裏切られ絶望した少年の復讐譚【祝150 万PV!!】

聖羅 

第1話 イジメられ続けてきた俺…

俺は今年の春に地元の中学校を卒業して、県内の私立高校に通い始めた高校生だ。家族に恵まれて両親と妹に支えられて受験を乗り切り、今の辛い日々を抜け出せると思っていた。


しかし現実は非情だった。


俺の願いは届かずイジメの主犯格だったあいつは、俺と同じ高校に入学したのだ。俺は高校に入ってから、あいつと出来る限り関わらないようにして生活を送ってきたがあいつは俺がこの高校に入学してきたのを知っていたようで、中学校の時と同じ様に何度も俺を呼び出しては殴る蹴るなどの暴行をしてきたのだ。


当然俺は何度も抗議したし、学校側にも連絡をすると言ったけどあいつはそれでも俺に暴行するのを辞めなかった…だから仕方なくイジメのアンケートで、俺がイジメられていることを担任の先生に相談したのに、担任から帰ってきた言葉は…


『彼はそんな事をするような生徒じゃないよ?彼と同じ中学校から来たんだし、仲良くすればいいじゃないか…もしかして彼の才能に嫉妬して陥れようとしているのかい?』


という普通なら考えられないような言葉だった。


顔などの目立つ部分には決して暴行しないのも、狡猾だとしか言いようがなかった。学校では制服で過ごす以上ほとんどは制服で隠れてしまうから、顔以外なら殴ったり蹴ったりしても良いよと言っているようなものだった。


俺は担任に頼ることは諦めた。担任に頼った所で同じ様な結果になるどころか、このクラスでの俺の立ち位置が悪くなってしまう…そう考えた俺は学年主任に直接話をすることにした。


学年主任と話をするために、職員室に行き学年主任の先生を呼んで話をした。学年主任の先生は入学してくる時に確かにこう言っていたのだ。


『イジメをする生徒は絶対に許しません!!もしイジメをしている生徒のことを見つけて、その生徒に脅されたりしたら私が絶対に力になります!!イジメは撲滅されなければいけないんです!!』


俺が事の顛末と小学校からの話をすべて伝えると、先生は俺の事をまっすぐ見てこういった。


「お前はさ…才能を持ってる人間に嫉妬しているのか?じゃなきゃ嘘ついてまで虐められてるだなんて言わないよな?」


俺は学年主任の先生を信じてこの話をしたのに…結局は無駄に終わってしまった。それどころか俺と学年主任が話していた内容は、他の生徒にも聞かれてしまっていたらしく一気に俺の立場が悪くなってしまった。


いつもクラスで一緒に弁当を食べたりしていた友達も、俺に巻き込まれてイジメられるのを懸念したのか避けるようになってしまった。


そしてクラスで一人孤立した俺は、ここ最近はずっと中庭で食べるようになっていた。中庭には滅多に人が来なかったから、精神を休めるのに凄くいい場所だったからだ。


中庭で食べ始めるようになってからはというものを学校で強く感じていた。


入学して前の席の子や、後ろの席の子と仲良くなり話すようになってから他のクラスメイトとも一定以上仲良く慣れたと思っていた。でも、こんな状況になってからは誰も俺のことを助けようとしてくれなかった。


先生も俺に悪意を持っているのか、授業中明らかに高校一年生レベルの問題ではない物を解かせ始めて、俺のことを毎回一番最初に指名するのだ。抗議しても変わらないことを理解していた俺は、毎回わかりませんと答えている…


俺がわかりませんと答えると、明らかに馬鹿にするような口調になって話をするのだ。その表情や話しぶりは本当に教師なのかを疑うほどだった。


学校では孤立して虐められていたとしても、家に帰れば家族がいる…俺の事を毎日送り出してくれる温かい家族がいるのだ。でも最近は妹も受験勉強を始めたこともあり、忙しいようで俺に接してくれる時間は減っていた。


俺に接する時間が減ること自体は前々から把握していることだし、自分も通ってきた道だから何も感じなかった。でも妹が受験勉強を進めていくに連れて、成績不振などで苛つきがたまっているのか、偶にキツイ言葉を言われることもあった。


でも俺だって同じ様に周囲に当たっていたことを思い出して、耐えに徹していた。兄妹で喧嘩をすることは確かにあるけど、こんな事で喧嘩はしたくない。


そんな風に日々を耐え続ける生活を送ってきた俺だが、イジメがエスカレートするに連れてだんだんと耐えきれなくなってきた。


イジメの内容は殴る蹴るにはとどまらなくなり、俺の財布から勝手に現金を取ったりスマホの画面を割ったりするなどに発展していたのだ。


どんどん精神的に追い込まれて、いつのまにか俺は自傷行為に走るようになっていた。


自傷行為をすると、何故か落ち着くのだ。それが痛みによるものなのかはわからないけど、とても落ち着くのだ。


最近は学校でイジメられたくなくて、学校以外のところに行くことも増えていた。


そして今日は、学校のテストがあるため仕方なく学校に向かっていた。学校のテストは受けないといけない事くらいは分かっている…


だけどどうしても足が動かなくなったりするのだ。学校に向かうに連れて足が震えて動悸がする…とにかく辛いのだ。


イジメのことを訴えても誰も俺のことを助けてくれない…家族に行ったら楽になれるのかもしれないけど、俺を私立の高校に入れるためにかかった費用は莫大だ。共働きの両親には迷惑をかけられない…



「俺は一体どうすれば良いんだよ…」


俺は必死に足を動かして学校にたどり着き、なんとかテストをこなすことが出来た。家になるべく早く帰るため…そのために、絡まれないよう校門に向かって全力で走ったが、靴箱の所にたどり着いた俺の前には複数人の人影があった。


そしてその人影は俺の方に向かって歩みを進めてきた…










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