その3 俺の戦闘風魔法
「ふっ、風魔法なんて」
アラミス先輩はそう言って杖を掲げる。
だがその表情は一変した。
「何故なの、風なのに風魔法で相殺出来ない!」
「ああ。これはただの風じゃ無いからな」
暴風はどんどん範囲を広げていく。
だが木々も屋上の扉も動いたりはしない。
立っている魔女達も跳んでいる魔女達もちょっとだけ足で踏ん張る程度だ。
「ふっ、思ったより威力は無いわね」
アラミス先輩は鼻で笑う。
「いや、
そう。
彼女達が気づいた時はもう遅かった。
既にスカートはおろか、ジャケットもブラウスもブラジャーも。
何故か靴と靴下までいつの間にか吹き飛ばされている。
後の女子生徒二人が咄嗟に自分の身体を手で隠したのが見えた。
いい眺めだがじっくり見ている暇は無い。
「そして次は!」
俺はその場に丁寧に知佳を置くと、一気に走り出す。
『風加速!』
これは普通の風魔法だ。
だが脱衣に気をとられたアラミス先輩には隙があった。
その隙にもう一つの魔法を展開しながら俺は一気にアラミス先輩の背後につく。
『
この魔法は俺自身の衣服を全て解放する魔法だ。
走りながら俺は全裸になる。
恥ずかしいが仕方無い。
俺の命と知佳を救うためだ。
「さあ、チェックメイトだ。アラミス先輩」
俺は背後からアラミス先輩の裸身をがっしり掴んだ。
またノータッチの原則に背いたが仕方無いだろう。
俺自身が生か死かの状態なのだ。
だから捕まえたアラミス先輩の感触を味わう位は大目に見て欲しい。
そう思いつつも口調は冷酷を意識する。
「ここで部下の魔女達を引き下がらせ撤退しろ。さもなくば挿入するぞ」
「ふん、こう見えて二百四十九歳で百戦錬磨の私、いまさらそんな脅しはきかないわ。入れるなら入れてごらん。我がテクニックで貴様のナニを粉砕してあげるから」
それは是非とも試してみたい。
でもその前に説明事項がある。
「俺の賢者の石は特別量でな。魔力が低い奴だと結合だけで魔力を失って死に至るそうだ。何なら己の身体で試してみるか」
なんなら引き下がらないでもいい。
そうなればヤッちゃう口実が出来るだけだ。
むしろ俺の股間はそれを望んでいる。
いきり立ったモノがアラミス先輩の尻肉に触れた。
さあ、引き下がるな!
「わかった、わかったわ。私の負けよ。百合騎士団、撤収!」
残念、引き下がったか。
なおアラミス先輩は撤収を指示したが、実際はそれどころではない状況だった。
とても戦闘どころでは無い。
「わかった、休戦を認めるわ。今日はここまででこれ以上は襲わない。百合騎士団三銃士アラミスの名にかけて誓うわ!」
「そうか、残念だ」
本当に残念だが仕方無い。
俺は風で散った自分の衣服を着装しながら知佳の元へ戻る。
知佳は既に意識をとりもどし、俺の方を見ていた。
「前も思ったのだけど、立派なモノをお持ちで……」
また見られたのか。
というか見たのか。
全く油断ならない奴だ。
俺は恥ずかしいぞ。
「取り敢えず帰ろう。箒で」
余計な事を言うと恥ずかしいのでそれだけ。
「そうだね」
知佳はそう言って箒を取り出した。
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