第75話 ボスモンスターのテイムなんて…

次の階層へと進んでいくと、マグマが見えた。先程までとは打って変わってこのダンジョン本来の姿が見えたようで若干嬉しさを感じた。


俺とアロンはマグマに触れないように注意深く足元を確認しながら、ダンジョンの奥へと向かっていく…ダンジョンの奥に到達するのは難しいだろうから、途中で引き返すことになるだろうけど出来る所までは進めておきたい…


この後、ダンジョン省の駐留していた人達がここに突入してくるだろうから、その時にダンジョンの内部が変わっていたりしたら大変だ…そういうところの経過も観察しておきたい。


後は出現する敵もできれば確認しておきたいところだ。どんなタイプの敵が出るのかによって対処法がガラリと変わるからだ。簡単に言えばドラゴンのように巨体でなおかつ動きが素早い敵であれば、一定のダメージを負うと必ずと言ってもいいほど空中に逃げる傾向にある。


空中に逃げたドラゴンなどの巨体なモンスターは動くけど当てやすい的になるだろう…そういう所で対策を取ることが出来る。


もしくはゴブリンのように比較的人間と同じくらいの大きさのモンスターであれば、セオリー通りのタンクが前面に出て、後ろから高火力を叩き込んだりするだけで対処できる。


それ以上にアロンのような巨人種が出てくる方が厄介なのだ。巨人種は例外なく巨大であるため、タンクが意味をなさないのだ。タンクが盾を構えて耐えようにもそもそもそれを無視して後ろにいる魔法を使えるものを攻撃するだろう。


巨人種はアロンほどではないけど頭がいいため、そう言うところもちゃんと理解しているのだ。だからこそ、ダンジョン内に出現するモンスターは全てまとめて整理しておかないといけないのだ。


俺とアロンはそこら中に流れるマグマをたどった。ようやくマグマが流れ出る原本にたどり着くとそこには火山が広がっていた。


「アロン…これって火山だよね?多分だけどさっきまでの工場の光景って…」


『ここは火山であっています。今はあまり感じていないかもしれませんが、現在の温度は非情に高いです。人間が活動できる限界の温度でしょう…それとさっきまでの工場については一度忘れてしまいましょう。』


「どうして?さっきの工場はここの階層と全く関係ないじゃないか。つまりダンジョンの内部をいじれる存在が居るってことだろう?」


『それがボスモンスターですね。後はダンジョンコアは自分を守ってくれるボスモンスターが危機的状況になると、ダンジョンの構成を変化させることがあるそうです。』


「へぇ〜って言うことはさ、ボスモンスターに何かあったってこと?」


『その可能性も考えられます。ボスモンスターを殺したりすればそれこそこのダンジョン自体の活動が停止すると思うので、殺したのではなく支配されたと表現するのが正しいかと…』


「ボスモンスターを支配するにはどうすれば良いの?」


『そうですね…もっとも簡単な方法は力でねじ伏せると言ったところでしょうか?自分の力をそのボスモンスターに見せつけた後、殺す寸前のところにまで追い込んでその後助けてあげるんです。そうすればいくらボスモンスターと言えど、従わざるを得なくなります。』


「う〜ん…もしそうなら、ボスモンスターは既に誰かの支配下になってしまっているのか…テイムを試してみたかったけど残念だな…」


『あくまで可能性の話なのでご安心を…もしくはダンジョンのボスが変わったという事も考えられますから。』


「えっダンジョンのボスって変わるの?」


俺は今日一番ビックリした…ボスモンスターが変わるなんて話を聞いたことがなかったからだ。













新作もよろしくお願いします!!

裏切られ絶望した少年の復讐譚

https://kakuyomu.jp/works/16817330664793177655/episodes/16817330664803455889


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