第4話 ハニートラップと魔女戦闘

その1 何とかかんとか放課後に

 午後は体育館で課外活動の案内だった。

 特に何処にも入る予定が無いのでただぼーっと見ていた。

 うん、女子校はむさいのがいなくて大変目に快い。

 高校でなく中学だったらもっと良かったのだが。

 それでも時に発育途上の美少女候補くらいのがいて大変宜しい。


 そう思いつつぼーっと目の保養をして教室へ移動、これで本日の日課終了だ。

 放課後へと突入する。

「蒼生はどうするの。まっすぐ帰るの」

 知佳さんが聞いてきた。


「そのつもりだ。特に入りたい課外活動も無いからな」

「なら帰りにいっしょにや・ら・な・い・か!」

 おいおい。


「何をやるんだ何を!」

「密室籠もって棒を握りしめて大声出して喘ぎまくるの」

 よからぬ想像しか出来ない。


 流石に返事が出来ないでいると翠さんが助け船を出してくれた。

「カラオケのことよ、きっと」


「ははは流石翠、よくぞ見破った!」

「わからいでか!」

 本日四度目のチョップ炸裂!


「いや、カラオケも曲をほとんど知らないしさ。何せ病院に籠もっていたから」

 ボカロ曲ならある程度知っているけれど歌える自信は無い。


「大丈夫大丈夫。痛いのは最初だけ」

「いや何で痛いんだよ」

「天井のシミ数えているうちに終わるから」

「何の誘い文句だよそれ」

「手取り足取り親切に教えるから」

「だから何の話だって」

「カラオケ」


 うん。

 疲れる。

 保護者と交代だ。


「翠さん翠さん。知佳さんはいつもこんな感じなのでしょうか」

 三つ編みお下げの翠さんがうーんと腕を組む。

「今日は特に酷いかな。リアルの男子相手にしてハイにはっているみたい」

「そんなもんなの?」

 うんうん、翠さんと知佳さん両方が頷いた。


「上水女子は校則に『男子と不要な会話をするべからず』とあるくらいだからね。小学校からずっといると本当に男子と縁が無くなるのよ。コンビニのレジのお兄さんと今日は話が出来た!と喜ぶくらいに」

 これは翠さんによる解説。

 それはそれは。


「かなり酷いな」

「うん、だからといってこんなハイになるのはこの子くらいだけれど」

 そんな事を話していると教室出入口の方で何かざわっとした。

 何だろう。


「失礼します。一年E組、鈴木蒼生君はいらっしゃいませんか」

 そんな声が聞こえた。

 知らない声だ。

 見てみると大人しそうな上級生の女子が入口からこっちを覗いていた。

 顔はそこそこ美人系。

 体型は標準女子高生という感じ。

 胸はそれほど大きくなく、でもヒップはしっかり。

 ギリギリ俺の好みの範囲でアリかな位の感じだ。


「鈴木先生がお呼びです」

 何だろう。

 学校で呼び出すとは何かあったのかな。


「はい、今行きます」

 取り敢えずカバンを片手にそっちへ向かう。

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