その5 炎のゴーフレット

「ならちょっと右手を貸して」


 何だろう。

 俺は右手を出す。

 彩葉ちゃんは俺の右手を可愛い両手で掴んで。

 次の瞬間むにゅっと感触。


 えっ!

 彩葉ちゃんの左胸に俺の手が押し当てられている。

 おいおいおい。

 しかも水着の下にパット入れてないから乳首までわかるぞ感触で。


「おかしいのはわかっているのよ。実際その辺のよぼよぼのおばあちゃんの二倍の年齢で女子高生なんてやっているのは変だって。でも何故か蒼生には酷い事されたのに見るとドキドキするし。

 今だって心臓がドキドキしているの、感触でわかるでしょ」


 悪いが俺の脳はそれどころじゃ無い。

 水着の上の感触を味わうのにリソースの全てを割いている状態だ。


「女子高生の身体だとやっぱり考え方も女子高生っぽくなるのかな」

 おい俺の手を押し当てないでくれ。

 いや押し当てられていて幸せだ。

 ただここでリアクション起こすと不味いだろう。

 あくまで動かさずそのままの感触を楽しむ感じで。


「蒼生はどう思う。変だよね。おかしいよね」

「別に。俺も彩葉ちゃん好きだしさ。教室で最初見た時から可愛いと思ったし」

「でももうすぐ二百歳よ」

「俺だって元は中年の駄目男だしさ。そんなの関係無い」

「でも知佳や和花ちゃんに悪いし」


 おいおい。

 その名前を持ち出さないでくれ。


「和花ちゃんなんて今日、これでもかという感じで攻めている感じだしね。知佳も口では色々言っているけれど蒼生の事が好きなのはもう見て丸わかりだし」


 そうなのか。

 あいつは単にエロ体験したいだけじゃないのか。


「選ぶのは蒼生だし、魔女社会は一般の常識無視なんてところもあるけれど」

 常識無視はわかっている。

 何せ毎日叔母である筈の朱莉さんに吸い尽くされているからな。

 まああれは俺の身体を完全にするためもあるんだけれども。


「あ、二人が戻ってくるわ。それじゃまた」

 さっと俺も手を引っ込める。

 二人が見える範囲に戻ってきた。


「どうだった?」

「向こうはカップルばかりで何か変な雰囲気でさ、戻って来ちゃった」

「何かイヤらしい感じです」


 どきっ。

 まさにそんな感じの事を今やっていたからな。


「それじゃそろそろ内風呂も探検しに行くか」

「そうだね」


 そんな訳で俺はバーデゾーンで三人と別れ、男湯へ。

 うん、こっちは見るべきものは特に無いな。

 お湯だけつかってさっさとあがろう。

 そんな訳でさっさと上がって土産物屋を物色。


 何だこれ。

 当たり付きゴーフレットか。

 クリーム味のゴーフレットに混じって一つだけ唐辛子入りの炎のゴーフレットが入っているようだ。

 冗談ついでにお土産に朱莉さんにでも買っていこうかな。

 こういう下らないの大好きだから。

 なんてやっていると女性陣もやってきた。

 うん、風呂上がりという感じでなかなかこれもいいぞ。


「何買っているの」

「うちの家主へのお土産」

「私も買っていこうかな」

「見るだけでも楽しいです」

 そんな感じで4Pデートは幕を閉じたのだった。

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