その2 明日の計画を立てています

 話はそこで終わらなかった。

 放課後の第二講堂。

 本日に限り俺は主要な部活動であるエロゲプレイを諦めざるを得なかった。

 何故ならゲストが二名、俺の横にいるからだ。

 知佳を含め三名で俺の左右を占拠している。


「場所は何処がいいかな」

「猫カフェ行きたい」

「ご飯はお洒落より実質よね」

 知佳も含め三人、俺のパソコンで明日のデートプランを練っている。


 元々教室を出た時は彩葉ちゃんと知佳の二人だった。

 でも第二講堂の入口でもう一人待っていた。

 中等部の制服姿の一段と小柄な女の子。

 日吉和花ちゃんである。

「お兄ちゃん、明日の予定はありますか?」


 そうしてどうしてこうなった訳である。


「移動は箒でいいよね」

「あっ、でも私の箒、原付で遅いです」

「いいじゃない誰かのに二人乗りすれば」

「ランチはここでいいかしら。イタリアンブッフェだけれどお洒落な割にお安くて」

「いいねそれ」

 もう完全に俺抜きで話が進んでいる。


 見ている分には楽しい。

 三人ともそれぞれストライクゾーン内だ。

 ど真ん中やや低め、ど真ん中やや高め、外角ぎりぎりとそれぞれ違うけれど。


 でも三人だとお触りとかその先アレやコレが楽しめる可能性が低くなる。

 全員ハーレムルートへ突入できれば極楽なのだけれど。

 どう攻略すればハーレムルートへ突入できるだろう。

 予想させるフラグはどこにある?

 出来ればセーブをしておきたいが現実にはセーブもロードもない。

 ゲームオーバーはあるくせに。


 そんな訳で俺がぼーっと三人を眺めているうちに、もはやデートではないデートプランが完成してしまった。


「それじゃ明日は中平駅に朝九時集合。予算一人五千円。買い物と夕食代は別途で」

 結構高い。


「うーん、ちょっと高いか」

「楽しみです」

「確かに楽しそうなプランになりましたね」


 内容は盛りだくさんだ。

 映画から始まり猫カフェ、買い物、食事、最後は日帰り温泉というプラン。

 ちなみに温泉は水着持参との事である。

 そこはとっても楽しみだ。


 際どい水着もいいがスクール水着の味わいには負ける。

 やはりロリはスク水だよね、絶対。

 そう言うと好感度が下がりそうだから言えないけれどさ。

 でも頼む、スク水であってくれ、みんな!

 三人とも貧乳で小柄でとってもスク水が似合いそうだから。

 スク水をちょっとずらしてエッチなんて最高に萌えるよな。

 今回は多分無理だけれども。


 部活終わり前の予鈴が鳴る。

「それでは片付けを始めましょう」

 貫井先輩の号令で片付け開始。

 俺もパソコンをカバンにしまう。

 机を端に寄せて片付ければ本日の活動はおしまいだ。


「さて、水着の準備があるから今日は箒で帰るのだ」

「でも私、ちょうどいい水着あるかな」

「何なら明日買えばいいんじゃ無い。レンタルもあるみたいだしね」

 そんな事を言いながらそれぞれ屋上に出て、箒で帰る。

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