その4 今夜はハードでグッドラックに
食事終了後。
彼女、自称鈴木朱莉は俺がネットサーフィンした端末から文書ファイルを開く。
「一太郎使いなんだな」
「ワードより使いやすい。特に同人誌を編集する場合はな」
そんなモノを作っているのか。
あとでハードディスク内を探索しよう。
「これがお前の基本設定ファイルだ。良く憶えておけ」
生まれから育ち、血液型も星座も、身長体重その他色々と記載されている。
「そっちの設定は?」
「その文書に書いてある程度で充分だ。なお私の事は以降朱莉さん、学校では鈴木先生と呼べ」
「続柄通りにおばさんじゃ駄目か」
「もう一度言ったら殺す」
殺されたくないので止めておこう。
ババアほどそう呼ばれるのをいやがるのだ。
朱莉さんまたは鈴木先生二十八歳、化学教師、出身大学は東●学芸大学と。
「その辺は明日の昼にでも読んで暗記しておけ。多少今の事情に詳しくないのは病気で長期療養していたからという事になっている」
「身体はすこぶる健康なようですけれど」
「外国に行っていたとなると語学を憶える必要があるだろう」
なるほど。
「私はシャワーを浴びてくる。その間にその辺を片付けておけ」
そう異って自称朱莉さんはその場で服を脱ぎ始める。
「洗面所で脱いだ方が散らからないと思いますが」
「狭いので面倒だ」
なるほど。
なお俺は大人の女は対象外なので問題無い。
そんな訳でまずは食卓の上から片付け始める。
「私の身体は気にならないのか」
「生憎俺のターゲット外ですから」
「そう言えばそう言っていたな」
確かに見る人が見ればいいプロポーションなのだろうけれどさ。
そんな訳でゴミを片付け、まだ飲めるペットボトルは一応冷蔵庫へ。
更に脱ぎ散らかした服も分別して袋に入れておく。
毎回やれば部屋も汚れない。
まあ前は俺自身も汚部屋に住んでいたけれどな。
ゴミ出しが出来なかったから。
そんな訳で一通り片付け、パソコンで俺の設定を読んでいた時だ。
バスタオルで身体を拭きながら自称朱莉さんが風呂から出てきた。
良く拭かないまま出てきたので床が水浸しだ。
あーあ。
「明日も仕事だからもう寝るぞ。付き合え!」
えっ。
「付き合えってもう寝るだけだろ」
「だからだ」
話がおかしい。
「寝るの位は一人で寝るよな」
「何の為に私がその義体を作ったと思っている」
そう言われても。
えっ、まさか……
「面倒なので筋弛緩魔法四肢のみ!」
うぎゃー
手足に力が入らない。
俺はその場に崩れ落ちる。
「どういう事だ」
「義体は普通、自分の肉体が壊れたり年老いた時の為に作っておくものだ。自分の身体の予備としてな」
そう言って彼女、朱莉さんは俺の身体をヨイショと片手で抱える。
見かけによらず凄い力だ。
「私の場合はいざという時の予備として、年齢別に女性の義体を三体つくってある。あとはお楽しみ用に男性の身体を一体お遊びで作っておいた。後で適当な魂を入れて気持ちいい遊びに使おうとな」
嫌な予感、ひしひし。
「予定外の事件があって魂が入ってしまったがな。ついでだから有効に使わないと損だ。そんな訳で今夜からたっぷり味わらせて貰うぞ。じゅるり」
最後のは朱莉さんの舌なめずりの音。
彼女は俺を抱えたまま布団のある和室へ。
布団を足でめくって俺の身体を横たわらせる。
更に上半身は前をはだけさせ、下半身は引っ張って一気に脱がせた。
つまり俺の下半身、丸出し。
「止めてくれ! 俺のタイプじゃ無い!」
俺の童貞は小学五年生の極上ロリに捧げる予定だったのに!
「ふふふふふ、いやがる身体を征服するのも魔女の醍醐味なのだよ。嫌よ嫌よも好きのうち……」
「違う!」
でも力が入らないから抵抗できない。
「それに俺はまだ風呂に入っていないぞ」
せめてもの抵抗。
「ふふふふふ、その匂いもまたご褒美なのだよ」
なん・だと……!
そして下半身の一部を怪しい快感が遅う。
「嫌だ……」
「でも貴様のここは喜んでいるぞ。ほれほれ」
うう、男性としての生理的反応が悲しすぎる。
誰か……
助けてくれ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます