その8 そして事後処理へ

 取り敢えず俺達の教室へ全員で入る。

 ロリ化したダルタニャン先輩は取り敢えず適当な席に座らせてと。

 何せ気絶したままだから丁寧に。

 うん、胸が膨らみかけの感じがまさに理想のロリ具合。

 年齢にして十から十一歳、小学5年生くらいかな。


 座らせる時にふと気づいた。

 彼女の胸元近くに赤い宝石のような結晶が浮いている。

「これは」


「賢者の石ですね」

 恋ヶ窪さんの声。

「賢者の石とは蓄積した魔力が結晶化したものです。樽田さんの身体を退行させた結果、身体にとどまれなかった魔力が結晶化したのでしょう。

 これは樽田さんを倒した蒼生君のものです」


「でもこれを奪ったらダルタニャン先輩が死んだりしないか」

「魔法使いとして必要な魔力は身体に残っています。ですから問題ありません」


 そうなのか。

 でも俺が賢者の石を貰っても使い道は無いぞ。

 となるとだ。

 俺は賢者の石を一度手に取って、それから彩葉ちゃんに渡す。


「俺が持っていても使い道は無いからな。有効に使ってくれ」

 そして慌てて他の面々のことも思い出す。

「あ、その前にこの中で賢者の石が必要な奴はいるか?」


「うーん、私が必要になるには二百年早いかな」

「同じく」

「地の魔法使いは自分の魔法で若返れますから」

「運命の魔女には必要ないですね」

「私も同じです」

「既に義体も作成済み」

 良かった。

 他に必要のある人はいなかったようだ。


「でもいいの? 私、最初は蒼生の賢者の石を奪おうとしていたのよ」

「だからこそこれで一件落着だろ」


「うぬぬ……」

 そう言いながらも彩葉ちゃんは赤い結晶を手に取った。

「後で後悔しても知らないんだからね」

 彩葉ちゃんはその台詞を残してふっと姿を消す。


「賢者の石を持っていると狙われますからね。隠れた上で使うつもりでしょう」

 なるほどなあ。


 さて、残る課題はこのロリをどうするかだ。

 大変美味しそうなのだがこの場で頂いてしまう程俺はペドでは無い。

 むしろ俺はロリの前では紳士なのだ。

 それでこそ変態紳士。


「それでこの子はどうしようか」

 俺の代わりに知佳が言ってくれた。


「普通なら魔女時代の記憶や財産が残っているのですが、知識も身体にあわせて戻してしまいましたからね」


「それは私達に任せて貰いましょう」

 明らかにこの場の女子と違う声が聞こえた。

 教卓のところに二人の姿が出現する。

 朱莉さんと北町先生だ。


「出たな悪い魔法使い!」

「だれを見て言うとるのじゃ、おれおれ」

 頭を肘でゴリゴリされる。


「やめて下さいお姉様」

「言い方に悪意がある。お仕置き追加!」

 しまったバレたか。

 流石天智天皇の魔女。


 ポコッ!

 拳も振ってきた。

「そのネタはもう古い」

 あんたも自分で何回も使っただろ!

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