第3章 魔法使い俺と百合の騎士団
第9話 再戦! 彩葉ちゃん!
その1 朝の地獄
毎朝の恒例行事。
布団上におけるレスリング三回戦だ。
今朝も朱莉さんに搾り取られた。
気力ボロボロで動けない俺の上で朱莉さんの声がする。
「お前もそろそろ魔法が目覚めてもいい頃だな」
なぬ。
「どういう事だ」
「私は賢者の石にそれなりの魔力を注ぎ込んだ。賢者の石と一体化が進むと共にお前自身にも魔力が生じる訳だ。魂に魔力が無いお前であってもな。
普通は自分の魔力を賢者の石に注ぐから過去の自分とほぼ同じ魔法や魔力を身につける。だがお前の場合は魂と注ぎ込む魔力が違う。だからどんな魔法が発現するかはわからん。まあ期待しないで待ってみることだな」
なんと。
俺も本物の魔法使いになれるのか。
知らなかった。
それでどんな魔法が使えるんだ。
火か風か水か土か。
「参考までに朱莉さんの魔法はどんな分野だ」
「私は
ふむ、
天智天皇は中大兄皇子だから西暦六百年代中盤頃。
「千五百年くらい前から生きている訳か。
バシッ。
痛い。
平手打ちをくらった。
「何を聞き間違えているんだ」
「失礼、
即位年がちょっとだけ後になるな。
俺の耳が痛覚を訴える。
「わざとらしい聞き違いをしているのはこの耳か、オラ!」
悪い魔女に両耳を引っ張られている。
「痛い!」
「全治全能全属性の魔女だ!ちゃんと聞いておけ」
「わかりましたわかりました。
「そんなにひよっこではないわー!」
せめてコレくらいの言葉遊びは許してくれよ。
散々いじめられた後なんだから。
でも明治天皇でひよっこならこのおばさん、いや朱莉さんはいったい何歳なんだ。
明治だと百歳ちょいだから、確かにひよっこ扱いか。
魔女狩りの初期に逃げてきたとなると最低で五百年だものな。
俺は歴史には自信があるんだ。
そんな俺を文字通り上から見下ろし、魔女は不敵に笑う。
「まだ気力に余裕があるようだな貴様。ならば行くぞ、四回戦!」
な・ん・だ・と……!
でももう搾り取られて何も出ないぞ。
出るのはガスか赤玉か。
赤玉はまだまだ待ってくれ。
せめて俺好みのロリを孕ませる時までは。
「とっておき魔法を魅せてやる。
なぬ。
元気も気力も無いのに一部だけ元気になったぞ!
「それでは本日の延長戦、いただきます」
老いちょっと待て。
これ以上は俺が無理だ。
あそこがすりむけちゃう。
ああ……
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