応援コメント

破戒 2」への応援コメント

  • この戦略は正しく、素晴らしい……そうあれかし、と彼が望んだように、世界はゆっくりと変わっていったのですから。
    こうして描写されているのを拝読すると、フランソワの知性は、同時代人を隔絶しているように感じられますね……!

    作者からの返信

    プルードンのゆりかご、プロケシュの経歴、そして、祖父と祖母の署名入りの本をプロケシュに差し出したこと、それに殿下がプロケシュに語った言葉の断片……これらに想を得て、かつ、ナポレオンの息子宛の遺書(書籍の活字として、殿下は読んでいました)を勘案して、このような戦略を練り上げ、この頃殿下が皇帝と観たエンツォ王の(というより父のフリードリヒ2世が破門された)エピソードを絡めてみました。

    実際、殿下は、とてもイタリアへ行きたがっていました。

    けれど、この頃すでに、ライヒシュタット公の病状はとても悪く(なぜプロケシュは気がつかないのか!)、かつ、ピウス7世の後の教皇は、みな、強硬派というか……。ナポレオンの時代は終わっていた、としか言いようのない状況でした。

    自分でも盛り込みすぎたと思っていました。こんなに深くご理解頂けて、感激です。お褒めの言葉は、全て殿下に捧げたいと思います。熱と咳に苦しみながら彼が考えていたことと、そう遠くはないと、及ばずながら考えています。

    今、とても嬉しいです。あまりにひねりすぎたと反省し、後半部分は自分でも否定しがちだったのですが、ちゃんとご理解頂けたのですから!
    本当にありがとうございます。もう、なんとお礼を申し上げたらいいか……。ありがとうございます!

  • 何かを失う代わりに何かを得ようと思うのは、病に責められ、既に自信を失っているのかもしれませんね。少なくともナポレオンは、なんでも手に入れたかったのだろうし、そうしたでしょう。それを越えようと言うなら、死後の平穏すらも自ら保全してみせてほしかった。しかしフランソワの現実は恐らくこうだったのだろうと思います。

    作者からの返信

    病は、すでに、相当、重くなっています。もはや、何をする気にもならないレベル……。ただ、彼はそれを、周囲に隠していました。

    死については、次の章の終わり頃から、次第にクローズアップされていきます。もう、気の毒で、やってられない感じでした。これ、書く必要、あるのかな? とも迷いましたが、ぎりぎりの瀬戸際で、彼の勁さがにじみ出ているのが感じられ、割愛はできませんでした。「ナポレオンの息子は身体が弱く、若年時の運動不足も祟り」……などという誤った認識を是正したい気持ちからも、頑張って書きました。
    私の頑張りが、間違った方向に行かなかったことを、祈っています。