その2 そしてまた賑やかな日々
そんな訳で平穏な日常というものは続いていく。
知佳の発言は相変わらずだが慣れてしまえばこれも日常。
毎日部活でエロゲをやって、月に一度は生徒会室で和花ちゃんとお茶して。
遅い
慣れてみるとこれも普通に高校生的青春って気もするな。
知佳は発言内容以外は色々いい奴だし可愛いし。
翠さんも友達としてはなかなかいい奴だ。
知佳の抑え役としても俺のエロゲの供給源としても重要だしな。
休日はたまに和花ちゃんも誘って皆でお買い物デートというのも楽しい。
橙香も大分妹として俺に懐いてくれるようになった。
彩葉ちゃんだけはもういないけれど。
そんなある日の夕方。
『今日は弁当無しでいいぞ。その代わりおやつ関係を四人分豪勢に買ってこい』
朱莉さんからのSNSメッセージだ。
何だろうと思いつつも言われた通りケーキだのプリンだの色々購入して帰宅。
「ただいま」
最近は橙香が鍵を開けてくれる。
俺が帰るのを魔法で察知して帰宅と同時に開けてくれるのだ。
そして、
「おかえりなさい」
と言ってくれる。
美少女妹のお迎えなんて最高なのだが、今日はちょっと違った。
「お邪魔しています」
ものすごく既視感を感じるが間違いなく初対面の美少女が橙香と一緒にお出迎え。
「橙香と学校で同じクラスの彩葉です。よろしくね、お兄さん」
おいおいおい、名前そのままかよ。
間違いなく本人だよな。
そう思いつつ俺はリビングへ。
朱莉さんは部屋でにやにやしていた。
「今日は橙香の友達の彩葉ちゃんがお泊まりで遊びに来てくれたんだ。夕食も作ってもらったぞ。感謝していただくんだな」
『でも彩葉を頂くのはやめておけよ。橙香に怒られるからな』
朱莉さん、余計な事を言わないでくれ!
「橙香からお兄さんのことは色々聞いているんですよ。優しくて頭も良くて、格好いいって」
「もう、彩葉ったら」
「そんな橙香の自慢のお兄ちゃんに会いたくて今日を楽しみにしていました」
おいおいおい。
『彩葉ちゃんだよな、あの元同じクラスだった』
『妹さんのクラスメイトの彩葉ちゃんですよ、お兄さん』
うん、間違いなく本人だ。
「彩葉ちゃんも聞いたらここのマンション住まいで、しかも両親が海外出張中で一人暮らしだそうだ。そんな訳でこれからちょくちょく夕食や朝食が一緒になるけれど、まあよろしくやってくれ」
おいおい朱莉さん。
わかって言っているだろう。
「そんな訳でこれからもよろしくね、お兄さん」
そのお兄さんのところを強調しないでくれ、彩葉ちゃん。
色々変な気持ちになりそうだろ。
何だかなという気分もするけれど、これはこれで一件落着なのだろうか。
何かまた色々起こりそうな気もするなあ。
まあ料理も美味しそうだし、深くは考えない事にしよう。
今日のところは。
「それじゃ皆で夕食を頂くとするか。蒼生、デザートも全部出せ」
「はいはい」
プリンだのケーキだの色々を全部出す。
「それじゃ、いただきます」
「いただきます」
今宵も魔女は空を跳ぶ! 於田縫紀 @otanuki
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