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マクシミリアンは誰の子?への応援コメント
せりももさん、お久しぶりです
以前、マクシミリアンはやっぱフランツが父親なんじゃない?って説を披歴してやりとりして以来、この物語を何度か読み返してみましたが、未だにマクシミリアンはフランツとゾフィー大公妃の不義の子ではないかと思っています。
この物語でも史実でもあれだけラブラブな関係だったんですから、羽目を外してとうとう子どもまで……。と思いたくなります
ですが、また新たな疑問にぶつかりました
それは、フランツの最期の瞬間をゾフィー大公妃が看取れなかったということです。
この物語と、以前取り上げた「帝冠の恋」でも、フランツの最期をゾフィー大公妃は看取っていないのです。
「帝冠」では、フランツの死を知ったゾフィー大公妃が、女官長のエステルハージ夫人に「どうして事後報告になったの?危篤だって一言伝えてくれたら私もフランツの最期を看取れたのに……。」と問いただしていて、「死に様を見せたくない」と聞かされていたからだということで終わっています。
もし仮に、ゾフィー大公妃がフランツの最期を看取れたとしたら、どのような物語になっていたでしょうか?
ここで、自分なりに考えた、フランツの最期、そして、マクシミリアンとの対面シーンをしたためたいと思いますので、講評を一つお願いします。
まずはマクシミリアンとの対面シーンからいきます。
7月10日のこと。
フランツの容態が小康状態になっていることを聞いたゾフィー大公妃は、フランツと1週間ぶりに再会した。
その胸に、フランツが、己の命を削って、「自分がこの世に生きた証」としてゾフィー大公妃との間に残した、一粒種を抱いて……。
フランツのいる部屋のドアと窓は、開け放たれていた。
できるだけ新鮮な空気を吸わせてあげて欲しいという、ゾフィー大公妃の命によってだ。
フランツ、入るわよ?
そう、ゾフィー大公妃が言うと、フランツは一言。
どうぞお入りあれ。
と応じた。
フランツの目は、間もなく死にゆく者の目とは思えないほど、輝いていた。
ゾフィー大公妃が部屋に入ると、女官長のエステルハージ夫人は心得ましたとばかりにドアを閉め、前室で待機した。
フランツとゾフィー大公妃のほかに、マクシミリアンの出生の秘密を分かち合っているのは、他ならぬエステルハージ夫人、その人である。
ドアが閉まると、ゾフィー大公妃はこう言った。
フランツ。この子が、あなたがこの世に生きた証、そして、私たち2人の愛の証よ。名前はマクシミリアン。いい子でしょ?
すかさず、フランツが言った。
この子が、僕がこの世に生きた証!そして、僕とゾフィーの愛の証なのか!ゾフィー、僕の子を産んでくれて、本当にありがとう!僕も……。わが子に会える日を楽しみに待っていたよ!
ゾフィー大公妃が言う。
目鼻立ちも何もかも全て、フランツにそっくりなのよ。フランツ、私もあなたの子を産めて本当に幸せ。今だからこそ言えることだけど、あなたとのセックスは、本当に満ち足りたものだったわよ。こんなにも可愛い子を宿せたのだから……。私からもお礼を言うわ……。ありがとう、フランツ。
僕だって嬉しいよ。でも……。この子の成長を見届けられないのが悔しくてたまらない。
フランツは、嬉しさと悔しさが入り混じった言葉を口にした。
そしてこう続けた。
だけど、ゾフィーを身籠らせたことは、決して後悔していない。むしろ、僕がゾフィーの夫だったらどんなによかったことか!神は無情だよ、ゾフィー。
そんなこと言わないでフランツ。私も、フランツの妻としてウィーンに来ていたら、と何度も思ったわ。でも……。今思えば、これも運命だったのかも知れないわ……。
運命?
そう、運命よ。ハプスブルク家に来て、フランツに出会えたこと、そして、私がフランツの子を産むことになったのも、全て運命だったのよ……。
運命、か。
フランツがそっと呟いた。
しばしの沈黙の後、ゾフィー大公妃が口を開いた。
フランツ。もうそろそろ私も帰らなきゃいけないわ。何かあったら、すぐに伝えてね。すぐに駆けつけるから!
ゾフィー、わかったよ。
ゾフィー大公妃が背中を向けた刹那、フランツが言った。
ゾフィー、ちょっといい?
どうしたの、フランツ?
一つ、言いたいことがあるんだ。もしかしたら、これが、ゾフィーに話す最後の言葉になるかもしれない。
ゾフィー大公妃が振り向くと、フランツがゆっくりと口を開いた。
ゾフィー、君を愛している。もし生まれ変われたら、その時はゾフィーと結婚して、たくさん子どもを作りたい。それが……。僕の望みだよ……。
フランツからの告白に、ゾフィー大公妃もこう応じた。
私も……。フランツを愛しているわ。フランツとの愛は死ぬまで忘れることはない。いいえ、忘れるものですか!もしも……。生まれ変わってフランツと結婚できたなら、たくさん子どもを産んであげる……。それじゃあ、またね。
ゾフィー大公妃が再び振り向いた瞬間、ドアが開いた。そして、主従はフランツの部屋を立ち去った。
自室に戻り、マクシミリアンを寝かしつけると、ゾフィー大公妃は声を殺して泣いた。そしてフランツも、部屋のドアを閉めさせると、やはり声を殺して泣いた。
続けて、フランツの最期のシーンに移ります。
シェーンブルンは、朝から大雨が降っていた。だが夜になると雨はやみ、美しい星空が瞬いていた。
3日前、夜を継いで、はるか遠くにあるイタリア・パルマから、フランツの生母であるかつてのフランス皇后にして現・パルマ女公、マリー・ルイーゼがシェーンブルンに着いていた。
ゾフィー大公妃と、女公の父たるオーストリア皇帝(カイザー)・フランツ1世が急使を立てて呼び寄せたのである。
女公は、間もなく死にゆくわが子の姿を見て茫然自失になっていた。
神はなんて無情なことを!
女公は皇帝とゾフィー大公妃から全てを知り、もっと早くにわが子をパルマで療養させていたらと悔やんだ。そして、パルマの統治で手一杯だった自分の代わりにゾフィー大公妃が献身的にフランツの看病をしてくれたことに礼を述べた。
大公妃、あなたに全て任せっきりにしてしまい申し訳がたちません。身重の身であった中でフランツの看病もしてくれて……。礼を言います。
女公陛下、私はただ、フランツの姿を見ていると、放ってはおけなくて……。ですが、マクシミリアンが産まれたのを知って、フランツはまるで本当の父親のようにとても喜んでおりましたよ。
その言葉で、女公はピンときた。
女公自身、不義の子を産んだことがあるからだ。
そして女公は口を開いた。
大公妃、私がパルマで不義の子を産んだことはご存じですよね?
はい。
もしかして先日、大公妃が産んだマクシミリアンの父親は……。
察しがよろしいようで……。
直感で気付きました。フランツとの間にできた子どもですよね?
はい、そうです。
ならば私たちは不義の子を産んだ者同士ということになりますね。
その通りですね。
その時だった。
女官長のエステルハージ夫人が、部屋のドアをノックしながら叫んだ。
大公妃!女公陛下!ライヒシュタット公爵がご危篤だそうでございます!至急、公爵のお部屋へお急ぎを!
取るものもとりあえず、2人はフランツの部屋へと急いだ。
フランツの部屋の前には、皇帝や皇族たち、そして、フランツをこのウィーンに長年閉じ込めてきた「M」こと、宰相のメッテルニヒもいた。
多くの者たちが待ち構える中、ゾフィー大公妃と女公のみが部屋に入ることを許された。
部屋に入ると、フランツは息も絶え絶えの状態だった。
フランツ!母が来ましたよ!大公妃も一緒です!
ゾフィー……。母上……。最期に一目会えて、フランツは……。
フランツの言葉が途切れた。息はなおも荒い。
フランツ!
ゾフィー大公妃が叫んだ。
するとフランツは女公の手を先に握り、次にゾフィー大公妃の手を握って言った。
ゾフィー……。僕に注いできた愛情を、これからはマクシミリアンに注いでくれるよね……?
もちろんよ!マクシミリアンはあなたがこの世に生きてきた証、そして私とあなたの愛の証よ!あなたの分まで、マクシミリアンに愛情を注ぐから……!
ゾフィー……。ありがとう……。
言い終えると、フランツの手がするりと滑り落ちた。
フランツ……。しっかりして!
2人がそう叫んだが、フランツの目は2度と開くことはなかった。
フランツ!
ゾフィー大公妃は、事切れたフランツの亡骸に取りすがって泣いた。
女公も涙が枯れるまで泣いた。
2人の泣き声が部屋の外にまで響いた。
皇帝も皇族たちも、そしてMも、誰一人として涙を流さぬ者はいなかった。
作者からの返信
@Kenta-H7 さん! お久しぶりです!
まずは、何度も読み返して頂いた由、感謝申し上げます。
頂いたお作、拝読しました。愛情のこめられた力作だと思いました。
時間をかけて何度か拝読し、その為、お返事が遅くなって申し訳ありません。
講評などおこがましいのですが、敬意をこめて、感想を述べさせていただきます。
最初の方のフランツの目の描写が秀逸だと思いました。資料にも、彼の目が澄んでいたことが書かれていました。死にゆく者の目の美しさの描写に、心を打たれる神秘を感じました。
エステルハージ夫人の献身も胸を打ちます。そうですよね。モーリツの母、あるいは、彼の一族の女性が側仕えでいてくれれば、二人の秘密も守られたかもしれません。ハンガリー系のこの一族は、皇帝に忠誠を誓いながらも、オーストリア宮廷からは一歩引いた独立を保っていたと思われます。
マクシミリアンがフランツに似ていたという描写が嬉しかったです。子どもの頃の肖像画を見ると、確かにライヒシュタット公に似ている気がします。同じ一族の血を引くのだから、と言われてしまえばそれまでですが。でも、子ども時代の二人は本当に可愛らしくて、その二人が似ていたと描かれている点を、それをゾフィーの口から言わせて、さらに、フランツにお礼を述べている点に、彼女の愛情を感じました。
運命。
重い言葉ですね。二人の脳裏には、少し前に亡くなったばかりのベートーヴェンのあの曲が流れていたでしょうか。
部屋を出ようとしたゾフィーを引き留めたフランツの言葉に胸を抉られます。「最後の言葉」とは。
生まれ変わるという概念は、欧米圏の作家からは出て来ない言葉だと思います。ここに、本作の救済を感じます。
ですので、ゾフィーの「それじゃあ、またね。」は不要かと感じます。確かに、また会いたいと思っているゾフィーを表現するのには適しているのですが、直前の「……。」が余韻を残しているので、ない方が、雰囲気が出るかも。或いは、地の文で、また来るからと言って部屋を出た、のように補っておけばいいのかな。
自室に返って彼女は、やはり泣きましたか。そうですよね。
マリー・ルイーゼの母親らしい姿を見ることができて、安心しました。彼女に秘密を握られてしまうことに一抹の不安を感じますが、そこは母性というものに期待しましょう。この件を、マリー・ルイーゼが公にすることはないでしょう。自分自身も通ってきた道だし(私は、彼女に辛辣です)。
フランツの最期のシーンは、これは読んでいて辛かったです。
ここにある言葉通り、ゾフィーは、マクシミリアンに愛情を注ぎました。子ども達を自分の手で育てたことが、それを証明しています。
親しかった人々に囲まれての死は感動的です。メッテルニヒさえ泣いたとは。一場の幕切れとして、とてもきれいにまとまっています。
*+:;;;;:+*+:;;;;;:+*+:;;;;;:+*
本当は私も、(できるかどうかは別として)フランツとゾフィーの間を、本作のように温かく見守り、愛に溢れた描写をしたかったです。
華やかな宮廷の中で、孤独な二人が寄り添う様は恋愛の王道だと思いますし、6歳という年齢差も好ましいところです。
でも、調べ過ぎた弊害というか、読んだ資料たちをどうしても無視できなくて、その為、二人の恋愛を描くことはしませんでした。
また、ミステリ的な興を優先したために、@Kenta-H7 さんのように、マリー・ルイーゼやメッテルニヒに救済の目線を注ぐこともしませんでした。慚愧です。
殊に、マクシミリアンをフランツの子としなかった点は、おいしいところを逃がした感がなくもありません。全く違う小説でローカライズできたらな、と思っています。
そこを掬い上げて頂いて、また、読ませて頂けて嬉しかったです。
提案なんですが、このお話、公開されてはいかがでしょう? 私が読むだけではもったいないと思います。
ゾフィーとフランツの恋は、当時からずっと囁かれていることです。決して『帝冠の恋』だけが聖典ではありませんし、まして本作は、『帝冠の恋』にも描かれていないシーンを主題にしているのですから。
実際にゾフィーとメッテルニヒは臨終の床に立ち会っていませんが、フィクションである点を注記しておけばよいと思います。
冒頭にもお伝えしましたが、何年も前に完結した作品を読み返して頂き、また、大切なお作を読ませて頂いて、感謝の念に堪えません。
心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
パルマ小公子への応援コメント
カクヨムでは初めてのコメントです!
兄弟で顔をディスられているのが可笑しかったです。
そしてパルマ小公子はかわいらしいですね。せりももさんの愛が伝わります。
引き続き楽しませて頂きます♪
作者からの返信
@mA66さん、カクヨムに登録して頂き、コメントまで頂いて、ありがとうございます。とても嬉しいです!
いやいや、ブ男って、それは貴方のお祖父さんだよ、と思いつつ、どちらかというと私はモンテスキュー伯爵夫人に肩入れしてしまいました。カール大公も英雄なのにマリー・テレーズに嫌われちゃったということは、ハプスブルク家の男性の顔は、フランス人受けしないのでしょうか。だいたい兄弟が多すぎるのがいけないんだと思います。ちょっと後の時代になりますけど、イギリスのヴィクトリア女王も、十把一絡げのオーストリアの大公は(自分の親族の)結婚相手として好ましくない、というようなことを言っていましたし。やっぱり顔……(お口チャック!)
殿下の愛らしさをお読み取りいただき、ありがとうございます。布教に頑張った甲斐があったというものです。
お忙しい中、お読み頂いた上、温かいコメントまで、本当にありがとうございます。ウェブ小説なので、気が向かれた隙間時間にでも思い出して頂ければ幸せです。
ゾフィー大公妃への花束への応援コメント
白い花束を送ったのは誰か?わからなかったです😅
作者からの返信
それはまあ、もう少し先に……多分……。
ぴったり合った花言葉を探すのに苦労しました。あと、オーストリアにある花なのかどうか、とか。もう少し、気の利いた花言葉が欲しかったのですが、知識不足で。雑学って大切ですね!
応援、コメント、本当にありがとうございます!
フェルディナンド大公の記録画家への応援コメント
調べてますね😊
作者からの返信
歴史小説は調べすぎてはいけないと言われます。
けれど私の小説を読んでくださる方に、何かひとつでも付加価値をおつけしたいと、そういう気持ちで書いています。
読んで頂くということは、その方のお時間を頂戴してしまうわけですから。時間を貰うとは、命を貰うことだと、誰かが言っていました。
本当にありがたいことだと思います。私は素人です。それなのに読んで下さる方に、少しでもお礼がしたいのです。
ゾフィー大公妃のお願いへの応援コメント
絵ですか。
凄いとこ見つけましたね😊
作者からの返信
もう少し先に、リンクがございます。
きれいな絵ですよね!
この絵のライヒシュタット公が「幼な過ぎる」とどこかに書いてありました。どちらかというと女性的かな、と思いました。
返信、遅れて申し訳ないです。
いつも本当にありがとうございます!
メッテルニヒを追い落とすにはへの応援コメント
こういう会話はあったと思います😊
作者からの返信
中盤の退役軍人ですが、彼はライヒシュタット公が亡くなった直後(1832年8月9日)に、 バーデンでフェルディナンド大公を襲った退役軍人を元にしています。彼の場合は、単純に年金が減額されたことの怒りをぶつけたのではと思われるのですが、相手が間違ってる感満載です。
応援、コメント、ありがとうございます!
アレネンバーグ城の密談 4への応援コメント
せりももさんが苦しんで居るような印象を持ちました。フランツを愛するが故に😊
作者からの返信
執筆の上での個人的な感情は、ご説明を控えさせていただきます。
申し訳ございません。
小説の陰の筆者の事情まで思いを至らしてしまったとしたら、それは私の至らなさであり、小説としての重大な瑕疵です。伏してお詫び申し上げます。
アレネンバーグ城の密談 3への応援コメント
これは恐らくプリンスへの
せりもも様の愛と感じました😊
作者からの返信
どちらかというと、私の愛ではなく、この場にいた人たちの愛です。ライヒシュタット公をなんとか檻の外へ出したいと思っている人は、当時もいました。ここに集まった(集めた)人たちもそうだったのではないかと、推測しています。
私に関していえば、客観的描写に努めているつもりです。さもないと、この後のあれやこれやが言い訳できません(ネタバレ防止のため、口にチャックです)。
いつも応援、コメント、ほんとうにありがとうございます。
アレネンバーグ城の密談 2への応援コメント
これ本当ですか?
作者からの返信
ここも、前回の続きでして、やっぱり私の用意した「逃げ道」です。(フランソワが通ることは決してないのですが)
ただ、ディートリヒシュタイン・兄が、この時期、スイスを訪れていたのは事実で、オルタンスはじめ、他の人物もスイスに来ることができる時期ではありました。ならば、正統ライヒシュタット派の人々が、一堂に会することも可能なのではないかと。
特にオルタンスとナポレオーネは、最後までライヒシュタット公をナポレオンの後継者として迎えることを望んでいたようです。オルタンスにはまだ、三男(後のナポレオン3世)がいたというのに。
アレネンバーグ城の密談 1への応援コメント
本当はここから動けば楽しい展開だったでしょう
辛くなってきました😊
作者からの返信
ここにいる人々の役職などはこの通りですが、この小さな集まりは私が用意した逃げ道です。そしてフィクションである以上、史実に従わないわけにはいきませんでした。
皆さんにお勧めしているのですが、お辛いようでしたら、飛ばして頂ければと思います。
長いお話で、いろんな要素を組み込んでいますし、そのうちのいくつかは、既に伏線を回収し終えています。また、史実を忠実に辿っているので、小説という形ではなく客観的にお調べ頂いた方が、辛さも和らぐと思います。むしろ読み手の方にいろいろご想像頂ければ、こんなに嬉しいことはありません。
ここまでお付き合い頂けただけでも充分嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。どうぞご無理をなさいませんよう、お願い申し上げます。
御共感、ありがとうございます。
鉄の意志とガラスの体への応援コメント
あゝ、いよいよって感じがしました
このまま黄昏ていくのでしょうか?
作者からの返信
何ひとつ花を咲かせることができなかった、それを許されなかったことが、本当の悲劇だったと思います。それでも生きた証を掬い取れたら、描いた甲斐があったと思うことにしています。
どうぞご無理のない範囲でお読み頂ければ嬉しいです。
いつも本当にありがとうございます。
剣の柄に手をかけた、まさにその時への応援コメント
凄いところを持ってきましたね
でも病状が進んでます
作者からの返信
初めてこのバイロンの詩を読んだ時には、なんというか、複雑な気持ちでした。私はナポレオンが嫌いなのですが、それでも、ざまあみろとは思いませんでした。やはり少しだけナポレオン寄りになったというか。それで、アシュラに読み聞かせて貰いました。
まだフランソワは必死で自分の病気を隠しています。おそらくこの頃には軽い喀血くらいはあったと思われます。けれど彼は、自分に対してもそれを認めません。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。大きな励みを頂いております。
魔王にふさわしい……への応援コメント
司祭を遠ざけた
宗教と父
アシュラを通して踏み込んだ内容でした😊
作者からの返信
おっしゃる通りです。
この、死の間際に司祭を遠ざけたことから、魔王のイメージが膨らみました。それが、ベートーヴェンの「第九」やシューベルトの「魔王」、さらにはゲーテのメフィストフェレスまで繋がっていって……
というのが種明かしです。でも話が長くなりすぎて、いろんな要素を盛り込みすぎて、書いたはいいけど、自分でもどうしていいかわからなくなったというのが本音のところです。
ここから小さなテーマを少しずつ分岐させて、全く違ったお話を生み出したいのですが、時間がとれない上に、別の沼に嵌ってしまって身動きができないのが悩みです。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。とても励みにさせて頂いてます。
クローバーとうまごやしへの応援コメント
これが事実とは😊
では何故フランソワへ飛び立たなかったのか?
作者からの返信
実際は、ヴァーサ公の報告書に書かれた内容を元に、場面を構成しています(なんだか小説としての興を殺ぎそうな告白ですが)。ヴァーサ公にしてみれば、ライヒシュタット公を持ち上げ、評価を高める為の「健康」の強調だったと思うのですが、実際には彼は相当具合が悪かったわけで、もし、この時点で病気がわかっていれば……と悔しいです。どのみちマルファッティ医師は結核を認めなかったでしょうし、ヴァーサ公がどう出ようと、彼が救われる道はなかったわけですが。
ただわからないのは、本当にヴァーサ公は彼を健康だったと思ったのか、という点です。咳もひどく、医師が彼の宿舎まで往診に訪れていたというのに。
いつも本当にありがとうございます!
この世で最も優しく、繊細な贈り物への応援コメント
うーん
黄昏ていきますネ
それにしてもよく調べ尽くしてらっしゃる
作者からの返信
これ、大好きなシーンです。ですので、アシュラも絡ませてもらいました。今、読み返してみると、ダッフィンガーに対してアシュラがひどく横柄で、ちょっとやりすぎたかな、と後悔しています。
ディートリヒシュタイン先生も、報われたのではないでしょうか。それにしても、こんなところにまで「ナポレオン」の名前を出してしまう(絵の中の本のタイトルにしてしまう)殿下がいじらしくてなりません。
応援、コメント、いつも本当にありがとうございます。
タバコ と がみがみ先生への応援コメント
最後のセリフ
本当フランツは飛び立たないかなあ😅
作者からの返信
最後から2つ目の、「知性と心。義務と名誉。……」は、実際のライヒシュタット公の言葉です。自分の剣は、実践の時には錆びついてしまっているだろうというところに、彼の無念さがよく表れていると思いました。
それにしても、肺の患者が(マルファッティは認めてませんが)、煙草を吸うなんて。咳もたくさん出たでしょうに。自分の命を削っているようにしか見えません。前述の、飛び立てない無念さと合わせ、ライヒシュタット公自殺説まであるくらいです。この自殺説を覆すことにも、終盤では、大きな努力を払いました。
飛び立てたら良かったですね。本当に。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。お楽しみ下さいとはちょっと言えない内容になってきましたが、どうかお許しください。
夜の暗がりの中の秘密の交際への応援コメント
フランソワ
飛び立って欲しい😊
作者からの返信
軍務に就けると決まってから、喜びのあまり、フランソワは結構な散財をしたようです。この辺り、いかにも若者らしく、また、苦労知らずというか……。
馬や最新の馬車に興味を持っていた辺りも、若者らしいと思います。それに比して、現代の日本の若者は、車にあまり興味がないようで、それはそれでいいのですが、普遍というものが変わってきているような気もしています。あるいは、現代の若者は、あまりに苦労をし過ぎているのか……。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
ランシュトラーセの陰謀への応援コメント
うーん、フランツから遠くなった
感がありますが、何処かで結びつくのでしょう😊
作者からの返信
ランシュトラーゼはメッテルニヒがわるだくみをする私邸です。あまり書けないのですが、ここで名前の出てきたゲンツとザウラウは気をつけた方がいいですね……。
ザウラウはナポレオンの弟や姪をけしかけた人物、ゲンツはメッテルニヒから離れてしまった腹心で、プロケシュが私事しています。
だんだん暗い方向へ話が進んでいきます。どうぞご無理のない範囲でお付き合い下さい。。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
シューベルトの子守歌 1への応援コメント
以前お褒めいただいたので、僭越ながら本作のFAを、近況ノートに掲載いたしました。
ダッフィンガーさんが描かれた肖像画にも、がんばって寄せてます(笑)
作者からの返信
司之々さん、ありがとうございます!!
とりあえず、ここをご覧の皆さん! こっちを先に観て下さい!!!
https://kakuyomu.jp/users/shi-nono/news/16817330655345530529
嬉しさにもう、ぶっとんでしまって変なコメントを残してきましたが、改めて本当にありがとうございます!!
もう、あんな長いの読んで頂いただけで感謝感謝なのに、コメントや応援、素晴らしいレヴューも頂き、その上、その上ですよ、あんな素敵な絵!!! まで描いて頂けて、本当に嬉しいです!(まだちっとも落ち着いてませんね、私……)
ダッフィンガーよりずっといいです! 殿下にお見せしたい!! 私の小説があんまり読まれないのは自業自得ですが、あの絵だけは、もっともっと大勢の人に見てもらいたいです。自分の力の無さが恨めしいです。
ありがとうございます!! とてもとても嬉しいです!!
結婚式への応援コメント
動かない主人公
もしかしてせりもも様は
フランツを愛しながらも
苦しんでいたのでしょうか?
作者からの返信
書いていく過程で、ふと、この枝道を行けば、全く違う展開になる、という分岐点が、何度か見えました。ですが、その道を辿れば、全く違うお話になってしまい、それはもう、ライヒシュタット公とは無関係の話になってしまいます。私は、ライヒシュタット公の物語を書きたかったので、そして積み上げた史実の終わりに、私なりのある告発を提示したかったので、資料に従って進みました。
うまく言葉にできないのですが、そんな感じです。歴史小説を書くというのは、無軌道に広がっていく想像に、一定の枷を嵌めることなのではないかと、私は考えています。
いろいろ申し訳ありません。いつも本当にありがとうございます。
エステルハージ家のドラ息子への応援コメント
なんか飛び立たないフランってをもどかしく
感じました😊
作者からの返信
飛べない鷲の子、が、ライヒシュタット公の悲劇であり、当時から、彼に関する作品のテーマでもありました。才能があり、父への憧憬があったのだとしたら、本当に気の毒なことだと思います。
「飛べない」ということは、作品に限界を与える壁でもあったのだと、今にしてわかった気がします。歴史小説として、主人公が動きを奪われた作品は、やはりどうしても引きこもってしまい、息苦しさを読み手の方に与えます。ライヒシュタット公の悲劇であると同時に、うまく料理できなかった私自身の至らなさに繋がってしまったのかもしれません。
130万語も書いといていまさら、って感じですが。
にもかかわらず、応援、コメント、本当に申し訳ありません。ありがとうございます!
楽しくお遊び、ナンディーヌへの応援コメント
ナンディーヌ
以前も登場してましたでしょうか?
少し唐突感が(^^;
作者からの返信
8章の「春は近い?」で、舞踏会に行って、ディートリヒシュタインを撒いて、モーリツ・エステルハージと遊びに行ったのが、ナンディーヌの家です。この時、彼は朝帰りしています。もっとも、モーリツも一緒でしたが。その後、同じく8章の「爪がきれいだ」でも名前が出てきます。
実は彼女の初出は6章の「奥様?」でして。オペラ鑑賞に出かけたフランソワとゾフィー大公妃は、モーリツに声を掛けられるのですが、この時彼が連れていたのが(名前は出していませんが)ナンディーヌ嬢です(の、つもりです)。この頃からモーリツは、彼女をフランソワに紹介しようと(そして3人で楽しく遊ぼうと)、虎視眈々と狙っていたわけです……。
以前のご質問にお答えした通り、彼女は実在の人物です。お話の最後の短編集「after」で、もう一度、登場してきますので、どうかお楽しみに。
愛する恋人を失ったような悲しみへの応援コメント
調べられてますね!
作者からの返信
ありがとうございます!
ライヒシュタット公の手紙は、幸い英訳された評伝に引用がありましたので、彼に敬意を払って訳してみました。英語からなので、多分、大丈夫かと。
皇帝やメッテルニヒ、それにプロケシュが何を考えていたかは想像するしかないのですが、そして若干、自信がないのですが、どんなものでしょう……。
いつも温かい応援、コメントも、本当にありがとうございます。とても励みになっております。
プルードンの黄金のゆりかごへの応援コメント
良く当局(メッテルニヒ)がマルモラとの面会を
許しましたね^ ^
作者からの返信
定期的に訪れてほしい、というライヒシュタット公の願いに対し、マルモン自身が、メッテルニヒの許可があれば、と、申し出ました。7月革命で国を追われた彼にしてみれば、オーストリアに亡命している以上、メッテルニヒの許可がなければ、恐ろしくて、ナポレオンの息子に会いに行くなどできなかったのでしょう。
これはすぐに快諾されました。「父親の良い所だけではなく、悪い面も話す」というのが、メッテルニヒの出した条件でした。ライヒシュタット公の父親の偶像化を止めさせたいという気持ちがあったのでしょうが、彼に対して禁止ばかりしていると、諸外国を含め、自分に対する周囲の評判が悪くなることを恐れたのでは? と私は思います。
ちなみに、ここのライヒシュタット公との一連の会見を指して、マルモンはライヒシュタット公の家庭教師になった、と書かれているのを見かけたことがあります。ちょっと違う気がしますが。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
ヴァンドームの柱のてっぺんにいた人への応援コメント
あとがきも面白かったです
マルモンとフランツの会話はせりもも様の
空想ではなく事実だったとは
歴史面白いです😊
作者からの返信
後書きまでお読み頂いて、ありがとうございます!
ヴァンドームの柱のてっぺんにいた人によろしく! だけでは、私にはさっぱりわからなくて。調べたら、かなりの変遷があって、それがナポレオンの評価の変化と呼応していて、とてもおもしろいと感じました。
マルモンは長生きしたのに、結局、フランスへ帰れずに客死でしたね……。彼は、フランスのかつての戦友たちに認めて貰いたかったんだと思います。せめて、ナポレオンの息子からの知己と尊敬を得て、少しは報われたのでしょうか……。
温かいコメントを、本当にありがとうございます! 大変励みになっております。心から感謝申し上げます。
プリンスの赦しへの応援コメント
マルモンとフランツのこの会話は
流石に架空でしょう?😊
作者からの返信
会話は、評伝にあったマルモンの回想を元に書いています。彼は、半分泣きながら親友であり上官であった男の遺児と対面していたといいます。
また、「父は、戦いの為に。母は、平和の為に。ふたりとも、決して、パリを離れるべきではなかった」というライヒシュタット公の言葉は、この場面ではありませんが、別の機会に彼自身が遺した言葉です。
考えてみればトゥーロン以来の付き合いだったマルモン。エジプト脱出にも同行した彼は、ナポレオンの信頼が篤かったのでしょうね。私は、マルモンが連合軍を引き入れたことは、それほどひどい裏切りだとは思っていません。戦争の以外を最小限にとどめる為に、それは必要だったのですから。ですので、ベルティエの不審死も、ただ気の毒に思うばかりです。
すみません、つい、つらつらと。ナポレオン嫌いが高じてしまって。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
爪がきれいだへの応援コメント
ナンディーヌも実在してたのでしょうか?
作者からの返信
ナンディーヌ・カロリィは、実在の人物です。
こちらに、彼女の肖像画を載せておきました。お手数ですが、下へスクロールして頂ければ、最初に出てくる肖像画です。
https://novel.daysneo.com/works/episode/82e5b076d94c02ae635a0334fbd18d1f.html
最初、塚本哲也の本で知った時には、あまりいい印象を持たなかったのですが、その後、プロケシュの手記で再会(?)し、その時に初めて、彼女に好感を抱きました。この辺りの事情は、一番最後の「After」に出てきますので、もし、最後までお付き合い頂けるようでしたら……。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
キツネ撃ちの好きな下品な大公への応援コメント
キツネ狩
良く調べられましたましたね
驚きました
作者からの返信
ありがとうございます!
ナポレオンが狩りが下手なことはすぐわかったのですが、ライヒシュタット公がそうだったかどうかは定かではなく、彼まで射撃が下手だと断じてしまうことには大きな抵抗がありました。けれど、それが、どうしても必要でした。詳細は、後ほど。
ですので、それらしく舞台設定を作る為、必死で調べました。
いつも暖かい応援、コメント、本当にありがとうございます。
外交の道具にへの応援コメント
興味深く読ませて頂きました
ナポレオン2世を使って
メッテルニヒが脅した事実が本当なら
ナポレオン2世は判断を誤った
慎重になりすぎた?
作者からの返信
メッテルニヒの件は、EDWARD DE WERTHEIMERの “THE DUKE OF REICHSTADT” を参考にしました。電子書籍で読んだのですが、非常に古い本で、ひょっとして読み違えがあるかもしれません。が、概ねこういうことかな、と……。いずれにしろ、メッテルニヒがナポレオンの息子を外交の手段に用いたことは間違いありません。
何かしようにも、ライヒシュタット公には何もできなかったのだと思います。それだけメッテルニヒと皇帝の圧力は大きかった。そして、外と遮断して育てられた彼には、本当の意味での、年齢の近い友人がいませんでした。これが一番、大きかったと思います。
温かい応援、コメント、本当にありがとうございます。とても励みになっております。
不滅のナポレオンの血を引く王への応援コメント
なるほど、うまくアシュラを使いましたね^ ^
作者からの返信
はい。
トスカーナ大使となった老ザウラウ公に、再びご活躍の場を差し上げたくて。彼には、ナポレオンの弟からの手紙をわんさとメッテルニヒに送りつけてもらったり、ナポレオンの姪にウィーンへの通行証を発行してもらったり、いろいろおいたをさせていますが、ここで極めつけの大博打を打ってもらいました。
もちろん、史実というものがありますので、成功させるわけにはまいりませんが。こういう時は、アシュラの出番です。しかしながら、今回彼が潰した if 設定は大きすぎました。革命時代からオーストリアはフランスの敵ですが、裏切りとか敵方との密通とか、そこは、スパイの活躍の場なのに、アシュラときたら。
フランソワにはイタリアから是非フランスを目指してほしく、フィクションで書きたいくらいです。
ご理解頂けて嬉しいです。いつも温かい応援、コメントも、本当にありがとうございます。
大義は立つへの応援コメント
これが本当ならフランツは選択を誤ったのでは?
作者からの返信
結核の療養先は、空気のきれいなアルプスか、気候の穏やかなイタリアが良いとされていました。メッテルニヒにより、イタリアは政情不安定を以て却下されますが、なら、なぜアルプスへ療養、とならなかったのか。アルプスまで行かなくとも、グラーツにハプスブルク家は城を持っていたはずです。病が重篤になったのは(フランソワが隠し切れなくなったのは)、冬ですので、もはや遠方への移動は困難になっていたのでしょうか……。
選択を誤ったのはメッテルニヒ、それは故意の過ちでした。
そう、思います。
彼への御心配、とても嬉しく承りました(って、私が承っても仕方がないですよね……)。本日はライヒシュタット公のお誕生日ゆえ、きっと彼にも伝わると思います!
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
母の危機への応援コメント
面白いやり取りです
パルマがそうなり母ルイーゼが逃避行
息子フランツが立ちあがろうとする
祖父とのやり取り
どれも素晴らしい!
真ん中らへんでプトケシュと表記されてました
恐らく誤表記。細かいですが😅
作者からの返信
ありがとうございます!
ライヒシュタット公が母を救いに行きたがったこと、それを皇帝(とメッテルニヒ)が止めたのは事実です。止められて彼が激高したことも。ここでは、プロケシュの心情のみがフィクションです。実際は、帝国軍人としてプロケシュも、皇帝寄りの意見だったのでは、と思わないでもありません。
皇帝は、フランソワを介してフランスに版図を広げようと考えていたようです。メッテルニヒは、そうでもなかったような印象を持ちました。フランスとことを構えるのが嫌だったのかもしれません。
誤字指定、ありがとうございます! 教えていただけると、とても助かります。心から感謝です!
いつも温かい応援、コメント、本当にありがとうございます。とても励みになっています。
イタリア蜂起への応援コメント
イタリアの事情が良く分かります
フランツにもどう関わるのか?楽しみです
作者からの返信
息子をウィーンに置き去りにしてやりたい放題の母親ですが、ライヒシュタット公にとっては大切なお母さまです。母の受難を、彼はきっと、胸が詰まる思いで聞いたと思います。母の為に、さぞや自分もひと肌脱ぎたいと渇望していることでしょう。
本当にいい子だなあ、と私なぞは思います。そういえば、ナポレオンも母のレティシアを大事にしていましたよね。イタリア系の血が、ライヒシュタット公にも色濃く流れていたということでしょうか。レティシアは終生ナポレオンの味方でしたが、マリー・ルイーゼは……身分の高い女性って、辛いですね!(と書いておこう)
楽しみと言って頂けて嬉しいです。イタリアの事情は、ほんの一時を掬い上げたに過ぎず、大きなイベントではないのですが、雰囲気だけでも味わって頂ければ幸いです。
いつも本当にありがとうございます。心から御礼申し上げます。
大事に家に飾られた、小さなかわいい奥さんへの応援コメント
調べてますねえ^ ^
せりもも様の真骨頂です^ ^
作者からの返信
ここは、ことさらに調べていることを強調しました。特にプロケシュの "a gay likeable officer" は、私は他でBL小説を書いているので、偏った見方をしているわけではないよ、プロケシュの意見だよ、という意味で、是非ともお断りが必要だと考えた次第でして。
BL小説は、本当に迷っています。このまま残しておいたら絶対、歴史小説との繋がりが取り沙汰されるだろうなあ(いいえ! 両者は無関係です! BLはフィクションですから! と、一応断言しておきます)、と憂えつつ、止められないんですねえ、これが。ま、不人気ゆえ、両方読んで下さる奇特な方は殆どおられないだろうと、安心しきってはおりますが。
そういうわけで、お褒め頂き、ちょっとくすぐったいです。
いつも本当にありがとうございます。大きな励みを頂いております。
麗しの女優への応援コメント
写真も見ました
魅力ある女性ですね^ ^
フランツは女性に興味ないのでしょうか?
作者からの返信
ブログの方にまで足をお運び下さり、ありがとうございました。
女性に興味がないというのではないと思います。ただ彼はナポレオンの息子なので、周囲が必要以上に、異性に対して警戒したと思われます。祖父の皇帝は、淫蕩の末に身を持ち崩したハプスブルクの歴代大公について長々と話して聞かせましたし、ディートリヒシュタイン先生などは、皇族が、結婚まで純潔を保つ必要性について、張り切って述べ立てたと思われます。
フランスからの魔の手の他に、増えすぎた大公のせいで(この後、イギリスのヴィクトリア女王などは、一山いくらのオーストリア大公、と言っています)、単純に皇室の経済が圧迫されかねない勢いでしたから。
ライヒシュタット公が女性に対して積極的になったのは、残念ながら、死の影が迫って来てからでした。それでも彼の死後、自分はライヒシュタット公の隠し子です、と名乗り出る人物が相次いだそうです。
いつも温かい応援、コメント、本当にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
幽霊……への応援コメント
ご無沙汰してます
色々あって読んで無かったです
ここから新たな展開ですね
作者からの返信
もしや、通信の不自由なところにおられるか、ひょっとしていろいろ差しさわりがあったのか……と、いろいろ心配しておりましたが、ひとまずご無事なようでなによりです。私も親族が海外へ出まして、こちらも心配のあまり、頭が禿げそうです。とはいえ、狭い国内にいるばかりではダメなことは、十分にわかっているのですが。
小説の方は、本当に、いつでも結構です。これから結構な鬱展開になってまいりますので、リタイアされても構いません。ご都合のよろしい時に、もし、よろしかったら、お暇つぶしにでもお楽しみ頂ければ、こんなに嬉しいことはありません。
いつも本当に、ありがとうございます。
マルモン元帥、裏切り者のラグーザへの応援コメント
面白かった!に尽きます^ ^
作者からの返信
きっとお気に召して頂けると思っていました!
マルモンはオーストリアを出た後、諸国を彷徨い、イタリアで客死しています。それほど彼の裏切りは大きかったということでしょうが。私が思うに、若いころからそばにいた彼は、ナポレオンのことを知りすぎていたのでは。パリ開城にしても、どのみち、ナポレオンに勝ち目はなかったと思います。
二度目の退位の時ですが、ダヴ―や先日出てきたベリアルなども、ナポレオンに引導を渡した一人です。この頃、「仕方なしにナポレオンの麾下にいた」諸将について、考えています。
お褒め頂き、嬉しいです。いつも本当にありがとうございます。
社交界デビューへの応援コメント
社交界デビューは本当でしょうか?
であればかなり注目されてたのではと思います^ ^
作者からの返信
社交界にデビューしたのは、本当です。もちろん、注目度も高かったようです。また、ディートリヒシュタインが得意と心配でいっぱいになって、生徒の周りをぶんぶん飛び回っていた(?)のも、資料に依りました。
ただし、ここのカウリー夫妻やプロイセン軍人との会話の内容はフィクションで、次のエピソードへの前哨戦となっています。社交界デビューの史実は、次となります。
他の大公方と比べ、遜色ないどころか彼ら以上の教養と人目を惹く容姿を持ち、けれど、軍務に就くのを延期せざるを得ないほど、咳ばかりしている……。軍務より社交の方が、彼にふさわしかったかもしれません。もちろん、本人は嫌がるでしょうけど。それもまた、父ナポレオンの影響かと思うと、もう……。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
ナポレオンのもうひとりの息子 2への応援コメント
ポーランドはそうですね
王を外国から招き入れた事が
滅亡に繋がりましたね😭
作者からの返信
ですので、たとえフランスの傀儡国家であろうと、ナポレオンの肝いりでワルシャワ公国として独立したことがいっそう、嬉しかったのでしょうね。高位の貴族の妻を情婦に差し出したり、ナポレオン2世を支持したのも、それがあってこそです。
ポーランドは平野で、列強にとっては魅力的な土地だったと読みました。豊かな国土が必ずしも国の繁栄に繋がるわけではないということが、島国生まれ島国育ちの私には、新鮮に思えました。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
ナポレオンのもうひとりの息子 1への応援コメント
アレキサンドルの顔はナポレオンそっくりですね
フランツは男前で似てない気がしますが(^^;
作者からの返信
アレキサンドルの場合は、血は争えないというか……。でも、ライヒシュタット公が似ていなくてよかったです。ナポレオンも、アルコレ橋とか、若い頃の肖像画は、なかなかにイケメンのもありますが、それとも似ていない気がします。若い頃のナポレオンにそっくりだと言った人もいますが(もうすぐ出てきます)、とりあえず、似てないってことで。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます! 心から感謝申し上げます。
ランシュトラーセの邸宅への応援コメント
メッテルニヒの心情、思惑、そして
忍び寄るフランツの死の影、面白かったです^ ^
作者からの返信
ありがとうございます。
メッテルニヒの心情はもちろんフィクションですが、結核の感染以外は、だいたいこんな感じで間違いないと思っています。この辺りで、ライヒシュタット公の任官が見送られたのは事実で、それは彼の体調によるものだとされています。
そもそもオーストリア軍は、プロイセンほど軍規は厳しくはなかったようですが、とにかく硬直していて、中央の決定を覆すことはなかなかできませんでした。不満を持っていた将校、特に若い将校がライヒシュタット公の周りに集まったら、それはとても危険だったと思います。
何かできそうで、ぎりぎりでできなかった無念を感じます。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。大きな力を頂いております。
カール大公の思い 2への応援コメント
皇帝がフランツにそう考えていたのか?は事実は分かりませんが
この会話は重要と感じます^ ^
作者からの返信
然るべき時の流れと必然が孫をフランスの頂点へ導く、というのは、資料に書いてありました。はっきりとではないけれど、皇帝フランツは、孫とフランスの関連を支持していたようです。あと、フランスから迎えが来た時に恥ずかしくないよう、お金の算段をしていたのも事実らしいです。
どこかで書きましたが、この皇帝はとても実務的な人物で、マリー・テレーズのロシアへの旅費も、叔母アントワネットから託された資産を運用して作った利益で賄ってやったそうです。
いつも温かい応援、コメント、本当にありがとうございます。
カール大公の思い 1への応援コメント
ああカールも居ました。ナポレオンと戦った男が
この兄弟の会話のシーン面白かったです
作者からの返信
ありがとうございます。
革命戦争からのお付き合いの、カール大公です。彼は日本では評判が良くないようですが、オーストリアの英雄であることは間違いありません。仇敵の息子、ライヒシュタット公をとても可愛がってくれた大叔父さんです。(そして若い頃は白馬の王子でした……)
流謫の身となったナポレオンも彼を信頼し、なんとか息子と接触したいと手紙を寄越しましたが、カール大公は兄の皇帝を決して裏切りませんでした。友情との板挟みで辛かったでしょうね……。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます!
プロケシュの誠意/切り裂き伯爵の文才への応援コメント
一旦落ち着きましたね
次楽しみです^ ^
作者からの返信
セドルニツキについては、私、この人、結構好きです。誤字を追っていて、大意を見逃すという……。ここでノエを解放したのは(フィクションですが)、セドルニツキの変人なりの善なる部分を表現したかったからです。
この後、まだもう少し、歴史的なイベントも出てきます。ライヒシュタット公がウィーンの帳に埋もれてしまうまでの、ほんのわずかな時間です。
いつも温かい応援、コメント、本当にありがとうございます。大きな励みになっております。
友情のゆくえ 3への応援コメント
プロケシュ……そこいら辺は奥さんのフォローに甘えず、ちゃんと後悔して、と思わずには、いられませんね……。
モル視点は、最後まで切なかったです。
大作、ついに読了です。
歴史のロマン、そしてサスペンスの醍醐味を、堪能させていただきました……!
ナポレオンと言えば三世どころか、初代しかまともに知らない浅学の身でしたが、とても楽しい時間を過ごせました。
ありがとうございます!
作者からの返信
だからプロケシュは信用ならない、というのが、私の結論です。モルについては、「黄金の檻の高貴な囚人」の「画家の手紙」に、後日譚があります。このモルのお話と、同じく「黄金の檻の……」最後の「1848年ウィーン革命」以外は、カクヨムさんにあるのは、本編に材を取ったお話ばかりです(本編の宣伝用に書きました。今のところ、あまり効果はないのですが)。ゾフィーとのお話を既にお読み頂いているようで、申し訳ないです。
⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*
とうとう最後までお読み頂けたんですね……。なんとお礼を申し上げたらいいか……。
130万語も書いてしまった挙句、自分でもどうしたらよいかわからずに、またその最期のあまりの悲惨さに、私自身、臆してしまって宣伝もろくにしませんでした。善ではなく悪に傾くという結末のつけ方も、人様には勧められない気がしていました。
まさかお読み頂けるとは! ただただ、書きたいから書いた、というだけのお話です。ライヒシュタット公があまりになんというか……もったいなくて。
これほどの頭脳を、勇気を、優しさ素直さを、飼い殺しにしてしまっていいのか。知って下さい。せめて、歴史の中で彼を解放してください。そういう思いで書きました。
前にも申しましたが、イタリアやヨーロッパに詳しい司之々さんに出会って、このお話は、とても幸運でした。正直、私は、ライヒシュタット公について調べ始めるまで、フランス・オーストリアの歴史はおろか、ナポレオンについてさえ、怪しかったです(今でも危ないです)。ただただ、ライヒシュタット公について知りたい一心で、深掘りしました。
楽しい時間を過ごしたと言っていただけて、この上もなく幸福です。たくさん頂いてしまった貴重なお時間が、どうか、無駄にはなりませんように。
心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。
プロケシュの捧げた友情への応援コメント
ここがこの小説の真骨頂でしょう
確かにフランソワの運命は決まっていた
だからと言って運命に黙って従ってはいない
この葛藤が伝わりました
作者からの返信
お褒め頂き、恐縮です。
この計画が成功していれば!
プロケシュは、ライヒシュタット公の選んだ「友」です。そのプロケシュは、役者が足りていたでしょうか。
殿下が彼をとても信頼していたので、私はプロケシュを友情に満ちた真の友として描きました。けれどやはり、16歳も年上のプロケシュは、老成しすぎていたというのが、最終的な私の意見です。ライヒシュタット公がウィーンから羽ばたくには、若さの衝動のようなものが、どうしても必要でした。それは、メッテルニヒが最も恐れていたものです。
プロケシュについては、仕掛けをしたつもりはないのですが、最後の後日譚までお読み頂ければ、と思います。
いつも温かい応援、コメント本当にありがとうございます。
フランス王となる日の為にへの応援コメント
この辺の記述が真実に近いのでしょう
フランソワの為になんとかしたいと思っても
真実すら伝える事に躊躇する
そして羽ばたくチャンスを失う。いや、そもそも飛び立つ事は許されない
作者からの返信
前回と今回は、わりと資料に忠実に書いています。もちろん、心情描写は想像ですが。
この出来事は、プロケシュにとって試金石となったと思います。彼は本当に殿下の味方なのか。それとも……。
おっしゃる通り、飛び立つことは許されません。でもそれは、父親となんという違いでしょう。
ヨーロッパ、エジプト、ロシアと、散々暴れまわったナポレオンと、その息子。息子にとって、身分があるということが足枷になったのだとしたら、その足枷は、父親が嵌めたものです。そして足枷は、生まれる前、メッテルニヒが「ローマ王」の名を呼んで乾杯の音頭を取った時からつけられていました。
なんとも気の毒でなりません。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
プリンスのグルーピー 2への応援コメント
いやあなるほどです
感心しました^ ^
次楽しみです
作者からの返信
ありがとうございます!
この辺りのプロケシュとの合議は、資料に依りました。手紙の内容も、ほぼそのままです。
殿下がとても楽しそうで……。親族からの接触を喜ぶというより、プロケシュと相談し、計画を練ることが楽しくて仕方がない、という印象を、私は受けました。
お忙しい中、いつも本当にありがとうございます。あまり有名な人物の登場はなく、静かに展開していきますが、どうか少しでもお楽しみいただけますように。
レグロン 2への応援コメント
本編読了、になるのでしょうか。
感慨無量です……!
「〜皇帝の許可なくして、皇族を害したりはしない」の論理は、慄然としながらも、腑に落ちました。
本当に、地獄への道は善意で舗装されているもので……。
ただ、彼を苦しめたのが善でありながら、なお彼の真実の一面であった善性が、最後の最後に彼自身を解放させないのでは……と、一読者として危惧しておりました。
晴れやかな魔王一味に、とても救われます。
神が、善も悪も子として無謬に愛するように、この物語で描かれたフランソワなら、悪を肯定する視座が許されるように思えますね……。
引き続き、外伝的なエピソードも楽しみにさせていただきます!
作者からの返信
とうとう最後までお読みいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
陰の存在をご理解いただき、ありがとうございました。お伝えすることができたとわかり、心の底から安堵致しました。
ライヒシュタット公が亡くなったと知らされた時の、彼の不思議な言葉をどう理解していいかわからず、モルとともに苦しみましたが、解答はこれしかないと思います。メッテルニヒは、操られた犠牲者、とは申しませんが、この人物の許可がなければ、あそこまで強硬にライヒシュタット公を幽閉しなかったのではないでしょうか。
けれどそれもまた、肉親ゆえの愛だったのしょうね。彼は最後まで、ライヒシュタット公がキリスト教徒として死んでいくことにこだわりました。地獄への道は善意で舗装されているとのお言葉は、本当に胸に染み入ります。
ナポレオンは、最期には宗教と和解し、キリスト者として死にました。ライヒシュタット公が「魔王」の道を選ぶのなら、それは父を凌駕する勇敢な選択であると定義し、このような結末に至りました。
「魔王」は同時に、「第九」で人の輪を追われた人々、即ち、心を分かち合う魂を得られなかった、孤独な者達を救済する存在でもあります。
比較的若く亡くなったグスタフ・ナイペルク(功績もなく、おそらく子孫も残していません)、妻への虐待と自宅への放火を疑われて、幽閉されたまま最期を迎えたモーリツ・エステルハージを彼のそばに置いたのは、そういう理由です。(フランスからついてきた付き人の子エミールのその後はわかっておらず、また、7月革命で亡くなった少年ガブリエルはフィクションですが)
アシュラは……使い魔となった彼は、決して主のそばを離れないでしょう。
悪を肯定する視座……ご理解くださって、ありがとうございます! アシュラが引き抜いてきたフランソワの髪の、毛根に残るDNAから、現代に、殿下が蘇ったら!! それを考えるとわくわくします。けれど、まだ全然固まっておらず、あるいは、この小説のようなジャンル、手法ではないのではないかと、頭の中で迷走しています。
長々とすみません。
心からのお礼を伝えることが出来さえしたら。
お読み下さって、本当にありがとうございました。
プリンスのグルーピー 1への応援コメント
面白い!
いやあ面白いです^ ^
編集済
メフィストフェレスの花火への応援コメント
あ、「1832年(ライヒシュタッと公の〜」なんて、ちょっと可愛い感じな誤字がありますね。
作者からの返信
誤字報告、ありがとうございました!
何でこんな大事なところでやらかしますかね、私……。おかげさまで助かりました!
本編終了までお付き合い頂き、ありがとうございました。
このようなお話は、人さまにはあまりお勧めできないのではないか……ずっとそんな気がしていました。ですので、読み始めて頂いた時点では、申し訳なさにさいなまれて、自分が悪人になった気がしたものです。
毎回、イタリアや歴史に詳しい司之々さんだからこその鋭いコメントを拝見し、このお話は、ふさわしい方に巡り合ったのだな、と、とても幸せです。
この後、ライヒシュタット公とアシュラを含め、登場人物のその後が述べられています。ご興味があったら、ぜひ、ご覧になって下さい。
シューベルトの子守歌 2への応援コメント
アシュラ、がんばりました……!
アルマッシィのベストアシスト、それにつながったグスタフの珍プレー(?)、もちろんモルの真実の愛✨も、フランソワの生きる意思を、最後の瞬間まで支える力になったと思えます。
ついに魔王の生誕……になるのでしょうか。
確かに求める理想は、現世的には神(の権威)への反逆ですが、メフィストフェレスをも退けた高潔さ、まっすぐな強さは、魔王という言葉の偽悪的、悲壮なピカレスク、あるいはニヒリズムと、まだ馴染んでいないような……。
まあ、神が万物をつくりたもうたのなら、悪魔も魔王も神の被造物。
だからこそ目くじら立てるのは天使だけであって、神は善悪なんて気にしなーい、と楽にはっちゃけて欲しい感じもします(笑)
作者からの返信
アルマッシィに関しては、モルは、本当に激怒していましたよ。それは、アルマッシィが女性だからか、怪しい人物だったからか……。もう、ここはモルは”そう”としか思えません。これは嫉妬です。(ちなみにモルは、生涯独身でしたし、後に、男性画家との間に噂が……)
グスタフについては、詳しい資料がなくて。モーリツ・エステルハージがイタリアへ異動になってから、いつの間にか、モーリツもナポリにいました。ただ、彼はモーリツと共に、ライヒシュタット公の「悪友」だと認識されていたことは間違いありません。
どうでしょうか。ナポレオンの息子は、絶対的な正義と言い切れるでしょうか。ゾフィーの息子を引きずり込み、叔父の大公を疎んじ……(あ、ここはフィクションでした!)。
確かに彼は秘跡を受け、終油も受けましたが、それは彼の意志によるものではありません。彼が、神父の訪れを拒んでいたのも事実です。ここが、エポックでした。
生涯自分の人生を生きられなかったライヒシュタット公は、善の明るい光の中にいるよりも、神と相対する存在として人類に対峙してほしい、万物の理不尽を埋める存在であってほしい……そんな気がしています。それが魔王、というのは、あまりに短絡的だと思うのですが、ゲーテやシューベルト(やベートーヴェンも)を登場させたことにより、この呼び名に重みが課されたことを祈ります。
お読み続けて頂いて、本当にありがとうございます。もういっそ、申し訳ないくらい、感謝しております。
哄笑への応援コメント
尊厳と優しさを失わず、知性の牙で仇敵の喉元に喰らいつくフランソワが凄まじいです……。
アシュラとメフィストフェレスの、外法を尽くした暗闘も……!
メッテルニヒも悪ではなく、自分の正しさを信じるからこそどこまでも残酷になれる怖さと言うか……革命もそうですが、多くの善が描き出す悲惨さが、歴史物語の深淵だと再認識させられます。
作者からの返信
ありがとうございます。
具合が悪くなるにしたがって、フランソワに、何かあるもの、が出てきたような気がしてなりませんでした。それは、健康で通常の生活をしている私には到底窺い知ることのできない……。尊厳と優しさと知性と読み取って頂いて、ありがとうございます。私は殆ど怯えていました。本物の尊厳や知性とは、実はとてつもなく恐ろしいものなのかもしれません。
アシュラも変質し、「使い魔」に転じました。視点人物からの昇格(?)です。
そもそもメッテルニヒはそこまで悪人ではなく、彼なりに、戦争を二度と繰り返さない、よりよい世界を求めていたはずです。しかしながらウィーン体制に固執することによって、今でいう老害になってしまったのかもしれません。その被害をもろに被ったのが、次の世代を生きる(はずだった)ライヒシュタット公、仇敵ナポレオンの息子……と考えると、これは現代日本にまで至る極めて普遍的なテーマのような気がします。今更ながらに、歴史から学ぶことは大切だと思いました。
暗いお話をお読み下さって、また、深くご考察頂き、心から感謝しております。なんとか実在したライヒシュタット公を傷つけずに物語を終わりたい、それだけを考えて書きました。
わが君の手にキスをへの応援コメント
ドキッとしました^ ^
作者からの返信
このナポレオーネ嬢の、殿下の御手にキス事件があったので、ザウラウやら国境警備員やら、はてはナポレオンの妹やら、実に多くの人を起用し、ここまででっちあげてまいりました。ドキッとしていただいて、ひとまずほっとしました。
エリザ・ナポレオーネは、ライヒシュタット公がウィーンに来たばかりの頃、彼に声をかけています。ウィナーノイシュタットの「糸紡ぎの十字架」のある場所でした。当時の観光地のようなところだったのかもしれません。でも、警備は万全だったのでしょうね。マリー・ルイーゼもそばにいましたし。あの時できなかったことを、今、やった、という印象です。ブログの下の方で言及しています。もしよろしかったら。
https://serimomoplus.blog.fc2.com/blog-entry-31.html
いつも本当にありがとうございます。仕事、やっつけモードに入りました。
劇場に行っていいですか?への応援コメント
ここに来てようやく、モルがモルなりの形で、フランソワの支えになっているのが切ないですね……。
人ではない何か、先んじて魔王の眷属と化したようなアシュラも、まだいなくなってはいないと期待してます!
そして、すでに歴史に定められている運命の中に、あるいは先に、何が語られるのかも……!
作者からの返信
熱心にお読み頂いて、恐縮しております。
モルは、本当のところどうであったのか、とても迷いました。ライヒシュタット公に本物の献身を尽くした、と言い切れない部分もあって、そこは保身なのかもしれませんが、単純に保身とも感じられない。プロケシュが、モルは殿下に本物の愛情を捧げた、と言っていて、では、本物の愛情とは何だろう、と……。完結させた後も考え続け、本編の後の「アルゴスの献身」を何度も書き直してしまいました。
視点人物にもかかわらず、アシュラが死んだ時には、私も途方にくれました。ご期待、感謝申し上げます。
本当に本当にありがとうございます。ここ1ヶ月ほど、ご無沙汰していてすみません。ブラックな仕事に(スケジュールがですよ?)従事しておりましたが、この週末でなんとか片付けるつもりです……。
トリコロールをまとったナポレオンの姪への応援コメント
変わった性格
国境を通り過ぎる時くらい
我慢しても😅
作者からの返信
ここは、ザウラウの関与を除けは、ベネチアから書かれた報告書を元に構成しています。実際、彼女の服装は、トリコロールだったようですよ? そうですよね。普通に考えれば、そんな危険を冒さなくても……と私も思います。勇気があるというか、なんというか……そういう彼女の性格は嫌いではありません!(^^)! ナポレオンに似ていたらいやですが。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます!
ザウラウの意趣返しへの応援コメント
こういう動きもあったのですね^ ^
作者からの返信
ナポレオンの兄弟たちが、甥を取り戻そうと、いろいろ画策していたのは事実のようです。ザウラウが絡んでいたというのは、私の想像ですが。ただ彼は、ふさわしい時に、ふさわしい場所にいたのは間違いありません。
前回のお返事で嘘を書いてしまい、申し訳ありませんでした。ナントカハイの状態で、妙にすらすら書ける思ったら、ポーランド貴族の妻と、カロリーヌ・ボナパルトの侍女を取り間違えていました。早急に直しましたが、お読みになった後かもしれませんね。幾重にもお詫び申し上げます。
どうかこれに懲りず、よろしくお付き合い頂けたら幸いです。いつも本当にありがとうございます。
余命数ヶ月への応援コメント
避けられない終末が、迫って来ていますね……。
後世の人間からすれば、ほんのわずか、時代の必然でしかない変化を遅らせるためだけの死……メッテルニヒの妄執とすれば、恐ろしいものです。
相反するような、アシュラの献身に胸を打たれます……。
作者からの返信
ライヒシュタット公の病の悪化と呼応するように、7月革命の余波は治まり、イタリアやポーランドの騒乱の鎮圧も完遂され、世界は静かに閉ざされていきます。そんな折の、病の悪化です。
そしてこの期に及び、なおもメッテルニヒは、「ナポレオン2世」を切り札に使おうとしました。父の遺書を読んだフランソワが、自分は政治の道具にはならない、と主張したにもかかわらず。実際、メッテルニヒが彼の病にどこまで責任があったのかわからないのですが、この点からみても、ナポレオンの息子をないがしろにしていたと思えるのです。
そんな中で、彼の病に心を痛めていた付き人やウィーン町の人は多かったはずで、アシュラはそうした名もない人々を代弁しているのだと、自分では思っています。
陰鬱な部分が続きます。せめて少しでも気候が春めいてくれば、お読みになる苦痛も減るのではと、それくらいしか、救いがありません。(最後に私なりの希望は創っておきましたが)
お読み下さって、本当にありがとうございます。もう、エンタメの範囲は逸脱しております。どうかご無理のない範囲でお付き合いください。
乱交の産物への応援コメント
このシーンはきっと回収される布石なのでしょう^ ^
作者からの返信
シャルル・レオンの話でしょうか。どちらかというと、ここは、後書きにあるように、1章の流れを汲んでいます。レオンの挿話は、これはわりと史実どおりです。けっこうやさぐれていたとか、食い詰めてマリー・ルイーゼに教育費を請求したとか。
レオンの後見人となったメヌヴァルは、1章で、マリー・ルイーゼとナイペルクの恋愛沙汰? の際、すぐ近くではらはらしていた人です。彼はどうやらこの事実を、エルバ島を脱出してきたナポレオンに告げたようです。
いつも応援コメント、本当にありがとうございます!
(レオンの母について、誤記を修正しました。ここ2週間ほど睡眠不足でして…すみません)
若きナポレオン3世の意見への応援コメント
絵がこの章に繋がったのですね😊
作者からの返信
ダッフィンガーの絵が元になったとおぼしき構図の絵が、それはそれはたくさんあります。不思議なことに、フランスで刷られた絵の方が、ドイツで出回っているそれより、ハンサムな気が……。単に私の好みが、フランス人寄りなのかもしれませんが。
ところで、ここにいるシャルル・ルイが、(未来の)ナポレオン3世です。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
フランスには渡さないへの応援コメント
新しい展開、面白くなりそうです^ ^
作者からの返信
ありがとうございます。
ご期待頂けて、何よりです! 歴史的なイベントにも触れられると思います。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。とても励みになります。
ヨハニスブルクの1割還付ワインへの応援コメント
これも面白く読み応えありました^ ^
作者からの返信
1割還付ワインはおもしろい習慣ですね。今でも続いているそうで、ハプスブルク家との主従関係はいつまで続くのかと、興味深いです。
フェルディナンド大公のハンガリー王即位の時のエピソードから、メッテルニヒにはライヒシュタット公に対して教訓を垂れたがる傾向があると知り、こんな風に書いてみました。
お褒め頂き、恐縮です。
長く生きることの皮肉への応援コメント
人間メッテルニヒに焦点を当てましたね^ ^
良いシーンです^ ^
作者からの返信
ありがとうございます。
皇帝と墓参りに行ったことはあったそうです。突然のことだったので警護も間に合わず、二人きりだったとか。皇帝とメッテルニヒは信頼しあった主従であったと思います。
いつも応援、コメント、本当にありがとうございます。
破戒 2への応援コメント
この戦略は正しく、素晴らしい……そうあれかし、と彼が望んだように、世界はゆっくりと変わっていったのですから。
こうして描写されているのを拝読すると、フランソワの知性は、同時代人を隔絶しているように感じられますね……!
作者からの返信
プルードンのゆりかご、プロケシュの経歴、そして、祖父と祖母の署名入りの本をプロケシュに差し出したこと、それに殿下がプロケシュに語った言葉の断片……これらに想を得て、かつ、ナポレオンの息子宛の遺書(書籍の活字として、殿下は読んでいました)を勘案して、このような戦略を練り上げ、この頃殿下が皇帝と観たエンツォ王の(というより父のフリードリヒ2世が破門された)エピソードを絡めてみました。
実際、殿下は、とてもイタリアへ行きたがっていました。
けれど、この頃すでに、ライヒシュタット公の病状はとても悪く(なぜプロケシュは気がつかないのか!)、かつ、ピウス7世の後の教皇は、みな、強硬派というか……。ナポレオンの時代は終わっていた、としか言いようのない状況でした。
自分でも盛り込みすぎたと思っていました。こんなに深くご理解頂けて、感激です。お褒めの言葉は、全て殿下に捧げたいと思います。熱と咳に苦しみながら彼が考えていたことと、そう遠くはないと、及ばずながら考えています。
今、とても嬉しいです。あまりにひねりすぎたと反省し、後半部分は自分でも否定しがちだったのですが、ちゃんとご理解頂けたのですから!
本当にありがとうございます。もう、なんとお礼を申し上げたらいいか……。ありがとうございます!
プロケシュ少佐の使い方への応援コメント
うーん。
メッテルニヒは失敗していると思います
中途半端なフランツへの対応
面白いシーンです
ありがとうございます😊
作者からの返信
プロケシュがメッテルニヒと会っていたことは、どうやら本当だったようです。そしてグスタフ・ナイペルクやモーリツ・エステルハージらの注進で、ライヒシュタット公はそのことを知っていました。にもかかわらず、プロケシュを疑わなかったということは、おっしゃるとおり、メッテルニヒは失敗していたのでしょうね。
ゲンツがメッテルニヒから離れていこうとしたことが大きかったと思われます。プロケシュは、ゲンツの私塾で学んでいましたから、一緒に、メッテルニヒから離れて行ったのでしょう。
お褒め頂き、恐縮です。そしてとんでもないです。お礼を申し述べなければならないのは、私の方です。
いつも本当に、ありがとうございます!!
エンツォ王の悲劇への応援コメント
ディートリヒシュタイン先生まで一緒になって、女の子の話で明後日の方向にずれていくのが、不謹慎ですが可笑しいです!
その点、アシュラがそばにいてくれると、せめてもの安心感がありますね……。
作者からの返信
女の子の話でどんどんズレていくのは、多分、半分(以上)は、私が陰で糸を引いています。殿下に少しでも、普通の青年として楽しんでいただきたかったという……(言い訳めいています)。たぶん、度を越さない限り、ディートリヒシュタイン先生も、決して反対派なさらないだろうと思います。特にグスタフには、父親の責任を取ってもらって、徹底したピエロになって頂きました。
アシュラをお褒め頂き、ありがとうございます! これで彼も、戦乱のイタリアやポーランド、革命下のフランスから帰ってきた甲斐があったというものです!
エンツォ王の話は、ちょっと脱線です。この頃、ライヒシュタット公は皇帝と一緒にお芝居を観に行ったらしいので、どんなものか考えてみました。エンツォ王の父フリードリヒ二世は、ナポレオンと張るくらい身勝手な父親だと思ったものですから。
お読み頂けて、本当に感謝です。もっとわかりやすいハッピーエンドにすべきだったかと今頃悩んでます。なんだか申し訳なくて。けれど、歴史は変えられないし……。
いつも本当にありがとうございます。心から御礼申し上げます。
この手を振り放すことはできないへの応援コメント
ううん、生殺しですね。これは残酷だと思います。良いシーンでした。有難う御座います
ところでお仕事大丈夫でしょうか?
作者からの返信
ライヒシュタット公は、本当にプロケシュを副官にと望んでいたようです。ドゼも他の師団からサヴァリを引き抜いていましたし、副官って、そういうものなのでしょうか? でも、殿下の場合は……例の、Мがいますから。そして、本物のプロケシュに、もう少し気概があれば!
こちらこそ、いつも温かい応援とコメント、本当にありがとうございます。
仕事は、慣れてくれば、少しは人間らしい生活の為の時間が取れると思います。つまり、手抜きのコツがわかってくるというか……。
それを僕は献身と呼ぶへの応援コメント
途中「となりで、グスラフが無言で、モーリツを睨んでいる。」
のくだりの、グスラフはグスタフの誤りのような気がします(^^;
勘違いならすみません
小さな事はともかく、健康的な青年の良い会話と感じます^ ^
作者からの返信
誤字報告、ありがとうございました! 感謝です。
ここは私も好きな場面です。プロケシュが、殿下の周りには居心地のいい集まりができていた、と述べていたので、想像してみました。
いつも本当にありがとうございます。
こんなところで何ですが、ちょっとブラックなお仕事を引き受けてしまい
(非合法という意味ではありません。日程がオニという意味です……)、なかなかご訪問もできずに、申し訳ありません。なんかもう、あちこちに不義理を重ねています。
オーストリア戦役 1への応援コメント
ハイドンが神聖ローマ帝国及びオーストリア帝国国歌「神よ、皇帝フランツを守り給え(Gott erhalte Franz den Kaiser)」を上梓したのは1797年でしたね。
作者からの返信
97年といったら、前年ロンバルディアを勝ち進んだボナパルトが、ライン河方面軍からの援軍を得て、イタリアからオーストリアを屈服させた年ですから、感慨深いですよね。この後にオーストリアに起こったことを考えると、音楽家が、神よ……、と涙目になったのは、彼に、時代を先取りした鋭い感性があったからだと思います。
オーストリア軍がこの歌を歌い、フランス軍がラ・マルセイエーズを歌いながら激突したのだと考えると、歌詞の品格が違い過ぎて、品位あるがゆえにオーストリア軍は負けてしまったのでは、と思ってしまいます。
ずっと前に完結した作品をお読み下さった上、応援、コメントまで頂き、とても嬉しいです。ありがとうございます。