第13話【絶体絶命】圧倒的な強さ

アロンは最初から全力で戦い始めた。『衝撃波』のスキルを使って異常種をスタンさせて、接近しようとしていた。キラーパイソンは、大きくスタンしていたものの異常種にはあまり効果がないようだった。



アロンはスタンをさせることが不可能だと悟ったのか、近接戦闘をしようと接近し始めた。しかし、異常種は近接戦闘をしようと接近してくるゴーレムを見て笑っているようだった。



「アロン!!近接戦闘はしない方がいい!!多分だけど、そいつは近接戦闘のほうが強い!!」



アロンは接近をやめて俺の所まで撤退してきた。俺は異常種のモンスターのことを観察しながら次の指示を出した。



「確か装備の効果で風魔法を使えるはずだから、あいつから最低10mくらいの距離を保って戦ってくれ!!近接戦闘はあいつが急接近してきたときだけにしてくれ。」



アロンは指示したことをはっきり理解したのか、風魔法を使って中距離戦をするようになった。



中距離戦に切り替えた途端、異常種は明らかに苛立っていた。アロンが放つ風魔法を防ぎながら、周囲を観察しているように見えた。そしてアロンが風魔法を放つ隙を見て、いきなり姿を消してしまった。



姿が見えなくなってしまったことでアロンは動きを止めてしまった…俺も周囲を見渡したが何処にも姿が見当たらない…



必死にあたりを見渡したが、急に鈍い音が響いた。



思わずその方向を見ると、アロンの両腕が吹き飛んでいた…更に、腹の部分に鋭い爪が突き刺さっていた。



「アロン!!」



アロンは自ら腹の部分に突き刺さっている爪を見た後、背後に居る異常種に向けて『衝撃波』を集中して放った。すると異常種の身体に数か所傷をつけることが出来た

が、その場に崩れ落ちてしまった。



するとレベルアップのときと同じ声が響いた。



『真名アロンのコアが破壊されましたため、仮死状態になりテイム状態が解除されました。』



「嘘だよな…アロン!!」



俺は崩れ落ちてしまっているアロンに向かって走り出した。異常種は教師のモンスターたちも襲い始め、すでに数体のテイムモンスターを倒していた。



「ごめん!!俺が戦わせたばっかりに…ごめん…」



アロンには再生の種族特性があるのに、腕の再生や腹の部分に出来た傷が治っていないところを見ると死んでしまったのかもしれない…



「もっと俺がうまく指示を出せていれば…逃げることだって出来たかも知れないのに!!」



俺はゴーレムに装着させていた装備を回収した。装備も一部破壊されていたが、まだ装備の効果は使用できるようだった。



「アロンの敵を取ってやるからな…たとえ俺がここで死ぬことになったとしても!!」



異常種は教員のテイムモンスターをすべて倒し切ってしまったようだ…モンスターを倒したせいで先程よりも更に強くなっているかも知れない…



この装備で使用できる風魔法は、初級までで使えるものは限られている…更に破損しているため使えるものは更に限られてくるだろう…だが、ここで逃げる訳にはいかないんだ!!



「これでもくらいやがれ!!ウインドブレード!!」



通称、風刃と言い初級風魔法の一つだ。切断力が高いものの、それは初級の範囲内での話だ。つまり格上の相手には…



「くっそ!!やっぱり効果がないか!!」



異常種は俺の方を見ると再び姿を消した…そして、俺の背後に現れると爪を振り下ろしてきた。



「痛った…」



爪は俺の腕を軽々と切り裂いて、辺りには血が飛び散った。痛みに悶えている俺の腹に向かって爪を突き刺してきた。



爪は俺の腹を軽々と貫通した…そして爪が腹から引き抜かれた瞬間に俺は意識を失ってしまった。



しかし、意識を失う瞬間に頭の中に声が響いた気がした。



『真名アロンはテイム主の危機を感知しました。激しい怒りによって暴走状態に突入します。』




テイムは解除されてしまったはずなのに…どうして…







卵から生まれたばかりだった私のことを、ここまで育ててくれた主様には感謝しかない…でもコアを破壊されてしまった以上、私は戦うことが出来ないのだ。



この後はもう、死んでしまう運命だと思った時、私の体から装備を取って主様はあのモンスターと戦い始めてしまった。本来の性能を遥かに下回る状態で魔法の発動も不可能な状態なのに、ウインドブレードを発動させていた。



だが、異常種には効果がなかったようで、私を倒したときのように姿を消した後、主様の腕を爪で切り裂いていた。



血が周囲に飛び散ったその直後、腹に爪を突き刺されていた。



この時私の中には、生まれて初めて感じた感情が駆け巡っていた…それは激しい怒りだった。



異常種が他の人を襲おうとした瞬間に、私の頭の中に声が響いた。



『規定の条件を満たしました。暴走状態に陥る代わりに、全身の傷を完治させた後、戦うことが出来ます。復活しますか?』



私の中で答えは決まっていた。私の事をいつも大切に思ってくれている主様のためにも、私が助けなければ!!










見てくださりありがとうございます!!

アロン君はそんな簡単に死にませんよ!!それに主人公君も復活するので安心してください!!


小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


深夜テンションで作ったので若干おかしいところがあるかと思いますがご了承ください…

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