第25話 終わりの欲望
その1 まだ終わっていない
まあ色々あったが結果オーライ。
俺は無事教室へと戻ってきた。
相変わらず倒れている女子と恋ヶ窪さんと……あれ?
この教室に居ない筈の女の子がいるぞ。
「どうしたんだ、和花ちゃん」
「そこのお姉さんに呼ばれたんです」
和花ちゃんの視線は恋ヶ窪さんを指している。
「どういう事なんだ、恋ヶ窪さん」
恋ヶ窪さんは小さく頷く。
「まだ異変は終わっていません。あの妄想強調が解けただけで、歪みの方はむしろ大きくなっています」
なんだと。
「すでに鈴木先生達も対策に向かっている筈です。ですから今起動している仕掛けの始末は先生達に任せておけばいいでしょう。でも彼は更に別の仕掛けを用意しています。彼を倒さない限りこの戦いは終わりません」
倒すか。
あまり好きな言葉じゃ無い。
百合騎士団の銃士さん達と違って、今回は本当に『倒す』必要があるのだろう。
それを俺が出来るかどうか。
攻撃的な魔法が無いというのは言い訳に過ぎない。
必要ならそんな魔法も思い浮かぶのだろうから。
「もし俺達が彼を倒さなかったらどうなるんだ」
「先生達が当たっている事案ですと、日本全域が関東地方を中心に次元の歪みに飲み込まれていく程度です。次の事案ですと日本全域だけで無く、東アジア全体が壊滅的な被害を受けるでしょう」
「彼は何故そんな事をするんだ?」
「彼ほど長い月日を生きた魔法使いの考えは普通の人と違います。ですが強いてわかるような言葉にすれば『滅んでみたい』という衝動でしょう」
なんだそれは。
「自分ごと周りを消し去りたいという衝動です」
もう一人の声がした。
いつの間にか開いていた教室の扉。
そこからから入ってきたのは黒髪長髪のいかにもという優等生型美少女。
創造制作愛好会部長、貫井先輩だ。
一緒にいる小柄な女子生徒は……悪出戻もとい静枝さん!
「行きましょう。彼を止めに」
でも。
「この大人数だと危険じゃ無いですか」
女の子に怪我などさせちゃ一生後悔する。
「いえ、多い方がいいんです」
貫井先輩、あっさりとう言いきる。
「そうそう。旅は道連れ世は情けってね」
知佳お前の頭は江戸時代か。
「私もお兄ちゃんの役に少しは立ちたいんです」
「ちょっと色々発散したい気分なだけよ」
「とりあえずいい絵がみれればいいですわ」
「奴には借りがある」
いいんだろうか。
確かにいてくれると気分的にも大変嬉しいのだけれど。
「大丈夫ですよ。怪我をしたりとかそういう事はありませんから。未来視の魔女である私が保証します」
なんだと!
でも言われてみるともっともな気もする。
確かに何かある時は一言二言必ず注意があったものな。
嬉しくない忠告もあったけれど。
「さあ、そうと決まれば急いだ方がいいですよ。彼がこれ以上面倒な状況を作り出さないとも限りません。場所は案内しますから」
「凪紗、あなたにしては珍しいわね。積極的に関与をするなんて」
「そうでしょうか」
貫井先輩は恋ヶ窪さんの方を振り返る。
どうもこの二人も知り合いらしい。
「私は
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