ディ先生……
作者からの返信
ディートリヒシュタイン伯爵夫妻が、5人授かった子どものうち、大人になるまで成長できたのは、二人だけです。ユーリアは、大切な娘だったのでしょう。
ですが、どちらかというと、彼が晴れ姿を見たかったのは、教え子の方だったような気がしてなりません(結婚式という舞台ではなくても)。また、先生から、花婿の付添人を頼まれた時の、ライヒシュタット公の戸惑った顔も、自然に目に浮かんできて、おかしくてしようがなかったです。
それにしても、資料の花婿の描写が、先生そっくりなんですが。ディ夫人は、反対しなかったんですね。ライヒシュタット公の育て方は、いまいちな気がしますが、案外、いいパパだったのかもしれません。
動かない主人公
もしかしてせりもも様は
フランツを愛しながらも
苦しんでいたのでしょうか?
作者からの返信
書いていく過程で、ふと、この枝道を行けば、全く違う展開になる、という分岐点が、何度か見えました。ですが、その道を辿れば、全く違うお話になってしまい、それはもう、ライヒシュタット公とは無関係の話になってしまいます。私は、ライヒシュタット公の物語を書きたかったので、そして積み上げた史実の終わりに、私なりのある告発を提示したかったので、資料に従って進みました。
うまく言葉にできないのですが、そんな感じです。歴史小説を書くというのは、無軌道に広がっていく想像に、一定の枷を嵌めることなのではないかと、私は考えています。
いろいろ申し訳ありません。いつも本当にありがとうございます。