その3 性欲に嬉しいご提案です

「さて、翠はどこまで説明したかな」

「『賢者の石』を求めて魔法使いが襲ってくる事と、義体が完全に身体になったら大丈夫というところまで」


 うんうんと知佳が頷く。

「なら義体を身体にする方法だね」

 翠さんが妙にマニアックなというか、確かエロゲの挿入歌を歌っている中で知佳が説明を始める。


「『賢者の石』は魂の魔力を吸って義体を身体に入れ替えるの。だから高レベルな魔法使いなら義体を身体にするのはそんなに難しくない。せいぜい三日もあれば充分。

 でも蒼生のような本来魔法使いではない人の場合、義体を身体にする為に自分の魔力を使えない。元々魂に魔力が無いからね。だから外部から魔力を注入する必要があるの。

 今の変換具合を見ると鈴木先生、大分頑張っているみたいだけれどね」


 ぎくっ!

 それって色々、バレているという事……


「隠さなくてもいいよ。朝と夜に三回ずつの一週間分という感じかな、今の状態は。意識を取り戻す前も含めて色々頑張っていたみたいだよ。流石大人の女性! 羨ましい! それでもこの調子であと一月はかかるね、私の見立てでは。

 そんな訳でご相談。私と翠も蒼生の身体化を手伝ってあげましょうか、今日はそんなご提案です。一発と言わず何発でも。蒼生君はいかがでしょうか」


 それってつまり……

 ナニを致すと、そういう事なのか。

 そりゃ確かに鈴木先生こと朱莉さんよりは確かに好みだ。

 でも本当にいいのか。

 倫理的にも今日合って合体!というのはまずいだろう。

 AVなら出会って●秒で合体!なんてシリーズがあるけれど。


「私は勿論翠も当然OKだよ。特に翠は色々なモノで穴を刺激して楽しんでいるみたいだから私より色々入りやすいと思うよ」


「そんな色々やってません!」

 翠さんが顔を真っ赤にして訂正。


「本当かなあ。前に『男の子の技で絨毯オナニーというのがあるらしいけれど、女の子の場合はどうやって挑戦すればいいんだろう』なんて言っていたしね。結局絨毯を盛り上げて凸部分でこすったらあそこが炎症になったんだっけ」


「そ、それは小学校5年の若さ故の過ちという奴で。それに絨毯オナニーって母なる大地とまぐわるなかなか伝承的なやり方だなと思ったらつい興味がわいて……」


「夏だと冷やしたチューブ入りアイス、いわゆるパ●コを中に入れると涼しいとか言っていたよね。二本繋がった状態で上下両方を攻められるって」


「それは部屋のエアコンが壊れて暑さで頭がおかしくなっていたの!」


「中学校の古文の時間で、貝合せという昔の遊びを聞いて、咄嗟に『まあいやらしい、でも気持ちいいかも』と言ってしまったの私には聞こえたよ」


「あれはちょっと勘違いしただけ!」


 うん、翠さんもなかなかに相当に強烈な模様だ。

 単に今日は学校でボロが出なかっただけで。 

 ああ、俺が同世代だった頃はとてもこんな事を女子が言うとは思わなかった。

 男の子の純情を返せ!

 今の俺は全然純情じゃないけれど。


「だいたいエロゲーをオナニーしながらやるのが趣味って辺り、もう翠終わっていると思うよ」

「だってだって上水学園だと妄想する相手の男性すらいないんだもん! 窓の外をみて電気工事で電柱に登っているお兄さんのお尻をみて想像するくらいで」


「そこで翠にご相談です。今、義体とは言えいい感じの顔と身体をしている設定同い年の男子がいます。しかも相手の平和と安全の為に一役買う事が出来る! さあどうだ、ここで一発や・ら・な・い・か!」


「で、でも私、始めては彼か私のお家で、ベッドの上でするって決めているもの」

「大丈夫大丈夫、やってしまえば考え方も変わる!」


 何か危険というかやばいというか。

 これは逃げた方がいいのか期待して待っているのが正しいのか。

 流石にこんな経験が無いだけに俺は戸惑っている。

 目の前の二人の話はどんどん過激さを増していく。

 さあどうするのが正解だ!

 決めろ、俺!

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