その3 貫井先輩のお誘い
「鈴木君、今日は少し付き合っていただけますか」
帰り際、貫井先輩からそんな声がかかった。
「え、何かあるんですか」
デートじゃ無いよな、とは思う。
それに貫井先輩はロリ成分がほとんど無い。
性格もいいし頼りがいもある上級生なのだけれども。
俺は基本ロリが好きなのだ。
でも性格美人な先輩と妄想だだ漏れ微妙ロリ系とを比べたらどっちがいいか。
思わず一瞬考えてしまった。
いかんいかん。
多分今回はそういう話じゃ無い。
「部活が毎回こうだと騒がしいし面倒くさいですから、ちょっと元を絶とうと思いまして」
えっ。
つまりこの騒動の元になる犯罪魔法使いを捕まえるつもりか?
「貫井先輩は犯人がわかるの?」
知佳の質問に先輩は頷く。
「ええ。昨日からの一連の動きは全部同一の魔法使いの仕業ですわ。鈴木君もお会いしていますよね。
えっ!
そう驚く俺の横で、
「えっ、蒼生君、会ったんですか」
更に驚く翠さん。
しまった。
昨日別れた後の件については朱莉さん以外には言っていないんだよな。
理由は簡単だ。
昨日スーパーで俺が魔法を使った件、怪事件として噂が広がってしまっている。
まあ店内の女性ほぼ全員が全裸にされていたのだ。
噂になって当然である。
なお防犯カメラ等には俺は写っていない模様。
それだけは朱莉さんが事後工作をしたらしい。
どうせなら全裸騒動も含めて事後の処理をお願いしたかった。
でもまあそんな訳で俺の品性が疑われる事を避ける為、話さなかったのだ。
「鈴木君は多分二人の安全を考えて何も言わなかったんだと思います。そして今回の犯人は私にとって相性がいい相手なんです。相手側から見ると最悪ですけれど。
ですからお二人は今日は素直に帰って下さいな」
「野次馬根性で討伐を見学したいところだけれどな」
知佳が脳天気な事を言う。
「ごめんね、二人以上は私も安全確保できる余裕は無いんです」
「今日は邪魔をしないでさっさと帰るよ」
知佳は翠さんに引っ張られて退場。
そして。
「それでは行きましょう」
俺はカバンを持って貫井先輩と歩き始める。
「貫井先輩は
「ええ、勿論」
貫井先輩は頷く。
「去年のクラスメイトでしたから。その時は
えっ。
「女の子なんですか」
「刑務所にいた時は男の身体でした。男の義体に入った状態で捕まりましたから」
性別自由かよ。
「ただ本人は不本意だったと思います。元々は女の子でしたし。年齢はまあ、三百歳を超えていましたけれど」
そいつもロリババアだったのかな。
だったら惜しい事をしたものだ。
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