その3 標的は俺!?
無事にもう一つのスーパーで三割引弁当と惣菜をゲット。
こっちのスーパーの方が基本的に物は安いが、値引きは三割引までしかならない。
だから普段はこっちのスーパーを使わないのだが仕方無い。
もう一度向こうのスーパーに行く気にはならないからな。
さて、こっちのスーパーから家までは少し遠い。
なので箒を出すためちょっと人目が少なそうな場所へ歩きかけた時だった。
ふっともうお馴染みの気配があたりを覆う。
また襲撃かよ。
俺は周りを確認する。
「地魔法も手に入れたか」
俺の前方方向に人影がいた。
逆光かつ暗すぎて容貌等は全然わからない。
声も男か女かわかりにくい感じだ。
「今日の騒ぎはお前の仕業か」
影は頷く。
「然り。我らが障害となる存在を見極める為」
何?
「我らが目的のため、消えて貰う」
おいちょっと待った。
いきなりかよ。
『地魔法、障壁!』
咄嗟に防御魔法を出し、俺自身は逃走を開始。
『風加速!』
表通りまで加速して逃走。
でも嫌な気配は消えない。
こっちの通りは人が多いだけに魔法を使われたら面倒だ。
仕方無い。
速度的に今一つ頼りない俺の箒を出す。
歩道橋や電線より少し高い程度の高さで飛行開始。
逃走方向は取り敢えず家。
朱莉さんがそろそろ帰宅する時間だ。
あてになるのは彼女くらいしかいない。
嫌な予感がして咄嗟に箒を横方向へ滑らす。
見えない魔法弾が俺の魔法障壁をかすめて左を通り過ぎた。
そのままビルの窓ガラスを四散させる。
やばい、本当に攻撃してきやがる。
対抗しようにも俺の魔法にはガチ攻撃魔法は無い。
基本脱がす魔法ばかりだ。
何故こうなった!
そう思いつつも箒を上下左右にずらしながら逃げまくる。
「予知も使うか」
予知ではなく単なる勘だ。
やばそうと感じたら避ける、その繰り返し。
敵は俺の後方百メートル程度で何故か近づいてこない。
理由はわからないが取り敢えず助かる。
家のマンションまで最後の交差点を曲がる。
ふっと背後の気配が消えた。
どうした。
念の為ビルの壁を背にして確認する。
上下左右、気配を感じない。
理由は次の瞬間判明した。
俺の良く知っている気配が猛速度で近づいてくる。
『蒼生、無事か』
朱莉さんだ。
ほっと一息。
『何とかな。大分色々あったけれどさ』
『状況は理解している』
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