第37話 【他視点】注目を浴びる財団

財団本部にて、ある会議が開かれていた…


「どうするつもりなんですか?実験体がやられてしまいましたよ!!世間にも露呈してしまいましたし、今後の活動に支障が出たらどうするんですか!!」


「落ち着きなさいC-4よ。君の取り柄はだろう?こんな取り柄を持っている人は殆どいないさ。他の実験体で使えそうなやつは居ないのか?」


「居るには居ますよ…スキンラバーが消失したのには違和感しか無いんですけど、一応他にも完成した個体は居ます。それと生物を改造することくらい出来る人はいるでしょう。」


「どんなやつが居るのかな?具体的にそのモンスターの能力を教えてもらえないかな?」


「分かりました…それでは資料を印刷してきますので少々お待ちください。」


「できるだけ早く頼んだよ…C-1様の計画を邪魔するやつは我々が徹底して妨害しないといけない。そのためには財団の戦力を全て投入しても問題はないだろう。」


「そのとおりだ。あんなモンスターにこの地球を崩壊させられてたまるか!!C-11様。例の計画を進めますか?」


「例の計画…あぁのことか?」


「はい。計画の実行に必要なものがほとんど揃いました。」


「実行のためにはC-1様の許可を得てからだ。我々には指揮権を与えてくださっているが、こういった計画はすべて報告するように言われているからな。」


「かしこまりました。」


資料が届くまで、この場にいる人達は自由に行動していた。そして数分が経った頃、資料が手元に届けられた…






「ほう…このスキンラバーというのは非常に興味深いな。具体的な説明をお願いできるか?」


「もちろんです。実験体−01スキンラバーはオリジナルと複製個体で構成されています。そして複製個体を倒されてもオリジナルは死にません。」


「戦闘能力はどれほどあるのだ?」


「こちらの映像をご覧ください。姿を消して背後を取りその爪で主要な臓器を一撃で傷つけることが可能です。心臓を貫くことも出来るでしょう。」


「人間は臓器を傷つけられると本当に弱いからな…しかしこの映像を見るにそれ以外に能力を持っているとは思えないのだが?」


「スキンラバーが真価を発揮するのは、殺した後です。これは『模倣』や『強奪』といったスキルを持っていた男女計二名を、30スキルをした事で使えるようになったものです。」


「それでどんなことをすることが出来るのだ?」


「死体を対象として、その者の持つスキルや特性などを確率で奪います。加えて、対象の姿や特徴を完璧に模倣して人間社会に溶け込ませることが可能です。」


「はっはっは!!これほどまでにユニークなモンスターは見たことがないな!!」


手元の資料にあるスキンラバーのステータスは以下のようになっている…




種族:スキンラバー

称号:実験体−01

危険指数:3500~6000

LV:25~40

種族特性:物理耐性,薬物耐性,精神耐性

保有スキル:獲得不可


基本情報

自身が殺した相手の姿や特徴を完璧に模倣する。更にその相手が持っている保有スキルも確率だが奪うことが出来る。非常に攻撃的で自分よりも格上と戦うことにおそれを抱かない。


※オリジナルと性能は殆ど変わらないが、オリジナルは非常に知能が高い。なお、複製個体を倒した人間やモンスターからもスキルを確率で奪う。


戦闘情報

爪を使い臓器を傷つける方向で戦う。人間は臓器を傷つけられると極端に戦闘能力が落ちることを知っているため、基本的には臓器を狙う。モンスターにも同様の方法で戦う。


※臓器を傷つけることが不可能だと判断すると、爪以外の物を使用して狙う傾向がある。周囲に落ちているものを活用するほどには知能がある。


※複製個体を倒した人間とモンスターから『睡眠』を奪う。


進化情報

なし。





「このスキンラバーの素体は一体誰なんだ?君たちしか知らないと思うのだが…」


「それはですね…旧華族って言えば分かりますか?あそこの人間共から使えそうなやつを機動部隊の人達にお願いしてここまで連れてきてもらいました。」


「それって大丈夫なのか?」


「えぇ大丈夫です。ここを知る華族は既にこの世にはいませんから…」


「…了解した。それと話に上がっていた実験体−02はいつ使うんだ?」


「明日特殊なヘリを使って上空からするつもりです。当分はこの特殊なマスクを使ってください。」


「実験体−02は他のよりも危険なんだろう?どれほどまでに危険なのか説明してもらえないか?」


「そうですね…簡単に言えば、これを東京に散布してしまえばこの国の上層部は全員でしょうね。ちなみに現代医療じゃ直せないタイプなので安心してください。」


「このマスクをつけていれば安全なんだな?」


「はい。ちなみにですが、実験体−02に使った素体はです。7歳の少女ですね。残念ですが彼女が持つスキルは我々にとって脅威になりかねないものなので先に排除させていただきました。問題は有りませんよね?」


「そうだな。まぁ我々の理想のために死ねたのだ…それだけで幸福じゃないか?」


「そうかもしれませんね…彼女も幸せでしょう。」










異常種は財団の成果物だ…無駄に使うことは出来ないが正しく使うのであればC-1様も許してくださるだろう…









今日も見てくださりありがとうございます!!明日も昼には投稿するつもりなので是非来てくださいね!!


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