第64話 悪魔殺しの方法?
ベリアルはその手に持っている斧槍をこちらに向けて構えた。その斧槍は見るもの全てに恐怖を抱かせるような造形をしていた。さらにこちらに向けて構えただけなのに圧倒されるかのような雰囲気を感じた。
「っく…なんて圧だ!!こちらに向けて槍を構えているだけなのに、相手の戦意を削ぐみたいだ。」
『これは…戦うのに恐怖が伴いそうです。感情は持ち合わせていないはずなのに怖いという感情が強くなりそうです…』
「ふむ…この武器を見せただけで怯えるのか…それでは俺の全力を受け止めることは到底不可能だな。それに加減をしたとしても受け止めることは難しいだろうな…」
『馬鹿にしないでください!!その武器の効果や貴方自身の実力で、恐怖したとしても戦わないという選択肢はありません!!』
「いいぞぉ!!お前のようなゴーレムに会うのは久しぶりだ!!それにお前さんは双頭だな…とっても珍しくていいじゃないか!!」
『褒めていただきありがとうございます!!先手必勝の衝撃波を食らっていただきます!!』
アロンは衝撃波を一点に集中させて射出した。普通なら遅い衝撃波の攻撃も、一点に集中させたことによってその衝撃波の速度は光速を超えていた。
衝撃波は正確に悪魔の胸の部分を貫いた。悪魔はその事に驚いているようだったが、ダメージを食らったことに驚いている様子もない。まるでダメージを食らわないことが当たり前かのような立ち振舞いに俺とアロンは大きく混乱させられた。
「アロン牽制の技を放て!!さっきほど集中させる必要はないけど衝撃波を上手いこと分散させながら、悪魔の動きを制限しろ!!」
『わかりました。ですが制限することはほとんど出来ないと思いますよ!!』
「大丈夫!!俺もちょっと準備をしなくちゃいけないから、それを完成させたら勝機があるかも!!」
『一体どんな策なのかは分かりませんけど、とりあえず主様に攻撃をさせないように上手いこと調整します!!ルージュは主様の周囲で旋回しつつ、タイミングを測ってあの悪魔に攻撃をしてください。頼みます!!』
ルージュは、アロンへの憑依を解除して、俺の周囲を飛び回りながら槍などを生成して攻撃するタイミングを伺っていた。ルージュの攻撃は強力だけど、悪魔に通じるのだろうか?
「ふむ…いいパーティーだな。アイテムを駆使していろんなサポートをすることが出来る人間に、強力な幻影魔法を仕える鳥…更には物理攻撃に対して高い耐性を持ち、圧倒的な再生能力を持つゴーレム…まさに強者を挫くための編成のようだ。とてもいいパーティーだ。」
「褒めてくれるのは嬉しいんだけど、さっきの手品は何だ?人間や動物を含めたすべての生物の弱点である心臓の部分を貫いたはずだぞ?」
「くっくっく…悪魔の中でも強者の部類に入る私が、心臓を破壊された程度で死ぬわけがないだろう。まぁ先程の攻撃は予想外だったな。まさか戦い始めてすぐに鎧と心臓を破壊されるとは思わなかった。」
「でもその鎧も既に再生しているみたいだね。まるでダメージを食らってないみたいにさ?」
「そのとおりだ。お前やそこのゴーレムが使う攻撃では、俺にまともなダメージを与えられないだろうな。そして唯一ダメージを与えられる可能性があるそこの鳥の攻撃は、先程のゴーレムのように光速を超える速さで攻撃することは出来ないようだ。」
「…」
「光速までいかれると確かに私でも攻撃を受けてしまうだろう。でもな光速以下の攻撃程度なら、私が槍を振るって叩き落とせばいいだけのことなのだ。」
「なんて出鱈目なやつだ…」
「そりゃ悪魔だからな。さて…君たちに初撃は譲ったし、こちらからも攻撃を仕掛けさせてもらうとするか!!」
悪魔は俺がまばたきを一つする間に、アロンの腕を切り飛ばしていた。
『主様お気をつけください!!やはりこの悪魔は、相当に強いです!!』
「先程も言ったが、強いのは当たり前なのだ!!私は悪魔の中でも穏健派ではあるが、戦闘能力は公爵一とよばれているのだ。負ける事はない!!」
アロンやルージュが耐えてくれている間に、俺がこれを完成させなければ…
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