概要
ナポレオン2世を主役に据えた、日本で初めての小説!!
史実に忠実ながら、萌えやオシ、陰謀・謎解きを底流に展開します。ライヒシュタット公や、周囲の人の言葉も、積極的に取り込んでいます。
父ナポレオンの没落後、2歳で母の実家、ウィーン・ハプスブルク宮廷に引き取られたフランソワ。3人の家庭教師が、彼にナポレオンの過ちを教え、ドイツの貴公子とすべく、その教育を担う。
しかし、彼が、父ナポレオンを忘れることはなかった。
長じて、父と同じように軍務を志すが、彼のオーストリアへの献身は認められない。彼にはさらに、3人の軍人がアルゴス(見張り役)としてつけられた。
やがて、7月革命が起き、ヨーロッパは、ナポレオン2世を求める。しかし、彼は、ウィーンの帳に隠され、一向に姿を現さない。人々は、ナポレオンの息子は、能力を刈り込まれ、父を忘れてしまったのだと噂
父ナポレオンの没落後、2歳で母の実家、ウィーン・ハプスブルク宮廷に引き取られたフランソワ。3人の家庭教師が、彼にナポレオンの過ちを教え、ドイツの貴公子とすべく、その教育を担う。
しかし、彼が、父ナポレオンを忘れることはなかった。
長じて、父と同じように軍務を志すが、彼のオーストリアへの献身は認められない。彼にはさらに、3人の軍人がアルゴス(見張り役)としてつけられた。
やがて、7月革命が起き、ヨーロッパは、ナポレオン2世を求める。しかし、彼は、ウィーンの帳に隠され、一向に姿を現さない。人々は、ナポレオンの息子は、能力を刈り込まれ、父を忘れてしまったのだと噂
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!孤独な魂に愛を。人の輪を追われた者たちに救済を。
本作品はナポレオン二世、ナポレオン=フランソワ=シャルル=ジョゼフの生涯を描いた物語です。
そう、辞書が文字欠けしていたっぽい、あの人の息子さんです。
フランソワは、フランス帝国の皇子として生まれながら、父親の没落に伴い、母親であるオーストリア皇女マリー=ルイーズの実家に、わずか二歳で亡命を余儀なくされます。
王権神授の秩序が崩壊しつつあり、市民革命の暴力が吹き荒れた時代、フランソワの周囲には、旧秩序を守護しようとするオーストリア宰相メッテルニヒ、フランス帝国の復活をめざすボナパルト一族、新たな旗手を求める革命勢力らの、陰謀と暗闘が渦を巻きます。
一方で、楽聖ベートーヴェン…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ひとは貴方を天使だと言う。けれど、天は貴方を見放したかのようだ。
本当は、もっとずっと以前に星三つ以上の評価を心に決めていました。
先に進めば進むほど、釘づけになる作品です。
短命で、歴史の渦に翻弄された美貌の貴公子の物語。
一言で語れば、陳腐な表現だけれど。
読み進めていくごとに、この薄幸の殿下が愛おしくなり、なんとか彼が報われて幸福なときを過ごすことがないかと、祈るような気持ちで文字を追っています。
ああ、こんなに素敵で魅力的な人物なのに。
出会った誰もが心惹かれて、追いかけてしまうのに、彼が心底から願っている人物からの親愛だけは、得られるのが容易でない。
私が、お傍に上がれたら……(妄想没入)。
随所に散りばめられた上質な雑学が実は重要な伏…続きを読む