その2 彩葉ちゃんの復讐
今日は授業も部活も特記事項は何も無し。
まあ知佳が色々妙な事を言ってはいるがそれも日常の範囲内だ。
そんな訳で今日は飛行箒を使う事無く歩いて帰っている。
知佳と翠とは途中の電車駅まで一緒。
そこから俺は南、二人は北へと別れる。
つまり学校から駅まで歩く間は二人と一緒だ。
「ねえ蒼生、やっぱり途中、御平霊園でも立ち寄って一発抜いていかない? 私と一緒に生で一本!」
「知佳。今の蒼生君としたら魔力吸い取られて死んじゃうって聞いたでしょ」
「うーん、ならお互い脱いで触り愛なんてどう。先っぽまでなら大丈夫だよね。何なら翠も一緒に3Pなんて」
「そろそろ蚊が出てくるしちょっと肌寒いしね、遠慮するわ」
「なら蒼生、どう?」
ちょっと本気で考える。
したくないかと言えば、間違いなくしたい。
でも先っぽだけだとかなりお預け状態だな。
そこで耐える自信は俺には無い。
それに今でも俺は狙われている身なのだ。
危険な時間は少しでも短くした方がいいだろう。
「残念だけれど素直に帰ろう。でも俺の身体が完全になったらその時という事で」
「うーん、おあずけか」
「それくらい我慢しなさい」
そんな馬鹿話をしながら歩いていた時だ。
ふっと空気が変わった。
もう何回も経験しているから俺にもわかる。
これは魔法だ。
前方にうちの制服姿が二人立ち塞がる。
どっちも俺が知っている顔だ。
「この前はよくもやってくれたわね」
そんな事を言うのは美園さんちの彩葉ちゃん。
「あの件は残念だった。もう少しで甘美な世界にイケたのに」
つい本音で応えてしまう。
「だまらっしゃい。彩葉にとんでもない事をして。その敵はとらせてもらうよ」
この台詞は
やはり俺のクラスメイトで彩葉ちゃんと同じグループの一人。
身長も同じくらいでロリ顔なのだが決定的な違いはその体型だ。
関野はいわゆるロリ巨乳という奴で、小柄でロリのくせに胸がでかい。
この体型をありがたがる男子も世間には多いが俺は違う。
ロリは貧乳でこそ輝くのだ。
ロリ巨乳などただの奇形!
まあそう言うとフェミな方々に抹殺されるので口には出さないけれど。
「うーん、面倒だからさっさと片付けちゃう?」
知佳が緊張感のかけらもない感じでそんな事を言う。
「それなら私の新作の資料にしようかな、いい知佳?」
何だ新作って。
「うん、それなら任せた」
「なら私ね。あと参考用に写真は頼むわ」
「まっかせておいてー」
軽い感じの二人の会話。
何だ。
何が始まるんだ。
知佳がスマホを取り出してごそごそはじめたぞ。
「何か知らないが私達の攻撃を受けてみよ。
「
彩葉ちゃんの手元からは真っ赤な炎が渦を巻いて俺達に近づいてくる。
関野の手元からは緑色のトゲのついた太い枝が強烈な勢いで伸びた。
でも次の瞬間。
「ポージング」
翠さんがそう一言呟いた瞬間。
全ての動きが止まった。
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