エピローグ

第29話 そしてまた賑やかな日々

その1 微妙に不完全燃焼な翌日

 その日は正常化した後は何事も無かったかのように終了。

 部活もいつも通りエロゲをやって終了だ。

 エロゲに集中するには部活の時間は短すぎるな。

 そんな事を思いつつも箒に乗ってスーパーに寄ろうとした時だ。

 スマホがSNSメッセージの着信を告げた。

 朱莉さんからだ。

『今日は弁当三つ。あと特別にデザート3つ』


 何だろう。

 客が来るにしては半額弁当でもてなすのは変だよな。

 そんな事を思いつつも言われた通りのモノをキープして帰宅。


「ただいま」

 魔法で鍵を開けて入る。


「おかえりなさい」

 えっ。

 朱莉さんの声じゃ無い。

 出てきたのは朱莉さんと、子猫先輩!


「今日からここでお世話になります鈴木橙香とうかです。宜しくお願いします」

 ロリに挨拶されて思わずキョドりつつも返答。

「鈴木蒼生です。こちらこそ宜しくお願いします」


 おいおいどういう事だ。

 まあ想像はついているけれど。

 俺は朱莉さんを睨む。

「戸籍上は橙香はお前の妹だ。だから襲うなよ」

 おいおいその台詞は語弊があるぞ。


「俺が紳士なのは知っているでしょう」

「どうかな」

 おいおいおいおいおい。

「さて腹が減った。飯にしよう」


 そんな訳で俺に妹が出来てしまった。

 理想のロリ具合の妹だ。

 ただ妹で同居だと色々不具合もあるよな。

 何せこの家だと朱莉さんがいるし、危ない関係になるのは難しそうだ。

 でも攻略が難しいのもまたいい。

 エロゲマスターになりつつある俺にはちょうどいいターゲットか。


 ポカリ!

「何しょうもない事を考えている」

 しまった天智天皇の魔女に読まれたか。

「それはもういいから」


 ◇◇◇


 翌日、学校に彩葉ちゃんは来なかった。

「まあ身体を入れ替えたら、同じ学校で同じ名前でいるのは無理ですね」

 そう言われればそうだな。


「蒼生、残念でした」

 知佳にそう言われてしまう。

「でも私がいるから問題無いよ。さてそろそろ蒼生の賞味時が来たかな……あれ、むしろ賢者の石が少し元に戻っている」

「魔力の使いすぎで戻ったんだと。あと魔力補給も今後は自力でやれって。もう魔力源そのものは出来ているから一年もすれば何とかなるだろうって」

 そうなのだ。


「橙香の情操教育の問題もあるしな。部屋数は人数分あるから問題無いだろう」

 そう朱莉さんに宣言されてしまったのだ。

 今にして思えば朱莉さんの身体は好みじゃ無いがエロ気持ちいい身体ではあった。

 往々にして大事なものは失ってから気づくのだ。


「そういう事は蒼生はまだ一年くらい使えないのかあ」

 使えないとは生々しい言い方だが、でも事実だ。


「しかも箒もまたカブに戻されたんだぜ。魔力を節約しろってさ」

「それは先生の言い分が正しいですね」

 翠さんにまでそう言われてしまった。

 うん、そうなんだけれど色々となあ。

 俺的には色々不完全燃焼気味だ。

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