ない。
一体私の体に何が起きているのだろうか?これについても調べなくちゃいけないな…
今日も見てくださりありがとうございます!!次回もお楽しみに〜!!
そろそろ主人公視点に戻す予定です!!
新しい小説は順調に制作中です!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
おかしいところあれば遠慮なく!!
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