彼を知ることはこの時代を知ることだ

ナポレオンといえばどうしても一世と三世の激動ばかりが目につく。しかし、フランスではなくその敵国オーストリアに死したナポレオン二世のことを知る人は少ない。かくいう私も中公新書で彼を記した本を買うまで、彼のこと何も知らなかったし興味すらなかった。しかし本作を読めば、ナポレオン二世が他の二人……いや三人に負けず劣らずの魅力を持っていることに気付くだろう。これはライヒシュタット公が織り成す、ナポレオン四代で最も切ない物語である。

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