第8話 遂に俺に春が来た!
その1 遂に来たんだラブレター
さて。
本日は実に放課後が楽しみだったりする。
理由は簡単。
何と美園さんちの彩葉ちゃんからお手紙を頂いてしまったのである。
『お話したい事があるので放課後、職員事務棟の裏までお願いします。邪魔が入らないように気を付けて来て下さい』
ついに、ついにである!
苦節一週間。
既にグループが違う中、それとなく話しかけたりした苦労が実った! 訳じゃ無いかもしれないけれど。
とにかく朗報である。
もう放課後が待ち遠しくて仕方無い。
ただ問題はお邪魔虫だ。
具体的に言うと知佳と翠さんである。
いかにこの二人をまくかが今日の重点。
この作戦を考えるのに忙しくて六限の現社授業なんて聞いていられない。
まあ元々俺は高校の授業二回目だからな。
教科書を読めば大体全部思い出せるのだ。
そんな訳であの二人相手の傾向と対策を色々と考える。
どうやってそれとなく別れるか。
ああ言われればこう言う、こう言われればああ言う。
授業時間をフルに使って何とか対策を立てた。
授業終了のチャイムが鳴る。
ここの学校は清掃は業者がやるし、放課後にホームルームがある訳でも無い。
つまりこれで学校行事終了。
放課後に突入だ。
「蒼生、部活行こう!」
よし、知佳が想定1番の台詞で誘ってきたな。
ならばここはます想定問答Aパターンだ。
「悪い。ちょっと英語Iのわからないところを質問したくてさ。職員室へ行ってから合流するよ」
「何なら私達も付き合おうか?」
うん、ここも想定通り。
「大丈夫だろ、職員室だしさ」
あそこの先生にも魔女はいるしさ。
だから問題を起こすこともそうそう無いだろう。
そう言外に含ませるのもポイントだ。
「そっか、じゃあ先に行っているね」
知佳はあっさり引き下がった。
この後の想定も色々用意していたのだが。
まあ楽なのにこしたことは無い。
そんな訳で俺はゆっくりカバンに荷物を詰める。
焦ることは無い。
まだ彩葉ちゃんも下校の支度をしている途中なのは視界の隅で確認している。
ただこういう時はやっぱり男は先に行って待っているものだよな。
女の子に待たせるなど俺の紳士道にもおとる行為だ。
今までは紳士は紳士でも変態紳士だったけれどな。
身体が変わって俺は生まれ変わったのだ。
ビバ・リア充。
性経験も普通の高校生より遙かに上だぞ。
意に沿わない相手に責められているだけだけどな。
でもその生活も少しは変わる。
彩葉ちゃんとラブラブになって幸せになるんだ!
そんな訳で知佳と翠さんが部屋を出たのを確認。
俺は周りを用心しながらゆっくりと目的地目指して歩き始めた。
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