第9話【他視点】とある国会議員の暴走
国会議員それは、国の中枢で働き国民に還元する職業だと考えている議員は少ない。そしてこの国では腐敗が進んでいるのか、それとも戦後からの体制が変化していないからなのか憲法を変えることはこの国ではほとんど不可能だろう…
そしてモンスターという存在が現れて、一般人の中でもテイマーとして名をあげるようになった者が現れた。日本を含めた世界の諸国は、そういった人物達を最初は自国の軍隊に内蔵しようと計画していた。
しかし、ほぼ全ての国でその計画は達成することが出来ずに終わってしまった。理由としては、テイマーが従えるモンスターが強力だったことがあげられる。
モンスターには既存の武器では効果が薄く、倒すためにはモンスターの力を借りるほかなかった…
モンスターが出現してから数年もすれば、全世界の住人がテイムに関するスキルを獲得するようになり、モンスターを使ったテロ攻撃なども行われるようになった。政府は対応することを余儀なくされ何度も何度も対策をさせられたのだ…
そのためか、日本の政府には自分たちがテイマーであるにもかかわらず、テイマーを毛嫌いしている人たちがいる…私もあまり自分や家族以外のテイマーをいいとは思っていない。
政治を行う上での一種のアピールになるので、強いモンスターをテイムしようとする国会議員は多い…そのため日本ランキング2位である彼女を利用するものが多いのだ。
「本日はよろしく頼むよ。八谷美世さん」
「こちらこそよろしくおねがいします。それで今回私を呼んだのには、何かしら理由があるんでしょう?全てお話ください。嘘をついた場合は今回の依頼を拒否させていただきます。そこだけはご注意ください」
「分かっておりますとも…それで今回の依頼なのですが、息子のテイムモンスターを殺した犯人を潰してほしいのです。」
「潰すと言うとどういった方法がよろしいのですか?それに、貴方の息子さんってこれですよね?」
私に見せてきたのはとある配信映像だった。そこには私の息子が他人のモンスターを日本のためなどと言って、奪おうとしている映像があった。
「あぁ…そうだ。」
「私はお金がもらえるなら何でもしますと言いましたが、こんな酷い息子さんを助けたいんですか?貴方も次再選できるか怪しいんでしょう?」
「私が国会議員の座を降りようとも、その者だけは潰しておきたいのだ…できるだろう?君は他人のモンスターですら奪うことができるんだから…」
「まぁ奪うことも出来ますね。それで結局どうするのか決めていただけませんか?決めていただかないと料金もいただけないので…」
「そうだな…私が望むのは、その者のモンスターを奪って私の前に持ってきてくれ。報酬は大きく出す。」
「息子さんがテイムしていたモンスターは何レベルでしたか?それによって料金を決定させていただきます。」
「キラーパイソンのレベル18だったはずだ。スキルも相当覚えていたから金をかけて育ててきたつもりだが…物理耐性を持つモンスターと戦って負けたみたいだ。」
「息子さんのモンスターを殺した相手は、おそらく希少種です。依頼料は高額になりますがよろしいですか?」
「どれくらいだ?」
「最低でも2億はほしいですね。モンスターを奪うというのは非常に高いリスクがあります。隠蔽をしたりするのに最低でも2億は必要です。お支払いできないようでしたら分割払いも対応できますが…どうしますか?」
「大丈夫だ一括で払うことはできる!!一週間後にお前の口座に入金しておくから仕事をしてくれないか?」
「分かりました。入金が確認出来次第、モンスターを奪って貴方の前に持ってきましょう。」
「頼んだぞ。日本ランキング2位である君を信頼して頼んでいるんだ…今回の依頼が成功したら、私が上に1位との決戦を行ってはどうかと打診してやろう。」
「…本当ですか?」
「本当だ。但し、成功した場合に限るがな。」
「その言葉忘れないでくださいよ?私がこういった依頼を受けてきて失敗したことはありません。もし今の言葉が嘘だったら…どうなっても知りませんからね?」
「大丈夫だ。君が成功することを祈っているよ。」
さて…彼女が上手くやってくれれば、強力なモンスターが手に入る!!18レベルのキラーパイソンを軽々と殺していたあの強力なゴーレムを!!
レベルも最低では20はあるだろうし、他の議員に自慢するのもありだな!!ゴーレムは巨人種の卵から生まれる強力なモンスターだし、他のモンスターですら簡単に倒せるだろう!!
「さて…後は彼女が上手いことやってくれるはずだ。安心して待っていよう…」
万が一にも彼女が失敗したら…処分をすればいいだろう。
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